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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0609 メガマウスシャーク 1

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5月22日の出来事であった、メガマウスについて、ブログをまだ出せない。とっくに書いて、それも3回ぐらい書き直している。
博物学としての自然、生物との間柄と、最近になっての大型野性動物と人間とのかかわりについて、考えてしまったからだ。これはとても大きな問題で、おいそれと、感情にまかせて、ブログに書けるものではない。後ろには、沿岸漁業とレクリエーションダイビングとのかかわり、もある。
 ただ、いくつもの立場のすべてに満足できるような説明は不可能である。自分の立場と考えを明確にすれば良いのではないか。

そのことを後段で考えることにして、まず22日のことから
長くなるし、まだ論旨もぐらついているが、
 GWのツアーに鶴町さんを誘ったのだが、スケジュールが合わなかったので、同行してもらえなかった。その替わりに波左間に行こうと逆にさそわれた。僕はこのところ、波佐間に行っていない。波佐間に行こう。
行こう。ということになった。どうせならば、のんびりしたい。荒川さんともゆっくり話したい。お忙しい土日、祝日をさけて、5月22日、月曜日を予定した。
 僕はこのところ、テストをしているカメラ1Gのテスト、そして、このところ、どうにもならないほどスクーバが下手になっているから、トレーニングが必要だ。
 2月の福島、GWの赤沢、そしてお台場と潜ってはいる。その間、辰巳と浦安でスキンダイビングのトレーニングもしている。しかし、思うに、スキンダイビングは、スクーバの基礎トレーニングにはなるけれど、スクーバのスキルトレーニングにはならない。だから、波佐間に行こう。
 鶴町さんは、なんだか最近波佐間の常連になっている。それに、この人今や、どこにでも出現している。鶴町さんの仕切りで行くことにした。と、なんだか、彼女のいつもの同行者を誘ったらしい。僕の旧友でもある山入端女史、僕の常のダイビング仲間でもある増井さん、それに、顔は見知っているけれど、知らない澤田美枝子さんが同行するそうだ。 車は鶴町さんが出す。鶴町さんは、僕の元社員であり、70歳からあと、仕事のダイビングのパートナーとして助けてもらっていた鶴町の奥さんだ。不幸にして鶴町は亡くなってしまった。彼が生きていればと思うことしきりだが、仕方がない。でも鶴町が生きていたころ、彼女はダイビングなどほとんどしなかった。このところは、彼に成り代わっているように潜っている。
 この日も、彼になり代わって、僕の面倒を見てくれようとしているのだろう。 増井さん、澤田さんを地下鉄駅でピックアップするので、5時45分、僕の事務所に来てくれて、道具を積んで出発、ということになった。 11時に寝たので、4時間の睡眠で3時に目が覚める。二度寝はしないで、そのまま、フェイスブックを見たり、4時に床から起きて、いくつか準備、5時30分に事務所着、運転はしないので、車中寝ていけば良い。
 波佐間着 8時前か、行ってみると、荒川さん、その親友で、僕の旧友でもある尾崎君が緊張の面持ちで待ち構えている。何だ?
