やはり、1月11日の潜水について、考えたことがたくさんあったのに、潜水の経過だけを書いて、ブログにして、考えたことは書かないでいたら、何を考えたのか忘れてしまった。
考えることが多すぎるので、上から上に重なって、下積になった考えは押しつぶされてしまうのだ。
そうだった、この1月11日に潜りながら考えたことを芯にして、12月13日のシンポジウムで発表した人工魚礁調査報告のまとめを書き直したのだった。
すでに12月13日に発表したことについて、その後の1月11日に考えたことで報告するというのは、時系列が逆転している。
でも12月13日に発表したこと、その報告を考えながら1月11日に潜った。考えたことは仮説である。仮説を頭に入れて潜る、実証するわけだから、そして実証で仮説を補正するのだから、これで良い。
以下、イタリックで、考えの道筋を書き、報告書を引用して行く。
人工魚礁観察撮影について
撮影調査研究の対象の一つとして、人工魚礁を選んでいる。もう一つの対象がライン撮影調査であるが、ここでは、人工魚礁を対象として、およそ、2年にわたって、千葉県館山市の波佐間海中公園の撮影を行った結果を基にして、発表する。
人工魚礁はその形状、位置が明確であることから定点観測がしやすく、その調査活動は、チームとしての潜水として、安全度が高い。
日本では長い時間をかけて、全国の、各漁業協働組合地先に、地域によって、多い少ないはあっても人工魚礁が沈設され続けて来ていている。その多くは沈設時に調査されただけで、放置されている。例えば、私達が調査フィールドにしている。館山沖ノ島から房総半島先 端の洲崎までの間で沈設されている魚礁も、ダイビングサービスが有る、波佐間と坂田を除いては、撮影調査されたこと がない。
ここから後の部分が11日に潜っていて、おもったことから書き直した部分だ。
これまで、みんなで人工魚礁を潜って調査して、楽しかったし、写真も撮った。
しかし、それが何になるのだろう。これまで、僕が仕事をしていたように、行政からの依頼であれば請求書が書けて収入になる。今度のように誰からの依頼もなければ、お金も入ってこない。長らくリサーチの会社をやっていたから、思考回路がそうなっている。
しかし、お金をもらって調査をして、記録を提出したところで、ソレが何になっているのだろう。現状確認以外に思い当たらない。そこで
記録の継続と集積について、
なお、これまで、人工魚礁の観察調査で、同一魚礁群を、長期にわたって月例で調査が継続された事例はない。水中科学協会は、今後もこの形で継続していくのだが、できれば10年20年のタイムスケールで調査を続けたい。こんなことは、アマチュアだから、レクリエーションだから出来ることであって、プロでは絶対にできないことであると、しごと、プロで調査をおこなってきたから知っている。
予算が無くなれば、プロは継続して調査はできない。
また公共の予算で行う調査は、多くの場合入札でおこなわれ、同じチームが同一コンセプトで調査を重ねることは、ほぼ不可能である。
勿論、プロのレベルの調査をすることはできないが、レクリエーションダイビングとして、調査寄りの潜水をして、撮影した結果をアーカイブとして残しておく継続記録をおこなうことの価値は大きい。
撮影方法については次に述べるが、一つのポイント、一つの魚礁について、1500枚のスチル。1時間分の動画、を撮影日時、ダイビングログ(決まった方式)で残しておく。
もしもこれが、全国のダイビングステーションで、自分のダイビング区域内の魚礁について、それは年に2回でもよいから行って集積しておけば、それだけですごいことなのだ。このアーカイブを研究者が見れば、いろいろなことが言える。
さて、次に撮影方法なのだが、
調査研究のための水中撮影手法は大別して四つである。
①ダイバーが手に持って撮影する。
②マスクマウント、棒の先などにウエアラブルカメラを付けて撮影する。
③海底に設置して自動的にインターバル撮影する。
④自走するカメラ「ROV)で撮影する。
①の手持ち撮影は
