さらに、小泉さんのこと 引用する。 「2004年11月に移植アマモのそばで在来種のモクズガニよりスマートな上海ガニ(チュウゴクモクズガニ)2個体が採取できたが、なぜこの場に居たのか理由は明らかにできなかったものの日本初記録であることを甲殻類が専門の武田先生お聞きしてとてもおどろいた。トピックスとして東京新聞の正月号に掲載されたところ、1月には38件もの取材が集中し、お台場に何度も同行したり・・中略・・・環境省が特定外来生物の整理をしており、ブラックバスよりも甚大な被害を及ぼす生物であるとともに、中国料理の目玉であることが格好のネタになったからと思われる。」 私見 小泉さんが上海ガニを見つけたことから、当然のように僕のところにも、写真はないかと問い合わせが何件も来た。僕は上海ガニどころか在来種のモクズガニの写真も持っていながった。ついにはテレビ番組の撮影依頼も来たので、受けた。 2005年 3月 モクズガニ
何日間か探し回ったが、見つけられない。苦労の末、羊蹄丸のポンツーン下でやっと見つけることができた。と思ったらこれは在来種のモクズガニであった。 しかし、モクズガニを見たのも、このとき限りであり、その後もその前も見つけていない。上海ガニがどうしてこのとき2個体見つかったのか、小泉さんも書いているようにわからない。対岸の築地魚河岸から脱走して、2個体手を繋いで東京港を横切り、お台場に到達したのだろうか。その説が妥当なように言われたが、輸入されてきたカニ籠から二尾のカニが脱走し、お台場まで逃れてきて、アマモの陰に隠れていたら小泉さんに見つかってしまった。上海からお台場までの旅も考えるとありえようもない冒険ストーリーだ。カニの類は交尾期になると、雄が雌をキープするから、道行ということでもある。 もうひとつおもしろいことは在来種のモクズガニも、僕が同時期に見つけたことだ。モクズガニは、産卵のために川を下ってくるのだから、いても不思議はなく、聞けば、お台場の近くで取れたことも何度かあるそうだ。昔はもっと普通に居たのかもしれない。 在来種と外来種の問題は、お台場、東京港のような環境の悪いところでは、環境に強いとされている外来種が少なくない。 チチュウカイミドリガニという外来種が増え、在来種のイシガニの位置について、イシガニを滅ぼしてしまうのではないかといわれた。イシガニはガザミの類で遊泳足があるが、チチュウカイミドリガニにはない。別の属だが、ニッチ、居場所は一致している。 チチュウカイミドリガニ雄が雌をキープしている。
しかし、お台場に限れば、チチュウカイミドリガニは、今は見られなくなり、イシガニは、少なくなったとは言え見ることができる。この環境ではイシガニの方が強かったのか。チチュウカイミドリガニもおいしいカニだという。食べたことはないが、大発生したら食用の名物になったのではないか?上海ガニならばなおさらのことだ。お台場に上海ガニの店ができ、食べられる。とか考えてしまう。いや、願ってしまう? 甚大な被害とは何なのだろう。いうまでもなく、地球は人類のものだけではない。あるべき姿を残しておかなくてはいけない。上海ガニは、上海以外で食べてはいけないのだ。これを許してしまったら、日本の生態系は大きく変わってしまう。 しかし、お台場という都市の海で、江戸前の海の姿はもはやどこにもないのだから、何もいなくなってしまうよりは、上海になったほうが良いではとか、でたらめなことを考える。 ホンビノスガイも外来種だという。ビノスとは、ビーナスクラムが日本語になったもので、外国ではクラムチャウダーの食材だという。硫化物に耐性がつよいと言われ、この4ー5年の間に東京湾全体に増えた。富津、木更津あたりでは、シロハマグリとも呼んでいる。ハマグリに取って代わられてしまった。都会の居酒屋でもハマグリは食べられないが焼きハマグリならぬ焼きホンビノスが出てくる。ハマグリとは比べられないが、それなりに、おいしく食べられる。 先日、船橋の三番瀬について、名物ホンビノスというテレビ番組が放映された。ついに名物になったか。ハマグリはどこに行ったのだろう。ハマグリの棲めない環境にホンビノスは繁殖して名物になった?