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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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1122 「展示するハウジングから見た日本のテレビ・潜水撮影小史」3

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「展示するハウジングから見た日本のテレビ・潜水撮影小史」 これがタイトルとして、良い。
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                                ミズダコと格闘?する。ニュース・ステーション
  1984 7月 日本列島夜の海  日本初の水中中継 目加田頼子アナウンサー  DWのフルフェースマスク使用
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 これには因縁がある。1963年の90m潜水でデマンドバルブ付きのフルフェースマスクの実験をおこなった須賀は、さらに使いやすいフルフェースマスクをと考えていた。ダイブウエイズは、窒素環境に入る陽圧マスク(マスクの中の方が圧力がわずかに高く、絶対にそとから気体が入ってこない)を開発していて、これを水中有線通話に使えないだろうかと相談していた。同じ時期NHKの河野も同じ考えを持ち、ダイブウエイズでそのマスクを見て、使う企画をたてた。ダイブウエイズの武田社長も日本潜水会、河野、須賀も日本潜水会である。日本潜水会はなにがあっても争わない協力すると言う不文律がある。 須賀は日本テレビ山中プロデューサーに企画を出していたが河野の方が企画が早く通った。 なお、目加田アナウンサーも彼女が上智大学学生だった時に一緒に仕事をしたことがあった。すでにかなりのダイバーだった。 この撮影は全国多元中継でNHK潜水班総出のようなイベントであり、夜の海からの中継は話題を呼んだ。  この年、NHKの水中撮影は最盛期で、南極の海に南方、河野が潜り、パラオでジュゴンを追い、トラック島の遺骨収集で水深60mに潜った。  7月にNHKにやられてしまったので、こちらがすぐに追従するわけにはいかない。半年間隔を置いて、
1985年 2月 慶良間から 民放初の水中レポート中継をレポーターは、女子大生が売り物の須賀潮美 と田所恵美チャンで、二人が水中で会話して、スタジオの徳光アナウンサーと、さらに札幌の雪まつりと結んだ。
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                     左 潮美
 なお、この時から使うようになったカメラは、池上通信のHL-79E でプランビコン3管のカメラで、一世を風靡したカメラだ。さすがにここまでくるとKYの板では、自分で納得ができない。
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                               HL-79E
 放送規格のカメラは、ソニーがトップだが、池上も老舗で、フアンが多い。ソニーの色はどちらかと言えば派手で、池上は落ち着いた泰西名画風である。 池上が好きだった。  
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                     北海道神の子池  79E
NHKは、1985年 5月 秋吉台 洞窟発見 カメラマンは 南方 木原 で、南方さんも日本潜水会の指導員で、ニュースのカメラマンとしての腕利きだった。 南方さんは、1981年の僕たちの竜泉洞を見て、負けるわけには行かないと秋吉台に潜った。のだそうだ。 木原も典型的なニュースのカメラマンだった。(親友、および自分より年少は、すべて敬称省略している)南方さんは、同年輩で,敬称略まで親しくなかった。後述するように好きな友達だったけど。 1986年 1月 知床の流氷の下に須賀潮美が潜る、ニュースステーションの水中リポートが爆発的(僕にとって)な成功を収める。船の上でモニターを見て水中の潮美と会話する立松和平さんとのやりとりが新鮮だった。この方法を考え出した小早川さんとの旅がはじまる。
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 これは、カメラとVTR がケーブルで繋がっている古いシステムだからこそ成立した。そして潮美を育てたのも半ばは日本テレビで、特にスタッフにはかわいがってもらっていた。それが、テレビ朝日で全国区になる。考え込んでしまったが、これが潮美の運、成り行きだった。 潮美のニュースステーションでの水中レポートは、10年以上続く、驚異の番組になった。機材については、フルフェースマスクの改善があり、ダイブウエイズのフルフェースマスクは、水中で誰かが話す、会話、通話をする事について、現在世界最高の評価を得ている。以上述べてきた経緯から、僕はその功績の30%ぐらいを背負って居るだろう。  「NHK 潜水撮影の半世紀」を見るとほんとうにおもしろい。何時どこの海で何を誰が撮影したかの表を見ると、海の出来事のすべてがわかる。 しかし、自分のことも含めて、ここでは、海の出来事ではなくて、機材の進歩変遷を見て行くテーマである。  ビデオ撮影はハイビジョンの時代に入っていく。ここまで、力も金もない個人の零細業がとにかくNHK潜水撮影班と併走してきた。親密な友人関係にあり、特に機材の製作では親類同然の島野製作所、後藤アクア、ダイブウエイズが絡み、情報を共有してきた部分がある。しかし、ここから先は?

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