カメラマンの技倆と、カメラのグレードと画質に大きく左右されるが、できるだけ美しく、作品として価値があるように撮影する。
私達のグループでは、キャノンEOS1DXを使って福田克之くんが撮影した。おそらくは人工魚礁について撮影した、最も美しい映像が得られている。
ⅱ コンパクトデジカメで、メモ的に撮影する。
ニコン、AW130 クールピクス 及び、オリンパスTG-3.TG-4 を使った。最近のカメラはこのクラスのものも、とても良く、一般の調査であれば、十分である。
②マスクの上にカメラを取り付け全行動を記録するマスクマウント、棒の先にカメラを着けての撮影は、近年のウエアラブルカメラの普及で出来るようになった撮影であり、水中科学協会では2012年のシンポジウムで、今後は、ほとんどすべてのカメラマンダイバーが、サブカメラとして、あるいは、アクションのメインのカメラとして使うようになるであろうと予想し、メンバーの石川総一郎がマスクマウント器具を製作し、アルバトロスダイビングクラブで販売している。
ここまでは、普通のダイビングのフィッシュウォッチング その撮影と同じだ。
③の設置インターバル撮影と④の自走カメラによる撮影が、この発表の主眼である。
近年の人工魚礁は、その沈設深度が深い。規則の改正によって、水深40m以上には、高価な混合ガスを使用しなければ潜れなくなった。
今回の目標は、人工魚礁調査において、③のインターバル撮影と④ROVの運用について最適な撮影方法を研究することだった。
5秒に1枚ずつ自動的に撮影する無人インターバル撮影は、生態観察、調査撮影に置いて、有効な手段であるが、とりわけ、近年、超小型で高性能なウエアラブルカメラが、比較的廉価に入手できるので、多数のカメラの同時運用が可能になった。
インターバル撮影
手のひらに乗る小さなウエアラブルカメラを垂直安定板の上に載せ、下にウエイト、上にブイをつけて、水中に投入し、海底から立てる。
使用したカメラは、GoPro、AEE HD4000など14台を用意した。画質は価格にほぼ比例するが、1万円を切る、HD4000 でも問題なく使用できた。
これらのカメラは動画も撮れるのだが、5秒間隔のインターバルで撮影した。動画は2時間撮影したら、見てチェックするのも2時間掛かる。5秒間隔、2時間でおよそ1500枚として、コンピューター画面に展開すれば数分でチェックができる。何か魚が写っていれば、拡大してみる。右の写真は下の左の上3番目を拡大した。イナダが31尾写っていることがわかる。
①カメラの沈設展開であるが、海底に鉛ロープを引いて、延縄の釣り針を出すように、カメラを延縄方式は、ライン調査で魚の分布を知るのに使える。
②魚探とGPSで魚礁の位置をだし、その周辺に無作為に投入しダイバーが潜って移動させ、魚礁の中に入れたり、周囲に魚礁区域を想定して置いたりする方法をここでは主に行った。各魚礁の比較が出来る。
③12m、の高さの鋼製魚礁は、縦に、三連、海底から2m、8m、12mとつなげて撮影した。
今後は規則が改正になり水深40m以上は、混合ガス潜水でなければ潜れないことになった。
純然たるレクリエーショナルダイビングであれば、規則に関係ないのだから、これまでどおり。50mでも60mでも潜れるが、仕事はできない。
インターバル撮影は、ダイバーが潜らないで、低価格で連続的に、しかも魚を追い散らすこともなく撮影ができるので、深い調査はインターバルが有利だ。
③の三連が一番好結果が期待できる。今後の調査では、高さのある魚礁の殆どで、各魚礁の中と外に三連カメラを置いて、撮影し、比較しようと予定している。
魚礁の中に縦に吊り降ろせば、当然、引っかかって、揚げられなくなる。ダイバーが入って、引き揚げなくてはならない。 それでも海底まで潜る必要はないので、50mの水深でも30mまで潜水すれば撮影調査が出来る。三連の上、中、下、でおよそ2時間5秒間隔で1500枚のインターバルが2本あれば、1500×6の 撮影結果が得られる。ダイバーが撮影するよりも、多くの情報を得ることが可能である。