三番瀬を守っている小埜尾さんも、名物がホンビノスになったことを嘆いていた。 人間と自然環境との付き合い方は、難しい。フィッシュフィーディング、餌付けの是非の問題もある。餌付けも是とし、ホンビノスも是、ならば上海ガニはどうだ。ブラックバス退治もやったことがあるが、これは、ワカサギを食べてしまうので、ワカサギかブラックバスかという選択で、人間の都合上で悪になっている。それならば、ヒメマスはどうだ。放流だが日本国内の移動だし、良いのだろう。 お台場という極限の海に潜っていると、外来種だろうが在来種だろうが、棲んで生きていてくれれば、いとしいと思ってしまう。 アマモの囲いが奥に見える。
この上海ガニ騒動で、学んだことがある。それは、アマモを護ろうとして囲った、囲いが大きな魚礁効果を示して、上海ガニまで呼び寄せたことだ。人工砂浜の、最干潮線水面のすれすれに魚礁効果のあるもの、つまり魚礁を置けば、砂浜に集まるカニの類、稚魚の類を集める事ができるということだ 小泉さんほど、僕の目標と重なった研究機関の友人は少ない。 彼は、ダイビングをするリサーチャーとして、日本有数の人だと思う。日本水中科学協会もリサーチャーの集まるところにもしたかった。力が足りず、果たせぬ夢になっている。まだ、あきらめてはいない。 リサーチャーとして東京の川に、海に、生きた小泉さんの全仕事の俯瞰だった。 しかしながら、ぼくよりかなり年下だから、まだまだ活躍されるとおもう。何かの形でご一緒できるだろう。僕のほうが生きていればだけど。
しかし、お台場に限れば、チチュウカイミドリガニは、今は見られなくなり、イシガニは、少なくなったとは言え見ることができる。この環境ではイシガニの方が強かったのか。チチュウカイミドリガニもおいしいカニだという。食べたことはないが、大発生したら食用の名物になったのではないか?上海ガニならばなおさらのことだ。お台場に上海ガニの店ができ、食べられる。とか考えてしまう。いや、願ってしまう? 甚大な被害とは何なのだろう。いうまでもなく、地球は人類のものだけではない。あるべき姿を残しておかなくてはいけない。上海ガニは、上海以外で食べてはいけないのだ。これを許してしまったら、日本の生態系は大きく変わってしまう。 しかし、お台場という都市の海で、江戸前の海の姿はもはやどこにもないのだから、何もいなくなってしまうよりは、上海になったほうが良いではとか、でたらめなことを考える。 ホンビノスガイも外来種だという。ビノスとは、ビーナスクラムが日本語になったもので、外国ではクラムチャウダーの食材だという。硫化物に耐性がつよいと言われ、この4ー5年の間に東京湾全体に増えた。富津、木更津あたりでは、シロハマグリとも呼んでいる。ハマグリに取って代わられてしまった。都会の居酒屋でもハマグリは食べられないが焼きハマグリならぬ焼きホンビノスが出てくる。ハマグリとは比べられないが、それなりに、おいしく食べられる。 先日、船橋の三番瀬について、名物ホンビノスというテレビ番組が放映された。ついに名物になったか。ハマグリはどこに行ったのだろう。ハマグリの棲めない環境にホンビノスは繁殖して名物になった?三番瀬を守っている小埜尾さんも、名物がホンビノスになったことを嘆いていた。
この上海ガニ騒動で、学んだことがある。それは、アマモを護ろうとして囲った、囲いが大きな魚礁効果を示して、上海ガニまで呼び寄せたことだ。人工砂浜の、最干潮線水面のすれすれに魚礁効果のあるもの、つまり魚礁を置けば、砂浜に集まるカニの類、稚魚の類を集める事ができるということだ 小泉さんほど、僕の目標と重なった研究機関の友人は少ない。 彼は、ダイビングをするリサーチャーとして、日本有数の人だと思う。日本水中科学協会もリサーチャーの集まるところにもしたかった。力が足りず、果たせぬ夢になっている。まだ、あきらめてはいない。 リサーチャーとして東京の川に、海に、生きた小泉さんの全仕事の俯瞰だった。 しかしながら、ぼくよりかなり年下だから、まだまだ活躍されるとおもう。何かの形でご一緒できるだろう。僕のほうが生きていればだけど。