719 西川名 昨夜(7月18日)のトークは、まあまあだったと思う。 自分亡き後の日本水中科学協会のことなど語り合った。死ぬ話になると、がぜん元気になるけれど、本当に周囲、四面訃報ばかり、
減圧停止
本当は、今日、こんなブログに優先して、新しいワークショップについて書いて、会員のみなさまに送らなければ、いけないのだけれど。忘れないうちにログ(ブログ)もつけておかないと。 昨日、18日の潜水は目標があったのだが、次の日、19日は、別に、潜ることに、目的、目標も無いのだが、それに、元気いっぱいというわけでもない。透明度は悪いし、魚の姿も期待できない。そんなとき、いつでも頭に浮かぶ言葉は「トレーニング」、潜れるチャンスがあれば、潜って置かなくてはいけない。久保君とバディで潜るトレーニングも僕にとっては、重要。 「今日は流れがあります。」というガイドに昨日かけた迷惑をお詫びして、今日のポイントを聞いておく。「V字谷のそばのブイから入ります。」ということだ。V字谷は、大きなモロコ(くえ)列に並んだヒゲダイ、イサキの大群、西川名を象徴するポピュラーなポイントで、僕も数知れず潜っている。 昨日の反省の一つ、カメラについて、ステイにSJ4000を付け、マスクにGOPROを付ける。マスクは、昨日も今日もダイブウエイズのアイアイだ。僕は、どうしても、このアイアイという名前が嫌いだ。口にしたり、書いたりする度に、感性がチラッと逆なでされる。僕がネーミングするとすれば、ヘルキャット、とか、ワイルドキャットとか、シーホークとか、勇ましい名前にする。「さあ、行くぞ」という語感が好きなのだ。アイアイマスクの外見は、どうひいき目に見ても、可愛くなんかない。
まあいい。そんなことは。 古いGOPRO、なかなか壊れない、水没しないHERO2 の色が好きなのだが、タイムインサートがない。SJ4000には、タイムインサートがあるので、記録として、どうしても一台は、必要なのだ。それに画質も、ブログとかネット関係で使っている限りでは、どれがSJでどれがGoProなのか区別はつかない。 僕は、一番最後に水に入り、一番最初に上がってくる。それを「安全潜水」と仮に呼ぶ。今日の潜水では、潜降索へのガイドラインをつかんだまま飛び込み、手放さず、そのまま索をたぐっていく。流れがきつくて、手放したくても手放せない。水深 は、20mにすぎない。垂直に降下すれば瞬間的に着底する。手放したら身体が飛ばされるような感じの流れを、斜めになった潜降索をたぐって潜降すると、「まだか、まだか」という感じで、なかなか着かない。ガイドは、水面は流れが速いけれど底では流れていないと言うけれど、そんなことはない上から下まで流れていて、これは、ちょいと久方ぶりだ。魚も流されるから、根付きの魚は根の陰に隠れている。そうか、根付きとはそういうことなのか、と感心したりする。海底では、チェーンをたぐって進む。まだ新しいチェーンで、昔は、というか、この前来たときには、古いチェーンで、とても手繰れる代物では無かった。それに、このC 点ブイから、V 字谷へ一直線のチェーンは、これまで無かったような気もする。
今の状況は、チェーンを手繰らないで、フィンキックだけでは進まない。古いトライスター(フィン)で弾力が失せているのか。ガイドとか、久保さんは、ジェットフィンでフィンキックだけで進んでいく。トレーニングのために僕もフィンキックだけで行かなくては、と、ちょっとやってみたが、空気の消費が多くなるのでやめた。 チェーンは、V 字谷の峰の上を横切って、谷に降りていて、谷の底に降りて、谷の底を這っている。谷の峰の上では、もちろん強い流れ、谷の底も谷川のように流れている。ヒゲダイの陰も形もみえない。クエもいない。どこかの岩の下にかくれているのだろう。イサキだけが、岩の壁に沿うようにして何尾か泳いでいるが、岩の陰、流れの陰にいる。それも、大群ではない。その陰のイサキにカメラを近づけて、撮影するが、こういう風に流れの陰にいたという説明写真でしかない。チェーンを手放して、イサキに近づいてみた。さすがにイサキは逃げ散った。逃げ散ったあとには、キンギョハナダイがちらちら群れている。チェーンにもどって、残圧は110だが、先に進むこともない。後ろでフォローしてくれている久保さんに帰るシグナルを送る。
帰りは下りだから、チェーンを眼でたどれば良いだけ。潜降索の根本に来て、互いに記念撮影をする。浮上も先頭で、まだだれも戻ってきていないので空いている。梯子の上がり方も、少し慣れた。東南アジアの人が二人、身体引き揚げをしてくれる。楽とは言えないが、波が無ければ、容易ではある。
ところで、魚も少ない。透明度も低い。激流だ。何が面白くて、こんなところで潜るのだ。もちろん、流れも無く、透明度も20m以上あり、イサキが壁を作るように群れ、ヒゲダイも列を作り、クエも手が触れる近さまで接近できる。そんな幸せな日もある。 しかし、こんな激流、濁りの日も、なんだか達成感があって、元気になる。ハイテンションになる。「僕は激流のダイバーだ。」 そして、ここの潮流は、パニックにさえならなければ、どうって事はない。神子元島とか与那国のようなダウンカレントはない。急峻な地形では無いのだ。流されたとしても、マーカーブイだけ揚げておけば、浮上するときには、ボートが来てくれる。流れの行き先も岸に平行して東京湾に向かう。逆の流れだとしても、白浜だ。 一生懸命に泳いだせいか、3mmにフードベストでぜんぜん寒くなかった。今年の夏はこれで行こう。 お台場の潜水だけはドライで終始すれば、秋、11月のドライへの移行もスムースにできるだろう。 後で、ダイブコンピューターを確認したら23℃」だった。昨日は20℃ちょっと寒かったが我慢できた。