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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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 1月11日、成人の日だが、成人には関係もないし、興味もない。身体もたるんでいたけれど、今年初めての海、つまり、初潜りに波左間にいった。シンポジウムの水中調査研究グループに報告書を書き直すくらい考えた。潜水とは考えることなのだ。潜りながら、ドライスーツの冬は、ほぼ拷問的な身体の辛さで水に浸りながら、考える。
そんなことで、その考えを書きたかったが、少し長くなると8080がとぎれてしまう。こっちが一段落したら波佐間の話を書こう。が、忘れてしまうといけないので、原稿だけは書いておかなくては。

8080,
 結局のところ、SCR も僕の思い描いているものとはちがって、電子化され、自動化され、ただ、ナイトロックスを使う関係で、水深が40mに限定され、長時間潜れるというものになっている。危険度については、マニュアルをみる限りでは、SCRもCCRも同じようなものだ。パーフェクトが要求される。
 僕のダイビングは、パーフェクトどころか、間違いだらけだ。それで生き残っているのは、サーフェスコンタクトと文学的な想像力のおかげだ。理系的な能力は最低限度だが、理系に傾くと、フィールドでは、危険が大きくなる。リブリーザーは、理系そのものだ。

 そんな自分にとって、一番信じられるはやはりオープンサーキットだ。

 60m以上ではそんなに長く潜っている必要はない。長く潜るのならば、再圧タンクを船上において船上減圧をしなければならない。
60歳の100m潜水では、潜水時間を15分と想定したから、今度も15分としよう。40mから下、混合ガスを使用する時間を10分とした。減圧時間は後で決めることにして、とりあえずガス消費量を考えよう。毎分20リットルとして、深い潜水では酸素分圧が高いし、そんな労働もしないから20も必要ないだろうが、計算しやすいので20とする。80mは9気圧だから、毎分180リットルで10分として、さらに多めに見て2000リットルあれば足りる。11リットルのタンクに200キロ詰める予定として、2200リットル、1本でたりる。わかりやすい。
 呼吸ガスは生命線だから、2倍にして2本にしよう。40mー0mを同じく2本で減圧は船上から純酸素をホースでもらうことにして、4本組の11リットルで間に合う。
 4本にしても、僕の体力では背負いたくない。
 どうせだから、6本にしてこれを束ねて中性浮力で浮かせて、10mのホースでガスを送る。1964年の絵の実現だ。これをハイブリッドシステムと名付けることにした。
 
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6本の11リットルアルミタンクは、杉山さん(SSI)から借りて、ダイブウエイズで6本のくくり金具、バルブシステム、ホース周りを作ってもらって、12月13日のシンポジウムに実物展示した。
 そしてこのシステムの概要を講演発表した。
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    1963年の5本組タンク

 このシステムのルーツは1963年、舘石さんと100mを目指し、90mで引き返した実験潜水にある。この潜水をテレビで放映した「命綱を降ろせ」をシンポジウムでも、縮めて上映した。
 このとき舘石さんは5本組のタンクを背負い、ふつうのスクーバで、僕はフルフェースマスクで送気式で潜った。潜水機の実証実験として、深く潜る。
実は僕は危なかった、船上のコンプレッサーの過熱と夏の暑さで、ホースが抜けそうになったのだ。
 その100mを30年後に60歳の記念として目指した。定年というのは無いから、記念だ。60歳での100mは、絶対安全な船上減圧で、ステージに乗って潜降、浮上するバウンス潜水だった。これは安全だが、再圧タンクをのせる船を借りなければならないし、とても大がかりで費用がかかりすぎる。8080は、この60m潜水の一日分の費用でやらなければならない。なんとか小さいボートで、たとえばゴムボートででも潜れる方法で潜りたい。

 2016年はこのハイブリッド方式のテスト潜水を繰り返したい。できれば、この方式を商品にまで洗練させたい。
新しい方式とか、大げさなことをしなくても、リブリーザでちょっと80mまでならば潜れるだろう。それはそれでよい。前にも述べたように、僕がリブリーザをやるとすれば、オーバーウエイトで潜降索につかまって、降りて、海底を歩く。浮上は命綱でひきあげてもらう。
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しかし、僕はこの際、1964年のコンセプトシートに書いた、ガス供給源を水中に沈める方式を完成させたい。
どちらが良いかを論ずることは、意味がない。リブリーザのテクニカルダイビングはすでにマニュアルがあるものであり、市民権を得ている。ハイブリッドシステムは、これから試行錯誤を始める。ある程度完成されたならば、仕事で潜る場合に、リブリーザをつかうか、ハイブリッドを使うかの選択になるだろう。それが僕の望みだ。
そして、訓練と体力と、絶対間違わない自信があるダイバーはリブリーザでのテクニカルダイビングを選択すればよい。僕の身体能力は、身体障害者一歩手前だ。テクニカルならば、水深20mが限度だとか誰かが言っていた。
 6本のタンクを使うとして、6本をサイドマウントで潜っている人もいる。僕は自分ができる方法を追求している。リブリーザも6本のサイドマウントもできない。
 フィジカルに自信がなく、準備に万全を期し得ないのであればハイブリッドを選択する。そういう潜水システムをつくりたい。
もちろん、動ける自由度、についてはテクニカルが良い。ほぼ無限にどこまででも行ける。こちらは、タンクを束ねたカードルから半径10mの範囲では自由に動けて、カードルの移動はサーフェスコンタクト、命綱の範囲でよいならば、移動できる。昔、超大きいカメラをオペレーションしたことを考えれば、ハイブリッドの6本タンクを押して泳ぐことも出来る。
6本水中カードルは、岸からのエントリーができないという短所もあるが、岸からエントリーして80m潜れるのは、伊豆半島の一部、大瀬崎近辺に限定される。僕のホームである房総半島では、全部船からの潜水になるし、サイエンティフィックダイビングでの調査もボート使用がほとんどだ。

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