NHK 番組撮影 人工魚礁についての話で、協力する。
水中撮影なので、念のためテストを2月8日に行った。NHKのカメラマンは、井田さんで、最近のNHKのエースらしい。だいぶ前のことだが面識がある。なので、あんまりみっともない姿も見せたくないのだが、残念なことにフィジカルの衰えは精神力ではカバーできない。
山本勤さんにカバーに来てもらった。
バランスが悪くて、どうにもならないダイビングだった。理由は、ドライスーツでオーバーウエイトにせずに潜りたい。舟にあがるとき、出来るだけ介護を受けないで、上がりたい。ドライスーツはサンファンの新品を借りた。下半身のサイズが少し大きめだったが、ドライスーツだから許容範囲だと思った。お台場でテストして、水深1.5mでは浮いてしまったが、2mまで潜れば水平姿勢で泳げた。海で2m以下になることは無いので、大丈夫と思った。30mの鋼製魚礁に潜水して、バランスが悪くて、自分の身体が思うように動かない。二回目の潜水は、水面で浮くことは覚悟の上、ロープで潜り込もうと2キロ減らした。
2キロ減らしても、ベストが7キロ、ベルトが4キロ、レッグが1.7キロだ。
見事に失敗して水深20mの下でも、スーツに空気を入れると、それがちょっと多いだけでバランスが悪くなる。
ウエイト調整のことばかり、書いていて久保君に笑われているのだが、それが高齢のダイビングのポイントなのだろう。
筋力が衰えていること、平衡感覚も衰えている。
普通の装備でもコントロールが大変なのに、加えて、フルフェイスマスクを使うことになってしまった。ロゴシーズでフルフェイスマスクで普通に会話ができるだろうか。すでに竹内君のところでは、ダイブウエイズのマスクを使っていて、今度もそれを使うらしい。番組では主役のさかな君が水中でフルフェイスマスクでしゃべる。マンティスを試したらしいが、やはり顔が見えた方が良いということでダイブウエイズになった。僕のところにこのマスクは4個あった。テレ朝番組の名残だ。
うち二個は、山本さんと杉山さんにあげたので、2個残っている。これを使うことにして、整備した。
フルフェイスマスクは、慣れないとかなり難儀になる。幸い、山本さんが自分のフルフェイスマスクをチューニングしてつかいこなしている。僕が被るのを適切に助けてくれる。しかし、練習しなければできないことは、間違いない。26日からあ二日間のロケで、ぶっつけ本番で失敗する余裕は、スケジュール的に無い。もともと、月に一度は波佐間方面に鶴町の車で連れて行ってもらうことを通常の月例トレーニングにしようとしていた。それが15日だったので、タイミングが合った。
ブログとして説明がくどいのは、これをログにしているつもりなので、前置きがながくなるが、
そんな事情で波佐間に向かう。メンバーは、自分、山本さん、鶴町、彼女は僕の最後の調査仕事までつき合ってくれた、残念ながら故になってしまった鶴町の奥さんで、いまは鶴町の代わりをほぼ、つとめてくれている。鶴町が亡くなってしまってから潜水を本格的に始めたのだから、日は浅いが、自分のことは自分の責任でできる。同行は加えて増井さん、早崎さんで、二人もほぼ常連だ。
あいにくの荒天、時化で、一番近い高根に潜る。僕としてはテストだから、近くて浅い高根が好都合だ。
ウエイトはベスト7キロ、ベルト6キロ、レッグ1.7キロの、これがスタンダードになりそうなウエイトと、フルフェイスマスクにロゴシーズを付ける。フルフェイスマスクがやはり不安で、呼吸抵抗が少しばかり多いような気がする。フルフェイスマスクだからデッドスペースがマウスピースより大きいのは当然で、息が弾んだばあいには、どうなるか心配である。
カメラは、NIKON AW130 とGoProを並べて、ライトはフィッシュアイFIX NEO 2500のステイに付ける。
飛び込んで、とにかくそのまま潜降してしまう。透視度は20m近くあるので、先行した荒川さん、と3人の気泡がはっきり見える。沈んでしまって海底を泳いだ方が楽だ。僕の潜降速度は普通より速い。今度はウエイトは軽くなかったので、思い通りに潜降できた。ただ、フルフェイスマスクなので、水面で山本さんを待って、一緒に潜降するなど、出来ない。自分勝手に降りてしまう。降りて、みんなと合流するが、山本さんが降りて来ない。上を見上げても姿がない。何かフルフェイスマスクにトラブルがあったのかもしれない。そのまま、魚、荒川さんと写真の撮りあいなどする。しかし、山本さんが来ないのが不安である。
