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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0725 9月8日のフォーラムー2

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 このテーマの写真があったはずなのに、3時間さがしてみつけられない。
 写真なしで、行く。

 スキンダイビングといえば息こらえだ。千足先生のスキンダイビング実習は、プールでのスタティック練習も含まれる。フリーダイビングのテクニックも含まれる、すすんだプログラムだ。
 フリーダイビングの息こらえについての発表を千足先生の教室にいる藤本浩一君にたのんだ。彼は、日本女子大学の助教であり、フリーダイバーでもあり、フリーダイビングの生理にくわしく、昨年、白浜の海女として活躍しているnaomi さんに協力してもらった、海女の研究にかかわってもいた。その結果とか、海女についても興味があるが、それは別の機会として、なんでフリーダイビングはあんなに長く息をこらえていられるのか、僕はわからない。
 最新ダイビング用語事典に執筆してもらった市川和明君は、苦しいと思ってはいけない。苦しいと思わなければ苦しくないのだ、という。しかし、苦しいのは炭酸ガスが呼吸中枢を刺激する生理現象であって、精神論ではないように思う。藤本君に聞いたら、彼も精神論ではないという。しかし、ジャック・マイヨールは、日本に来て、禅を学んだが、息をしていないと思えば良いという。これも禅問答みたいで、科学ではない。
 そのあたりを、現在のフリーダイビング理論では、どのように考えているのだろうか。

 僕は、1分30秒は息をこらえていられる。平均的だ。それで、水深30mまで潜れたことがある。深く潜ると酸素分圧が高くなるからか苦しくない。そのかわり、浮いてきてブラックアウトする可能性がある。苦しいというのは安全装置なのだ。ブレイキングポイント(息こらえの限界)はリミッターなのだ。リミッターをはずして、良いものか。一般のスキンダイバーにハイパーベンチレーションを禁じてきたのはそのためだったのだ。
 僕の主治医である河合先生は、限度を超えた、つまりリミッターをはずした息こらえが生理的に良いわけがないという。また、脳も酸素の欠乏には弱いはずだ。もしかすると、長い息こらえの度に脳細胞のいくつかが死んでいるのかもしれない。MRIで見ると僕の脳細胞はずいぶん死んでいる。昔の脳力の300分の一ぐらいになっているのだろう。医学的に脳細胞の死と息こらえによる酸欠の関連の問題は、アプネアのグループでは解決解決しているのだろうか。
 生物の身体には、必ずリミットがあるはずだ。以前、そうとう名の通ったフリーダイバーのブログを読んだら、ボア、ブラックアウトがかなり日常的に起こっているらしく見受けられた。ブラックアウトを起こしてもそれが事故につながらないような、手順、システムは確保されているのだろう。しかし、事故にならなくても、それが、日常になって、そして長生きしたとして、どんな影響があるのだろうか。
 海女さんは、80歳を越えてもザンブと海に飛び込み貝をとるハンターだ。アスリートである。そして、健康だ。しかし、海女さんの潜水時間は1分をこえることは珍しい。その繰り返しである。ブレイクポイントを越えてはいないはずだ。
 特にアプネアに志し人生を賭けている人については、なにも問題はない。彼らがパイロットになり、人間の可能性を試している。本当のトップアスリートだ。しかし、一般人については、スクーバでは神経質なくらいに減圧症を恐れて安全停止を念のためにさせている。
 脳細胞にも影響がなく、日常的に30mまで潜れるとすれば、リサーチダイビングの実用としては、スクーバは不要だ。
 千足先生のカヤック&スキンダイビングのライン調査のような手法で、20mまでの水域の磯根調査はカバーできてしまう。以前、日本の人工魚礁について研究に来た、フランスの研究者と伊戸の伊勢エビ魚礁を潜ったが、彼は僕たちがスクーバで潜っているのにスキンダイビングだった。そのスキンダイビングは、僕とほぼ同じ程度だったけれど、スキンダイビングにこだわっていた。

 藤本君は、医師ではないから、医学的なコメントはできないだろう。しかし、彼から最新ダイビング用語事典に「なぜ深く潜れるか」という項目について、書いてもらったが、文献の紹介で、ノーリミッツ(制限なしで、どんな道具を使っても、息こらえであればよいとする競技)で、オーストラリアのハーバート・ニッチが249mまで潜ったが、脳の動脈に塞栓を起こしたために記録としては認められず、同じ彼の214mが現在の世界記録であることなどを文献を紹介して書いてくれている。現在のフリーダイビングと、生理学的な研究がどのあたりまで進んでいるのか、文献をひいて話してもらい、同時に僕たちのいくつかの疑問に答えてもらうことをお願いしている。

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