 念のため書いておくが、僕は耳が遠い。だから、すべてのことに、十分に情報がききとれていない。その不自由な耳で聞けば、今朝、洲崎の定置網にメガマウスシャークが入った。僕と鶴町の車に、荒川、尾崎が乗って、洲崎の定置に向かう。僕は、メガマウスは、まだ定置網に入っていて、それを見に行くのかと思った。そうではなくて、洲崎からは、車を二台波佐間に持ち帰ってきた。何だかわからないけど、どうでもいいことでもある。 尾崎君は言う。メガマウスは、ダイバーを100年やっていても見られるか見られないかという超珍しいサメだという。メガマウスと言えば、頭が大きく、その大きい頭の全部を口、マウスが占めているような絵を見たことがある。たしかハワイで上がったとか。 100年に一度、僕はダイビング生活60年だから、見られればラッキーだ。
 なんとなく、あわただしくダイビングの支度をする。皮膚アレルギーのため、ウエットスーツは着られない。ウエットスーツの季節になり、皮膚を海水に漬け、太陽であぶったら、アレルギーが消えるだろうと思っていたが、その季節になるとやはり、そんな逆療法は怖い。僕も歳だ。ドライスーツで潜る。
 メガマウスを見に行くのかとボートに乗ったが、到着したのは高根だった。1Gのテストは魚礁でしようと思っていたので、ドリーム魚礁ポイントをリクエストするつもりだったのだが、メガマウスで混乱したから、よくわからない。7キロのベストに3キロのベルト、足に1・5キロ着けた。 高根に着くと、みんなは、エアードームの方に行った。僕は高根に先回りして、1Gのテスト撮影をしていよう、と思って、反対方向へ、行ってしまった。コンパスが頭に入っていない。ガイドラインに沿って行ったのだが、反対方向だった。仕方がないから、反対方向の根で、ヤギの類など、を1Gで撮影した。テストのつもりだ。
 結構泳いだので、残圧が70になったので、浮上して船に上がった 岸に戻ると、ちょっと休んで、直ぐに二本目の支度、これも、耳が遠いので、状況を把握していない。 メガマウスが収容されているらしい、マンボウランドに向かう。僕たちのメンバーみんなは、スキンダイビングで見物する。荒川さん、尾崎さん、萩原君のタンクはある。僕のタンクも船の上に用意されているものがある。特別らしい。僕のカメラは、高根で1Gを使ったので、ニコンAWを持った。
 マンボウランドとは、波佐間の水深5-6mのところに、丸く網で囲った差し渡しで50mぐらいだろうか、大きな生簀である。ここに、定置に入ったマンボウや、ジンベイザメを連れてくる。餌付けして、秋深くなるころまで飼っていて、やがては放流する。目的は、ダイバーが水中で一緒に泳ぎ、餌をやったりして、観察、遊べる。今年は、ジンベイザメがまだ入らないが、特大のマンボウが居る。
 メガマウスが餌付けできたならば、たいへんなことになる。その経済効果は?とか考える。しかし、僕はまだメガマウスについての十分な知識があるわけではない。
 マンボウランドで、みんなあれよあれよといううちに水に入ってしまって、僕と荒川さんが残った。荒川さんは僕を援けてタンクを背負わせてくれるつもりだったらしいが、彼だって、早く水に入りたいだろう。自分でやりますからと、先に行ってもらった。やっとの思いで背負ったら、バルブが開いていない。ボートの上は僕一人だ。背中に手を回すが届かない。前は楽に届いたのに、と昔を偲んで泣いていてもはじまらない。もう一度やり直す。
 やっとの思いで飛び込んだ。様子はまったくわからない。
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 特大のマンボウが餌をくれるのかと寄ってくるが、今日は相手にしない。ダイバーを探す。尾崎君がカメラを構えて泳いでいた。彼を追うと、カメラの先には、メガマウスが居た。何も考えない。驚きもしない。このときの気持ちを説明することは、難しい。目の前にいるものに吸引されていく。大きい、尾をゆっくりと振って泳いでいる。泳いでも追いつかない。網で囲われているから、網に沿って泳ぐのだろう。自分がコンパスの中心にいれば、先回りできる。ロングで全身を撮るのは難しい透明度だ。近づいて行って、とにかくスチルのシャッターを切る。スチルでは全身がシャープには写らない。動画を撮ることにした。