報告書にはこんなふうに書いた。どうも整理が一般的にわかりやすいように、上手く出来ていない
考えることが多すぎるので、上から上に重なって、下積になった考えは押しつぶされてしまうのだ。
そうだった、この1月11日に潜りながら考えたことを芯にして、12月13日のシンポジウムで発表した人工魚礁調査報告のまとめを書き直したのだった。
すでに12月13日に発表したことについて、その後の1月11日に考えたことで報告するというのは、時系列が逆転している。
でも12月13日に発表したこと、その報告を考えながら1月11日に潜った。考えたことは仮説である。仮説を頭に入れて潜る、実証するわけだから、そして実証で仮説を補正するのだから、これで良い。
以下、イタリックで、考えの道筋を書き、報告書を引用して行く。
人工魚礁観察撮影について
撮影調査研究の対象の一つとして、人工魚礁を選んでいる。もう一つの対象がライン撮影調査であるが、ここでは、人工魚礁を対象として、およそ、2年にわたって、千葉県館山市の波佐間海中公園の撮影を行った結果を基にして、発表する。
人工魚礁はその形状、位置が明確であることから定点観測がしやすく、その調査活動は、チームとしての潜水として、安全度が高い。
日本では長い時間をかけて、全国の、各漁業協働組合地先に、地域によって、多い少ないはあっても人工魚礁が沈設され続けて来ていている。その多くは沈設時に調査されただけで、放置されている。例えば、私達が調査フィールドにしている。館山沖ノ島から房総半島先 端の洲崎までの間で沈設されている魚礁も、ダイビングサービスが有る、波佐間と坂田を除いては、撮影調査されたこと がない。
ここから後の部分が11日に潜っていて、おもったことから書き直した部分だ。
これまで、みんなで人工魚礁を潜って調査して、楽しかったし、写真も撮った。
しかし、それが何になるのだろう。これまで、僕が仕事をしていたように、行政からの依頼であれば請求書が書けて収入になる。今度のように誰からの依頼もなければ、お金も入ってこない。長らくリサーチの会社をやっていたから、思考回路がそうなっている。
しかし、お金をもらって調査をして、記録を提出したところで、ソレが何になっているのだろう。現状確認以外に思い当たらない。そこで
記録の継続と集積について、
なお、これまで、人工魚礁の観察調査で、同一魚礁群を、長期にわたって月例で調査が継続された事例はない。水中科学協会は、今後もこの形で継続していくのだが、できれば10年20年のタイムスケールで調査を続けたい。こんなことは、アマチュアだから、レクリエーションだから出来ることであって、プロでは絶対にできないことであると、しごと、プロで調査をおこなってきたから知っている。
予算が無くなれば、プロは継続して調査はできない。
また公共の予算で行う調査は、多くの場合入札でおこなわれ、同じチームが同一コンセプトで調査を重ねることは、ほぼ不可能である。
勿論、プロのレベルの調査をすることはできないが、レクリエーションダイビングとして、調査寄りの潜水をして、撮影した結果をアーカイブとして残しておく継続記録をおこなうことの価値は大きい。
撮影方法については次に述べるが、一つのポイント、一つの魚礁について、1500枚のスチル。1時間分の動画、を撮影日時、ダイビングログ(決まった方式)で残しておく。
もしもこれが、全国のダイビングステーションで、自分のダイビング区域内の魚礁について、それは年に2回でもよいから行って集積しておけば、それだけですごいことなのだ。このアーカイブを研究者が見れば、いろいろなことが言える。
さて、次に撮影方法なのだが、
調査研究のための水中撮影手法は大別して四つである。
①ダイバーが手に持って撮影する。
②マスクマウント、棒の先などにウエアラブルカメラを付けて撮影する。
③海底に設置して自動的にインターバル撮影する。
④自走するカメラ「ROV)で撮影する。
①の手持ち撮影は
カメラマンの技倆と、カメラのグレードと画質に大きく左右されるが、できるだけ美しく、作品として価値があるように撮影する。
