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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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1014 インドネシアの大串式

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 フルフェイスマスクのことを書きたくて、日本式のフルフェイスマスクすなわちマスク式のことをまず書こうとして、資料にあたったら、捕まってしまった。

 そして、これから書こうとしている潜水病についての1935年以前のダイバーの姿勢、これが、マスクよりも、自分にとって焦点になりそうなので、少し、慎重にじっくり書きたい。書けるかどうかわからないけれど。
 これに嵌り込むと、よそ見ができなくなるので、その前に、現代の大串式?について、ちょっと脱線しよう。大串式と言っても歯で噛むバルブ、バイト式の前の原型的な大串式だ。
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 インドネシアのなまこ採り漁師のマスク、ほぼ大串式

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 もう一度、これが世界初のスクーバである1918年ごろの大串式の図をみてみよう。
 この図も、三浦定之助先輩が、多分自分の手で書いたものだから、正確かどうかわからない。特に背負っている40キロ充填できるという背嚢、については、写真とかがほしい。と言ってどうなるものでもないので、この絵が、大串式が世界初のスクーバでというただ一つのてがかりである。
 このマスクの部分、マスクにホースが突き刺さっている。
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 この絵とほぼ同じ2000年代の、ホースが付いたマスクの写真だ。

2004年、僕はインドネシアに宝探しにいっていた。正確には、宝探の撮影に行っていた。宝探しをしていたのは、宇野沢徳太郎、旧友で、400トンの船で宝探しをしている。おしいことに、成功寸前で、癌に倒れ、亡くなってしまった。
この話は僕のホーム・ページに載っている。
  http://homepage2.nifty.com/j-suga/silkroad.htm
 
 引用しようと思ったのだが、あまりにも長く、そして結構面白く、そして写真も多いので、興味があれば見てほしい。

 その宝探しで雇い入れたインドネシアの漁師、ダイバーたちが、この写真のマスクを使っている。
 インドネシアの潜水漁師は、なまこをとる。なまこをとって干して中国に売る。
 中圧のちょっとした大きさのコンプレッサーで5人ぐらい一度に潜れる。空気の消費量が少ないのだ。ただし、潜水深度は25mあたりより深くは潜ってくれない。
 
 大串式の原型がこのマスクと同じだとは今知ったばかりだから、2004年当時はこのマスクを見て驚いた。20mぐらいのところで遊んだり、ちょっとした作業をするのならば、これで十分で、日本の軽便マスク式とかは不要ではないのかとおもってしまった。このマスクは鼻の前に排水弁が付いているから、余った空気はここから出て行く。呼吸もあんまり苦しくないのだろう。フィンは着けていないがよく泳ぐし、海底では、速く歩き、敏捷だ。
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 使ってみたかったが、やはり、練習せずに、もしものことがあるといけないと思いとどまった。やればよかった。


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