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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0516 高気圧作業安全衛生規則6 さがり綱2

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 さがり綱を、規則として定められると困ると書いて来たが、しかし、自分はうまく解決している。そしてそれが、事故防止にずいぶん役立っていると言う人がいるはずだ。それは、多分僕の考えている方法と同じで、正解だと思う。 どうするのかと言えば、6mー9mのロープに3m間隔で木札か布で印をつけて、エントリー・エキジットする梯子の脇に、ウエイトをつけて、たらしておく。梯子の脇であることが望ましい。アンカーロープは、いろいろな理由で危ない。このことは何回か書いている。ダイビングの事故は、エントリー・エキジットに関連して起こることが多い。さがり綱はそれを防ぐことができる。 日本水中科学協会のシンポジウムで発表してもらった事故例で、エントリーして、バディが後から入ったら、いない。そのまま行方不明で、引き上げた時にはもはや遅かった。この場合、上記のさがり綱があれば、そして、この綱につかまって、バディを待つようにしていれば、事故は起こらなかったのではないか。事故は、梯子から入って、ブイロープや、アンカーに掴まるまでの間に起こることが、少なくない。それも防げるし、浮上減圧の時にも、たぐって上がったところが、梯子であれば、泳がなくて済む。 スクーバでも潜降索は事故防止に役に立つ。もちろん減圧ロープとしても有効である。 だから、さがり綱は規則で全ての潜水に使わなくてはいけないと決められても良い、のだろうか。強い流れがあったら、どうだろうか、ドリフトダイビングでは、どうだろうか。そんな危ないダイビングは止めればよい。それも、一つの見識だろうが、実際には禁止できない。ビーチエントリーの時は、タイヤチューブを引いて行きそこから降ろすか、それも有効だが、いつも必ずということは、無理だ。最近では、浮上の際にマーカーブイを打ち上げるがこれもさがり綱として認められるだろうか。自分としては、綱?ならば、何でもさがり綱だとする強引な解釈をしてきたが、有線通話のケーブルもさがり綱と考えたがもしもの時に、さがり綱と認めてもらえるだろうか。 運用のルールを、断定的な形で定めても、実施できないことが多い。これが、テキストの記述であるならば良いが、遵守がもとめられる規則であるから、こまる。 規則というのは、原則として、ではなく、例外なく守らなければいけない事柄なのだ。3mごとにマークしたロープを常に持ってさえいれば良いという解釈を僕は講習会では話してきたが、それで認められるという保証はない。  なぜこのような規則が出来たかというと、それは、ヘルメット式潜水のルールなのだ。 ヘルメットの潜り方は、英国式と米国式がある。英国式はさがり綱につかまって降りる。米国式はステージに乗って降りる。米国式は中性浮力をとることができない。ステージが絶対必要だ。英国式は中性浮力で静止する事も出来る。失敗すると墜落し、吹き上げも起こる。職人は得意になって中性浮力をやる。これを禁じた規則なのだ。 中性浮力を禁じた規則をスクーバに適用する事は無理がある。重ねていうけれど、これは、規則なのだ。「てもよい」ではなくて「ねばならぬ」なのだ。せめて、スクーバを除外してくれればよいのだが、すべての潜水方式と念をおしている。 せめて、「すべての潜水機で、潜降及び浮上の際の完全静止が行われるような、さがり綱を使用しなければならない。(3mの印はなんらかのマークで良い)綱は、複数の潜水者が掴まることができる、横棒でも良い。」として、その具体的な例をテキストであげて説明してくれると助かる。今まで、多くのダイバーが考えてきたように、潜水士テキストは国家試験の問題を作るためのもので、それ以上でもそれ以下でもないとしてしまえば、一切は円満解決する。 これまで、多くのスクーバダイバーは、この規則を知らない。知っていても完全無視、あるいは、上記のような拡大解釈をして潜水してきた。 せっかくの規則だから、ダイビングがより安全になるように、ダイビング技術が進歩するようにと考えたい。そんな自分を振り返って、首をかしげている自分もいる。  土曜、日曜とダイビングをしたので、そのことを、書きたいので、かなり、急ぎ働きでさがり綱の決着をつけてしまった

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