7月12日、僕の夏の最大行事である豊潮丸航海記は無事終わった。。この航海で得た、安全管理のノウハウ、撮影のノウハウは、機会を改めて書くし、JAUS研究会報にも掲載したい。
来年度もこの航海ができることを願っている。中尾先生、そして広島大学の堀先生のおかげである。その堀先生だが、来年には退官、しかし退官されたあとも何年か大学に残られるらしいから、僕もまだこの航海ができると願う。
僕が、フィジカルで研究航海の役にたつことはもはやできないだろうが、安全管理のスーパバイザーとして、そして、僕が高齢でも現場で生きる姿を学生に見てもらうことが、彼らのこれから60年余の時間を考えてもらうこと、その60年でなにができるのかを考えてもらう上で役に立つだろうと願う。今度の航海でも広島大学の学生で僕のブログを読んでいてくれている子がいて、須賀さんの文章が好きですといってくれて、とてもうれしかった。そして、今度の航海で知りあった学生も何人かが僕のブログの読者になってくれるだろう。
さて、そんなことで、話題を変えて、9月8日に行われる日本水中科学協会ダイビング活動フォーラムのことを書く。尻切れになっている、僕とダイビング事故、それに関連した、ダイビングをはじめた娘への手紙も忘れていないので、この後に挟み込んで行きたい。願いはダイビングの安全、特に未来をになう若い人の安全なのだから。
9月8日午後13時から17時まで、東京海洋大学品川キャンパス、楽水会館で行うフォーラム。
実はフォーラムとシンポジュウムのちがいがよくわからない。学会発表に詳しい、中尾先生に聞いてみて、説明を受けたが、発表の仕方、質疑応答のちがいのような印象を受けたという頼りないものだ。あまりこだわらないが、フォーラムの方がくだけた、ということにしておこう。実際はわからない。なるべくのんびり時間をとって、ディスカッションとか、話し合う場を提供する研究集会としたい。
遠泳、昔の遠泳ではなくて2007年の夏だが、昔に近い遠泳を館山でやっている中学校
その発表の一
海洋大学准教授の千足先生にお願いする
「水圏リテラシー海洋実習:カヤック&スキンダイビングによるライン調査」
千足先生は、NAUIのかなり古いインストラクターで、筑波大学の吉田章先生の弟子である。僕が吉田先生の下で非常勤講師として、大学院の学生にダイビングを教えていた時に助手をつとめてくれた。お台場の潜水にもきてくれていたのだが、やがて鹿屋の体育大学に職を得て行かれ、お目にかかれなくなった。それが、僕の母校である海洋大学に准教授として来てくれた。僕の活動を手伝ってもらえると喜んだが、しばらくは音信不通状態になった。大学での位置が決まるまで、僕にいろいろなことを頼まれることを心配されたのかもしれない。今、このように講演をお願いしているのだから、心配ももっともだ。
ようやくお目にかかっていろいろなお願いができたのが、あの3月11日だった。お昼を品川で先生のおすすめの蕎麦屋でたべて、その後大学にもどり、珊瑚の移植研究の岡本先生のところで雑談していたとき激しい揺れが起こった。
脱線をもとにもどして、
水圏リテラシー実習、リテラシーって何だ。僕もわからない。海とのつきあい方、海とつきあう方法、決まり、よくわからないが、そんなことだろう。
海の仕事をするのならば、海に浸かってみないとうまく行かない。海を知らなくてはならない。海に潜らなければならない。我田引水すればそんなことだ。
昔、僕が水産大学(現、東京海洋大学:と書くのがいつもめんどうだ)に入学したときのリテラシー実習(海洋実習)は、遠泳だった。六尺褌(ふんどし)を締めて2時間程度、泳ぐ、溺れた者を引き上げる櫓漕ぎの伝馬船に先生が乗り、太鼓をたたいて励まして泳ぐ。
六尺褌とは何だ。「今時の子はわからない。詳しく説明してください」グラフィティに書けば、潮美に説明を求められる。六尺とは、長さ六尺、およそ1、8m、幅20cmの晒しの布だ。赤く染めてあれば赤褌(アカフン)だ。それで股間をきりりと締めあげる。溺れた時には褌の尻と腰の連結部分を竿の先の手鉤でひっかけて確保する、引き上げることができる。遠泳の先生は、飛び込んで助けるなんて阿呆のやることはしない。
