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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0708 豊潮丸航海ー5

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7月8日
 旅は続く、今は8日の朝、これから1030に淡路島でのダイビングだ。そろそろ準備をする。

 知らない場所に潜ろうとする時、何時でも恐ろしい。恐怖感がある。潮の流れ、波、機材の不備、うまく行くかどうか。心配する。恐怖感があれば、事故は起こらないことを知っている。何の恐怖も無く、何事も無いと思われた時、突然、若者は死ぬ。こちらから見れば死なせるわけだ。
 恐怖感こそ強い味方だ。それをいかにコントロールするかが、ダイビングという戦いで、目に見えるものではない。そのことを忘れた時が本当に恐ろしいと、いつでも自分に言い聞かせている。今朝も町田は食欲がない。おそらく二日酔いだろう。具合が悪くなれば昨日のように、自分から水にはいることをやめられる子だから、その判断が頼りだ。具合が悪くてもがんばっちゃう子が怖い。しかし、昨日潜らなかったから今日こそはと思っているかもしれない。

 友が島水道、淡路島由良
 潜水開始 1129 浮上1220 潜水時間51分
最大水深8.1m 平均水深6.1m 水温24.2℃

 波も無く、流れも無く良い天気。それでも僕の水面での着装はうまくできなかった。どうしたことだろう。体力を使うことではないので、チューニングの問題だ。僕は、右手右肩を右のベルトに深く差し込み、左手を後ろにのばして、左肩を左のベルトにスムースに入れることができない。肩が硬くて廻らなくなっている。ベルトを緩くしておいて、空気を入れたBC.を腰の下に入れ、左右の手を同時にベルトに差し込んで体を起こすやり方にしている。簡単なのだが、なぜか、左側のインフレーターホースが今回の旅では絡まってしまう。もう一度東京へ戻ったらチューニングしよう。
※チューニングとは、自分の身体条件、技術と機材を合わせて、使い方に習熟すること。

 そして、今日、ゴムボートに乗り移るとき、町田君が僕のマスクの上に腰を下ろして、ワンタッチマウントの角を折ってしまった。今回はGoProをあきらめようかと思ったが、中尾先生のカメラとGoProを、つまり2台を手に持って撮影することにした。



 島のような岩礁の根元に潜ることにした。海底は、カジメが群生するいわゆるカジメ場になっている。透視度は8mほどだが、岩礁だから、魚も多く、岩礁の下は、オーバーハングになっていたり、小さな洞窟になっていたりで、のんびりしたダイビングだった。
 淡路島と本州、和歌山との間の水道ということだから、潮が速いことを心配したが、流れはほんのわずか、何事も心配しないダイビング。
 
 良い天気で凪も良かったので、中尾先生持参の西瓜を甲板でたべる。これも恒例になっている。この夏は、これ以上おいしい西瓜をたべることは無いだろう。

 
 15時 鳴門水道,鳴門大橋の下を通過する。鳴門の渦を見られるかと思ったが、渦ができる時間には通らないのだろうか、流れは速かったが渦はない。


 児島から今治への瀬戸大橋の手前、玉野沖に錨泊、水面は鏡のようだ。おそらく、このあたりが瀬戸内海の絶景なのだろう。本州側、瀬戸大橋の向こうに夕日が沈む。皆出てきて、ブリッジの上、最上部で写真を撮る。 この頃の子は、スマホを持っているので、だれもがカメラマンだが、良い一眼レフを持っている子もいる。僕はペンタックスのWGとGoProで撮影した。遠景だからペンタックスだが、目で見るような色が出ない。女の子の持っているミラーレス一眼のペンタックスは、素晴らしい発色。僕のカメラは、身で見た美しさを再現できていないが、それでも、日が沈んだあとの残照、一番星、惑星だが、星の名前はわからない。久しぶりで、景色に酔ってシャッターを押し続けた。

     一番星



 撮影の失敗
 夜、中尾先生のキャノンの高級コンデジで、僕が撮影した絵をチェックした。ショックなことに、ほとんどがシャッターブレと露出オーバーで絵になっていない。

 これまで、このカメラで何の問題も無く撮っていたのだが、これまではストロボを光らせていた。 濁った水が予想できたので、ストロボの発光をやめてライトにした。この直前にやった館山の調査でのストロボ発光は、濁りを光らせてしまったのでライトにしたものだ。だから、瀬戸内海用に僕のキャノンのデジ一眼にライトを付けて使おうと、お台場でテストをしていたのに、それを使わないで、中尾先生のカメラにした。理由は、中尾先生のカメラの方が小さくて、扱いやすいから、そして、カメラが小さければ手にぶらさげて、採集のアシストができるからだった。そして、失敗の無いように撮影の度に、LCDで、像を確認していたのだが、撮影した像を確認する設定になっていなかったらしい。そんな馬鹿な!と思うが仕方がない。 町田がマスクマウントを壊したおかげで、一緒に片手で一緒に二つのカメラを持って撮っていたGoProで、8日の分は、何とかカバ―出来る。7日、6日、5日の分もGoProから静止画を作るが、マスクマウントでは、再現できないカットもある。
 明日からは、カメラが大きくなっても、GOPROはハウジングの上に載せて取り付けるキャノンの一眼を使用する。瀬戸内用に整備してきたシステムなのだから、これを使っていればよかった。
 自分のカメラでないカメラを使う前には、カメラのチューニングを必ず自分でやり、設定を把握しておかなくてはいけない。そんな当たり前すぎるほど当たり前のことだが、やることが多すぎて、やっていないから穴が開いてしまう。それに、自分のカメラならば、必ず毎日自分で像をPCに取り込んでいるから、失敗しても一日の失敗で済む。中尾先生のカメラだから、四日分見ていなかった。
言い訳になりにくいけれど、手慣れている撮影について心配の優先順位が低く、ブラインドになっていた。

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