私達のグループでは、キャノンEOS1DXを使って福田克之くんが撮影した。おそらくは人工魚礁について撮影した、最も美しい映像が得られている。
ⅱ コンパクトデジカメで、メモ的に撮影する。
ニコン、AW130 クールピクス 及び、オリンパスTG-3.TG-4 を使った。最近のカメラはこのクラスのものも、とても良く、一般の調査であれば、十分である。
②マスクの上にカメラを取り付け全行動を記録するマスクマウント、棒の先にカメラを着けての撮影は、近年のウエアラブルカメラの普及で出来るようになった撮影であり、水中科学協会では2012年のシンポジウムで、今後は、ほとんどすべてのカメラマンダイバーが、サブカメラとして、あるいは、アクションのメインのカメラとして使うようになるであろうと予想し、メンバーの石川総一郎がマスクマウント器具を製作し、アルバトロスダイビングクラブで販売している。
ここまでは、普通のダイビングのフィッシュウォッチング その撮影と同じだ。
③の設置インターバル撮影と④の自走カメラによる撮影が、この発表の主眼である。
近年の人工魚礁は、その沈設深度が深い。規則の改正によって、水深40m以上には、高価な混合ガスを使用しなければ潜れなくなった。
今回の目標は、人工魚礁調査において、③のインターバル撮影と④ROVの運用について最適な撮影方法を研究することだった。
5秒に1枚ずつ自動的に撮影する無人インターバル撮影は、生態観察、調査撮影に置いて、有効な手段であるが、とりわけ、近年、超小型で高性能なウエアラブルカメラが、比較的廉価に入手できるので、多数のカメラの同時運用が可能になった。
インターバル撮影
手のひらに乗る小さなウエアラブルカメラを垂直安定板の上に載せ、下にウエイト、上にブイをつけて、水中に投入し、海底から立てる。
使用したカメラは、GoPro、AEE HD4000など14台を用意した。画質は価格にほぼ比例するが、1万円を切る、HD4000 でも問題なく使用できた。
これらのカメラは動画も撮れるのだが、5秒間隔のインターバルで撮影した。動画は2時間撮影したら、見てチェックするのも2時間掛かる。5秒間隔、2時間でおよそ1500枚として、コンピューター画面に展開すれば数分でチェックができる。何か魚が写っていれば、拡大してみる。右の写真は下の左の上3番目を拡大した。イナダが31尾写っていることがわかる。
①カメラの沈設展開であるが、海底に鉛ロープを引いて、延縄の釣り針を出すように、カメラを延縄方式は、ライン調査で魚の分布を知るのに使える。
②魚探とGPSで魚礁の位置をだし、その周辺に無作為に投入しダイバーが潜って移動させ、魚礁の中に入れたり、周囲に魚礁区域を想定して置いたりする方法をここでは主に行った。各魚礁の比較が出来る。
③12m、の高さの鋼製魚礁は、縦に、三連、海底から2m、8m、12mとつなげて撮影した。
今後は規則が改正になり水深40m以上は、混合ガス潜水でなければ潜れないことになった。
純然たるレクリエーショナルダイビングであれば、規則に関係ないのだから、これまでどおり。50mでも60mでも潜れるが、仕事はできない。
インターバル撮影は、ダイバーが潜らないで、低価格で連続的に、しかも魚を追い散らすこともなく撮影ができるので、深い調査はインターバルが有利だ。
③の三連が一番好結果が期待できる。今後の調査では、高さのある魚礁の殆どで、各魚礁の中と外に三連カメラを置いて、撮影し、比較しようと予定している。
魚礁の中に縦に吊り降ろせば、当然、引っかかって、揚げられなくなる。ダイバーが入って、引き揚げなくてはならない。 それでも海底まで潜る必要はないので、50mの水深でも30mまで潜水すれば撮影調査が出来る。三連の上、中、下、でおよそ2時間5秒間隔で1500枚のインターバルが2本あれば、1500×6の 撮影結果が得られる。ダイバーが撮影するよりも、多くの情報を得ることが可能である。
報告書にはこんなふうに書いた。どうも整理が一般的にわかりやすいように、上手く出来ていない