さらにアカフンは、サメに襲われた時に役立つ。最近のサメはフレンドリーになったというか、根性をなくして、ダイバーにタッチされたりしているが、昔のサメはマンイーター、人食いザメと呼ばれた。人食いザメに出会った時は、アカフンの一部を解いて曳いて泳ぐ、サメはそれを見て、長い生き物と見て、襲ってこない。とされていた。なお、赤はサメ除けの色であり、ヘルメットダイバーや、昔のクストーのグループが赤い毛糸のキャップをかぶっていたのはそのためだ。僕も持っているが、キャノンの長いレンズにかぶせている。いずれも有効とは思えないが、気持ちの問題だ。
僕たちの遠泳の教官は、海軍兵学校で柔道の師範、水泳の師範をしていた杵渕先生だった。海軍兵学校でも有名だった先生だ。だから、海軍兵学校の遠泳をややスケールダウンしたものなのだろう。遠泳の時ではなかったが、僕がクラゲに刺されて痛がっていると教官は「ちょっとこい」と手招きして、自分の股間に手をあてて小便をする。それを手にとって、僕のクラゲに刺された腕に擦り付けた。「クラゲに刺されたらこうする。だから、水泳の教官は、いつでも小便がでるようにしていなければならない。」僕は、小便は海でどんどんして良い。クラゲにさされたら、人に擦り付けても良い。汚いものではない。と知った。これが僕のリテラシーだ。間違っているかもしれない。
今の海洋大学は女子学生が半分近くいる。もちろん、男子よりもたくましい人も多く、数年前までは、潜水部の歴代の部長は女子だった。ものすごい美人で、最近結婚した子が部長の時、彼女にしごかれるということで男子部員が半減したと、男子に言いつけられた。本当かどうかは知らない。が、もはや褌は過去のものだ。
僕はどちらかと言えばたくましい女子が好きで、山崎マキコの肉食女子と草食男子のラブストーリなど読み捨てにしないで、保存の本に入っている。
しかし、一方で「ママの作ったお弁当でなければたべられなーい」という子がいて、実習場の昼食がたべられず、水泳実習で失神した利して、先生を恐怖のどん底に落とした。いずれにせよ、六尺の遠泳はできない。男子でも、同じような、もしかして女子よりも弱い子がいるだろう。だから?カヤック&スキンダイビングだ。
僕の海での安全のリテラシーは小舟がそばにいることだ。昔の遠泳の櫓漕ぎの小舟、豊潮丸でのゴムボート、そして、海女さんの浮樽、千足先生の実習でのカヤックだ。そしてライン調査、ラインを使っての安全確保、海洋大学での詳しいプログラム、安全管理の実際を知りたい。
来年度もこの航海ができることを願っている。中尾先生、そして広島大学の堀先生のおかげである。その堀先生だが、来年には退官、しかし退官されたあとも何年か大学に残られるらしいから、僕もまだこの航海ができると願う。
僕が、フィジカルで研究航海の役にたつことはもはやできないだろうが、安全管理のスーパバイザーとして、そして、僕が高齢でも現場で生きる姿を学生に見てもらうことが、彼らのこれから60年余の時間を考えてもらうこと、その60年でなにができるのかを考えてもらう上で役に立つだろうと願う。今度の航海でも広島大学の学生で僕のブログを読んでいてくれている子がいて、須賀さんの文章が好きですといってくれて、とてもうれしかった。そして、今度の航海で知りあった学生も何人かが僕のブログの読者になってくれるだろう。
さて、そんなことで、話題を変えて、9月8日に行われる日本水中科学協会ダイビング活動フォーラムのことを書く。尻切れになっている、僕とダイビング事故、それに関連した、ダイビングをはじめた娘への手紙も忘れていないので、この後に挟み込んで行きたい。願いはダイビングの安全、特に未来をになう若い人の安全なのだから。
9月8日午後13時から17時まで、東京海洋大学品川キャンパス、楽水会館で行うフォーラム。
実はフォーラムとシンポジュウムのちがいがよくわからない。学会発表に詳しい、中尾先生に聞いてみて、説明を受けたが、発表の仕方、質疑応答のちがいのような印象を受けたという頼りないものだ。あまりこだわらないが、フォーラムの方がくだけた、ということにしておこう。実際はわからない。なるべくのんびり時間をとって、ディスカッションとか、話し合う場を提供する研究集会としたい。
遠泳、昔の遠泳ではなくて2007年の夏だが、昔に近い遠泳を館山でやっている中学校
その発表の一
海洋大学准教授の千足先生にお願いする
「水圏リテラシー海洋実習:カヤック&スキンダイビングによるライン調査」