山本さんに呼びかけたり、来ないのはなぜか、などと口に出しておく、ロゴシーズは録音機能があるので、しゃべっておけば、後で何かに使えると、本番のセリフもちょっとしゃべって見たりする。ピーという大きな音が入っている。それを山本さんからの合図なのかと思う。フルフェイスマスクはきっちりと着用できていて、呼吸も思ったほど苦しくはないが、一人になっているのが不安である。他のメンバー、早崎さんに、山本さんが来ないことを話してみる。水中でもフルフェイスマスクで少し大声でしゃべれば通じるかもしれない。声は聞こえているらしいが、別に心配している様子はない。
一番危ないのは僕で、一番確かな山本さんが居ない。別に心配はないと思うけれど、最近書いている事故の歴史で、一番大丈夫な人をケアしなければいけないと書いてきた。残圧は100だが、荒川さんに合図して浮上する。一人ではとてもボートに上がれない。今日は、船頭さんは来ていない。上に山本さんが居れば、揚げてくれるだろう。マスクの不調ならば、居るはずである。
揚がるのはやはり大変で、先に船に上がった荒川さんに6キロのウエイトは取ってもらうが、フィンは脱げないので、12リットルのタンクと7キロのベストで上がれない。仕方がないから、不様ではあるが這い上がった。荒川さんはそのまま、もう一度水中に降りて行く。NIKON AW130がない。ボートに上がる時にステイから外れたのだ。減圧停止していた時には、シャッターを押している。もともと、底螺子が弱くて摩耗している。仕方が無いが船の真下だからみつかるだろう。それよりも、山本さんだ。
みんな上がってきたので、山本さんが不在を話す。増井さんが、離れたところに流されている山本さんをすぐに発見した。
別に何事も無くボートを回して引き揚げたが、飛び込んで僕を探したが、見つからなくて、かなり探して見つからなかったので浮上して流されたという。僕の潜降が速すぎたかとも思うが、のんびりしていたら、僕が流された。スキンダイビングの形ならば、遡れるが、フルフェイスマスクで重装備では遡れない。やはり、最強の人が、視界から外れるのは、あることだった。そして、このような状況では山本さんが先に入って、僕を待ち受けなければいけなかった。
1017潜降開始 最大水深17.4m 潜水時間 24分 水温14度
なんとか、ウエイトとフルフェイスマスクには、自信を持つことができた。
カメラはNIKON AW130が無くなったので、TG4のフロッグハウジングを使う。これは底螺子はしっかりしている。大きいし黄色で目立つから、失くした時にはわかりやすい。NIKON AW130はおバカなことに、迷彩色を選んでいる。まあ、ボートの真下だから、見つかるだろう。今日見つからなくても、数日中には見つかるに違いない。盗まれたとすれば、それはそこまでの話だ。 二回目の潜水、今度は、山本さんに先に飛び込んでもらって、NIKON AW130回収の目的もあって同じ場所に潜水する。
今度は何も問題なく、僕も落ち着いて、フルフェイスマスクで泳ぎ、適当にロゴシーズでしゃべり、ライトをオンオフさせて、発振のピーというノイズを確認した。若干、オーバーウエイトだが、そうしないと、速攻で沈むことができない。
山本さんも、最近試している360度のカメラで撮影した。NIKON AW130は、やはり荒川さんが見つけてくれた。
少し早め、残圧80ぐらいで、山本さんにサインを送って、一緒に浮上する。減圧停止中、「山本さんが先に浮上して、舟に上がって引き上げてくれないと僕が上がれない。」と話す。後で聞いたら、明確に伝わったということだ。ロゴシーズでしゃべることはできるが、僕の耳では、相手のしゃべることを明確に聴き分けることができない。もしかして、本番で聞き分けられるかどうかだが、お互いにセリフをしゃべっていれば、番組での会話は成立する。
揚がるのは、やはり、難儀だったが、荒川さんも先に浮上して待っていてくれたので、二人の手助けを受けて、別に苦労ではなく、船に上がれた。実際の撮影では、船の上に人手があるから、水面で山本さんにウエイトを渡して、フィンを脱がせてもらえば楽に上がれるだろう。
一応、心配部分は全部クリアーしたから、テストは成功。それほどプレッシャーを受けずに楽しんで本番の撮影をすることができるだろう。 1227 潜水開始 最大水深 17,8m 潜水時間 31分 水温14度
鶴町さんは、6.5mmのワンピースにフードジャケットで潜った。二回は無理、ということ。僕も、ドライがだめだったら、6.5も考えたが、2回はむりだろう。 カメラだが、NIKON AW130は、底の螺子がバカになっている。再び落ちる可能性があるから、水中カメラと道具になりそうだから、今後はこれを道具にする。ウエアラブルカメラと一緒に乗せるステイを考えなくてはならないが、手持ちの材料でなんとかなるだろう。