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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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1036 大感謝祭 -2

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 大感謝祭の自分の映像を何回となく見て、説明をしながら、考えた。自分の仲間も含めて、自分の考えについての意見も聞くことができた。
 そんなことども、をここから書こう。
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                      2012年、貧酸素と硫化水素で、斃死するホンビノス
 ちょっと閑話休題になるけれど、横浜は何時も車で来る。車で来て車で帰る。ぶらぶら歩いたのは中華街ぐらいのものだ。それも数えるくらいの回数だし。赤レンガ館にも、昨年は車で来た。一昨年も車だった。 今年初めて電車で来てあるいた。桜木町から歩こうか、関内からあるこうか、考えたが桜木町にした。水辺の道を歩いた。気持ちの良い遊歩道だったので、帰りも同じ道をあるいた。観覧車が水に映ってきれいだった。
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 日曜日、朝も同じ遊歩道を歩いた。SAPを一生懸命漕いでいる人たちがいる。ブイを回っている。どうやらレースをしているらしい。そのまま歩いて行くと、やはりレースのスタートのところに来た。ちょうど女性のレースがスタートするときだった。  僕たちがお台場で目指したことの一つは、お台場の海でダイバーの姿を見ることが、異常なことではなくて、当然のことと受け入れてもらうことだった。まだまだお台場では市民権の獲得には至っていない。後発のSAPが水上スポーツとして盛んになり、市民権を得た。すなわち、ダイビングはSAPの邪魔をしてはいけないことになる。これは、水中と水面、船と潜水、本質の違いだからどうにもならない。しかし、出来ることは続けて行かなくては、続けて行く。東京港という港湾の中で、潜水は潜水作業であり、スポーツではない。僕たちは科学的な調査という作業をしていることになる。学生を潜らせるときには、学生の実習として、調査作業を行う。事実そうなのだけど。
  論をもとに戻して、お台場の再生が生き物の再生であるのならば、生き物が生きて行かれる環境作り、場所作り、だと考えて良い。環境について、この一年、試行錯誤的にもがいてきた。22年間記録は続けてきたが、改善について具体的なことを何もしていない。自分の無知を知らされた一年だったとも思う。
 お台場に限らないが、東京湾の生き物についての、生死の鍵は、貧酸素である。酸素がある限度以下に薄くなればバクテリア以外は生きにくくなってしまう。逃げ出せなければ死んでしまう。  貧酸素の原因は二つある。一つは青潮である。これは、5年に一度ぐらい?の割合で湾の奥お台場に広がってくる。もう一つは夏期の表層高温のため成層ができ、上下の水が入れ替わらないために、底層は、酸素を消費するだけだから溶存酸素が減少する。ハゼの類などは、表層の酸素を求めて、浮き上がってきたりする。多くの動物は表層、浅いところに逃れると思われる。  硫化水素について、少し説明する。実は、僕はバクテリアのことはほとんどわからない。わからないなりに、教えて頂いて、ネットで確認した程度である。 東京湾における硫化水素の発生は、まず、赤潮が発生するとそれが死滅沈下することで、底泥に有機物が供給される。夏期の成層化で底層が貧酸素になると、嫌気性菌である硫酸還元菌の働きで猛毒と言われる硫化水素が発生する。
 お台場の夏期、ヘドロは硫化水素の臭いがして、お台場にはシャワーとてないので、参加している女性は電車に乗るのがためらわれるという。夏期、お台場のヘドロ層には硫酸還元菌がそんざいしている。
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硫酸還元菌は、ヘドロの中にいる。白い皮膜のような硫黄バクテリヤは、硫黄酸化菌ともいい、硫酸還元菌が作る硫化水素を酸化して生育する。硫化水素を消費するから、善玉なのかもしれないが、硫黄バクテリアのあるところ硫化水素があると言える。  夏期、底層に魚が居なくなるのは、貧酸素のためであり、硫化水素の毒性が効いているかどうか定かではないが、底生生物が硫化水素で死滅することはよく知られている。 ヘドロの中の硫化水素が水中にどのあたりまで登ってくるのかどうか不明であるが、直上の水に時折溶出するとされている。硫化水素の検出は、面倒なので、自分たちでやるには手間と費用がかる。友人の沿岸生態系リサーチセンターの宮内に相談してみよう。
 ただお台場の硫化水素は、経験的には私たちの健康には何の問題も発生しなかった。しかし、ダイバーは水を口に入れるわけではない。唇が直接水に触れるが、口に含むことはない。
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 お台場の地形構造は、中心部はヘドロであり、ヘドロを取り巻くように、やや堅い底質が取り巻いている。お台場はコの字型で、
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 開いている口の部分も半ば塞がっている。海浜公園のコの字の二辺は人工砂浜になっている。一辺は磯で、大小の石が密に転がっている。この浅い部分はよほどの赤潮のようなことがない限り、透視度も1m程度に保たれている。きれいな時には、ここがお台場か、と思うほど澄んでいて、湧き水があるのではないかとさえ思う。この浅瀬から、ヘドロに至る部分は緩やかな斜面で、現在はこの斜面部分の70%程度は、真牡蠣で覆われている。
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 僕たちの調査許可範囲はこの磯の辺と砂浜の一部分である。砂浜の部分もきれいで、水深1mー2mあたりにはホンビノスが多い。この外周の部分、水深2mほどまでは、硫黄バクテリヤの発生も皮膜にならず、成層の底ではないから、ひどい貧酸素にはならない。  
なお、水は硫化水素の遮蔽体と考えられるので、上層を泳ぐ魚にはあまり影響はないとおもわれる。
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 調査範囲の端に昔の桟橋の跡らしい杭が残されている。これが、魚礁の役割を果たしていて、マハゼもカニの類も杭の隙間にもぐり込んでいる。水深は1、5mほどなので、成層による貧酸素の影響は耐えられる程度であろう。
 半閉鎖的な、お台場で考えているのは生物の再生、豊かさの促進と維持である。何をしたら良いのか?。




















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