千足先生は、NAUIのかなり古いインストラクターで、筑波大学の吉田章先生の弟子である。僕が吉田先生の下で非常勤講師として、大学院の学生にダイビングを教えていた時に助手をつとめてくれた。お台場の潜水にもきてくれていたのだが、やがて鹿屋の体育大学に職を得て行かれ、お目にかかれなくなった。それが、僕の母校である海洋大学に准教授として来てくれた。僕の活動を手伝ってもらえると喜んだが、しばらくは音信不通状態になった。大学での位置が決まるまで、僕にいろいろなことを頼まれることを心配されたのかもしれない。今、このように講演をお願いしているのだから、心配ももっともだ。
ようやくお目にかかっていろいろなお願いができたのが、あの3月11日だった。お昼を品川で先生のおすすめの蕎麦屋でたべて、その後大学にもどり、珊瑚の移植研究の岡本先生のところで雑談していたとき激しい揺れが起こった。
脱線をもとにもどして、
水圏リテラシー実習、リテラシーって何だ。僕もわからない。海とのつきあい方、海とつきあう方法、決まり、よくわからないが、そんなことだろう。
海の仕事をするのならば、海に浸かってみないとうまく行かない。海を知らなくてはならない。海に潜らなければならない。我田引水すればそんなことだ。
昔、僕が水産大学(現、東京海洋大学:と書くのがいつもめんどうだ)に入学したときのリテラシー実習(海洋実習)は、遠泳だった。六尺褌(ふんどし)を締めて2時間程度、泳ぐ、溺れた者を引き上げる櫓漕ぎの伝馬船に先生が乗り、太鼓をたたいて励まして泳ぐ。
六尺褌とは何だ。「今時の子はわからない。詳しく説明してください」グラフィティに書けば、潮美に説明を求められる。六尺とは、長さ六尺、およそ1、8m、幅20cmの晒しの布だ。赤く染めてあれば赤褌(アカフン)だ。それで股間をきりりと締めあげる。溺れた時には褌の尻と腰の連結部分を竿の先の手鉤でひっかけて確保する、引き上げることができる。遠泳の先生は、飛び込んで助けるなんて阿呆のやることはしない。
さらにアカフンは、サメに襲われた時に役立つ。最近のサメはフレンドリーになったというか、根性をなくして、ダイバーにタッチされたりしているが、昔のサメはマンイーター、人食いザメと呼ばれた。人食いザメに出会った時は、アカフンの一部を解いて曳いて泳ぐ、サメはそれを見て、長い生き物と見て、襲ってこない。とされていた。なお、赤はサメ除けの色であり、ヘルメットダイバーや、昔のクストーのグループが赤い毛糸のキャップをかぶっていたのはそのためだ。僕も持っているが、キャノンの長いレンズにかぶせている。いずれも有効とは思えないが、気持ちの問題だ。
僕たちの遠泳の教官は、海軍兵学校で柔道の師範、水泳の師範をしていた杵渕先生だった。海軍兵学校でも有名だった先生だ。だから、海軍兵学校の遠泳をややスケールダウンしたものなのだろう。遠泳の時ではなかったが、僕がクラゲに刺されて痛がっていると教官は「ちょっとこい」と手招きして、自分の股間に手をあてて小便をする。それを手にとって、僕のクラゲに刺された腕に擦り付けた。「クラゲに刺されたらこうする。だから、水泳の教官は、いつでも小便がでるようにしていなければならない。」僕は、小便は海でどんどんして良い。クラゲにさされたら、人に擦り付けても良い。汚いものではない。と知った。これが僕のリテラシーだ。間違っているかもしれない。
今の海洋大学は女子学生が半分近くいる。もちろん、男子よりもたくましい人も多く、数年前までは、潜水部の歴代の部長は女子だった。ものすごい美人で、最近結婚した子が部長の時、彼女にしごかれるということで男子部員が半減したと、男子に言いつけられた。本当かどうかは知らない。が、もはや褌は過去のものだ。
僕はどちらかと言えばたくましい女子が好きで、山崎マキコの肉食女子と草食男子のラブストーリなど読み捨てにしないで、保存の本に入っている。
しかし、一方で「ママの作ったお弁当でなければたべられなーい」という子がいて、実習場の昼食がたべられず、水泳実習で失神した利して、先生を恐怖のどん底に落とした。いずれにせよ、六尺の遠泳はできない。男子でも、同じような、もしかして女子よりも弱い子がいるだろう。だから?カヤック&スキンダイビングだ。
僕の海での安全のリテラシーは小舟がそばにいることだ。昔の遠泳の櫓漕ぎの小舟、豊潮丸でのゴムボート、そして、海女さんの浮樽、千足先生の実習でのカヤックだ。そしてライン調査、ラインを使っての安全確保、海洋大学での詳しいプログラム、安全管理の実際を知りたい。