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 メガマウスの頭の方から、白いフィンが機敏に接近して行く。荒川さんだ。頭の方向を押さえられたメガマウスは速度が緩む。尾の方から体に沿って撮って行き、頭の方から、大きな口を撮影している荒川さんをツーショットの感じで撮る。これで一応、メガマウスのカットは、抑えた。
 昼食はお弁当を食べた。1時間ほど休憩で雑談する。みんなにとっては2本目、僕は三回目の潜水になる。いつもならば、2本目はドリーム魚礁か、その沖の魚礁に行く。
 ニコンがバッテリーアウトになっている。仕方が無いので、もう一度、OB の1Gを使う。マスクマウントのウエアラブルカメラは全道程を撮影している。
 2回潜水したので、身体が少し動くようになっている。手伝ってもらってタンクを背負い、歩いてボートに向かい、乗り込んで腰かける。みんなは、このようにやるが、これまで、僕は潜る寸前にタンクを背負う。しかし、前もって背負って、歩いて船に乗り、腰かけて待っている方が身体は楽だとわかった。
 到着したのはマンボウランドで、マンボウランドで、久しぶりに、中性浮力で中層に浮いてメガマウスを追った。被写体が大きくて動くものだと、こちらも対応して体が動く。
 夢中で撮影していて、ふと気づくと一人だけになっている。メガマウスも消えた。網に沿ったどこかにいるはずだ。見つけたので、ゆったりと尾の方から撮影して、前にまわって頭を押さえるような位置で、撮影する。サメがカメラに向かって泳いでくると、おとなしいサメだが、圧迫感がある。
 荒川さんが来て、上がるようにと合図をくれる。ボートに上がると、僕が最後だった。
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 戻ると、報道陣の車が何台か、待ち受けていた。タンクを背負ったまま上がって歩いて戻ったので、振りほどくようにしてタンクを降ろして、ウエイトを外す。周囲では、それぞれ、海から上がってきた何人かがインタビューを受けている。鶴町さんが僕を押し出そうとしたので、ダメだといって、逃げた。山入端さんがインタビューされていた。適役だ。
 報道陣の一人、後から名刺をもらったが千葉放送局のアナウンサー、田中さんだという。何か、潮美と一緒に仕事をしたことがあるらしく、僕のことを知っていた。インタビューではないので、話をする。お台場のことも良く知っていたので、お台場の話をする。ここでお台場の話をしている分には大丈夫だ。
 僕たちが降りたボートに乗って撮影に出るのは、先着のNHKで、田中さんも会釈して、離れてくれた。カメラマンが女性で、ちょっといい感じだった。ウエットスーツを着ている。タンクに手をかけて、膝を曲げて、肩をBCの袖に入れて、すっと立ち上がり、肩にタンクを掛けたまま、ボートの方に歩いて行った。潮美にもあんな時代があったな、とか思う。
 機材に水を掛けたり、ドライスーツを洗うために、着たまま水槽に入ったりしていると、朝日新聞の記者だという、恵原さん(名刺をくれたので)が、話しかけてきた。こちらは僕が誰とは知らないみたい。なんとなく、何かありそうだと近寄ってきたのだろう。こちらも名刺を出してちょっとお話しした。 サカナちゃんが来るとかで、鶴町さんは見て帰りたいという。見たって何にもならないと思うから、あいまいにしていた。
 帰り支度が終わったころNHKのボートが帰ってきて、大きなキャノンの1D? だか、7Dだかをデスクの上において、タオルで拭って、女性カメラマンと、田中アナウンサーがファインダーを覗きこんで、ちょっとだけのプレビューをして頷いていた。この場から電送できるから、7時のニュースには間に合うのだろう。
 僕と鶴町さん、増井さんが載った車が、出る時、サカナちゃんの車とすれ違った。
 車で戻る途中、NHKが、今撮った映像を19時15分からやるとか、その時間、山の陰になって、ワンセグが写らなかった。スマートフォンを見ていたら、その放送が出て来たので、シェアしてみた。
波佐間のセンターの大きいモニタ―で、撮った映像を映し、それを見たサカナちゃんがぴょんとはねたような動作で、元気で、早く海に帰して、といようなことを口にしていた。続く



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