ダイバーにとって、マスクは眼の一部分だから、とても大事で、自分にあった、自分のマスクが決まったら、それを大事にして、使い続けることが基本で、たいがいのダイバーは、そうしている。だから、今、とりあげている、単眼のマスク、など、マーケットからは、問題にされないような、タイプでも、ひそかに売れる。ダイバーは、自分のマスクがこわれた、或いは磨耗、ゴムが老化して、水が漏れるようになったときの買い換えを、心配する。
いっぽうで、車を乗り換えるように、マスクの乗り換えで、気分を一新しようという人もいる。メーカーにとっては、ありがたいお客さまだ。
僕の場合、使うマスクは、ほとんどが、ダイブウエイズ、ときどき、キヌガワのマンテイス、だ。ダイブウエイズは、親戚同様で、新しいマスクができると、使ってみるようにたのまれる。テストドライバーみたいなものだ。
それと比較するような気持ちで、他のマスクも使ってみる。そんな視点からマスクをみる。
今、少数派になっている単眼のマスクについて考察しているが、なぜ、単眼かといえば、目の前を遮るものがないためだ。
マスクは慣れだから、目の前にピラー(鼻の前の柱)があっても慣れてしまえばきにならなくなる。しかし、気にすれば気になる。なにもない単眼に慣れた眼で、二眼を使うと、なれるまで、うっとうしい。特にカメラマンは気になる。
ぼくは、単眼マスクを三つ持っていて、それぞれ、かなり使ってみている。その一つは、今度、自分のスクーバ用正式採用のスーパーワイドⅡで、これについては、あとでのべよう。
一つは、キヌガワのアビス、後でフルフェースマスクのところで述べるスノーケリングマスクもアビスなのだが、そんなことは、どうでもいい。
これは、クラシックな小判型単眼がシングルスカートであるのに対して、ダブルにしている。
シングルとダブルのちがいは、シングルはスカートのゴムの縁が、ちょっと外にまくれあがるような感じで顔に圧着させる。水漏れはしにくい。良いしくみだが、ゴムの老化で水漏れが起こる可能性があることと、顔を圧する部分が痛い。たいしたことはないが、長時間着けているといやになる。ダブルは、その点を改善したもので、顔当たりはやわらかい。水漏れについては、むしろ、微妙になった。
伝統的な小判型単眼をダブルリップスカートにしたのが、このマスクである。よくできたマスクで、ダブルであっても水漏れはしない。小判型単眼を愛用してきたカメラマンなどは、このマスクをかんげいした。
しかし、単眼、小判型は、すでに時代遅れであった。一定の単眼フアンが買う程度と予測してカタログに残っている。カタログに残すていどには売れているのだろう。それに亡くなると愛用者が困るから、サービスなのだろう。
ここでマスクの売れる要因について考察してみよう。マスクが売れるかうれないかは、ショップのおすすめである。
ショップがおすすめするのは高いマスクである。たかいといっても、それほどたかくはない。たとえばマンティスLV は18000円である。マンティス5は、14500円でマンティスシリコンは14000円である。後述するように上下の画角に差をつけてはいるが、性能に大きな差を付けるわけには行かないから、その差は、美しさであり、デザインの差である。性能が同じか、微妙に差があって、デザイン、美しさに差があれば、そしてその金額差がリーズナブル、たとえば4000円であれば、ショップのおすすめする方を買って当然である。
単眼マスクは、このような世界とは別の世界であり、キヌガワのカタログにも、終わりの方に、プロ用として載っている。
アビスのブラックシリコンは9000円である。
なお、マンティスLVは、美しい、良いマスクだけれど、僕は持っていない。使ったこともないが、よいマスクでなければ売れないから、とてもよいマスクだろうと思う。
アビスに話をもどして、僕が気に入らないのは、耳抜きのために、鼻を摘むへこみがついていることで、このためにガラスが遠ざかり、視界を狭くしている。
プロならば、耳抜きは鼻をつままないで抜けるか、あるいはマスクの下の縁を軽く当てるだけで抜ける。摘みにくいマスクの凹みに指を入れるのはむしろ面倒である。
初心者は2眼のマスクを使って外から鼻をつまめるから、それはそれでよいが、カタログでプロ用をうたい、どうせプロしか買わないのだろうから、後藤道夫のマスクのように、鼻にくっつけたらよかった。このマスクを企画した青木さんは、後藤道夫の弟子筋で、僕は、ぺったんこにしろといったのだが、売れ筋を考えたのだろう。でも、どうせ、それほど売れることは期待できないのだから、思い切ってほしかった。
次は、バサラ、なんというネーミングなのだろう。ネーミングなどどうでも良い世界のマスクかもしれないが、このマスクの前身はレモラ(コバンザメ)だから、レモラⅡでもよかった。
レモラは単眼で、横に幅が広く、その分だけ視界が広がっていて、プロはよくつかっていた。レモラが無くなったら困る。そういうプロの要望に答えて作ったものだと思う。
僕もしばらく使ったが、ダブルに慣れた顔には、シングルがうっとうしかった。1時間も着けているといらいらしてくる。しかし、ダブルのない昔はこれでよかったのだから、慣れ、というか顔が軟弱になったのだろう。
そして、いよいよ、僕がスクーバ用として正式採用したダイブウエイズのスーパーワイドⅡ、単眼としては、一番新しい。新しいのに忘れ去られていて、ダイブウエイズとしても売る気がないらしい。ネットで調べても画像がでてこない。「幻のマスク」だそうだ。幻でもなくて、カタログには載っていて、8190円だ。
単眼だからもちろん、眼をさえぎるものとてない。ダブルだから顔あたりも良い。僕の顔、髭で水が漏れやすいのだが、水ははいってこない。このマスクの特色はストラップである。かぶってから、帯の端を引っ張ると、きりりと締まる。締めすぎるとゆるんでちょうどよいテンションになる。これは他のマスクには無い機構だ。顔あたりの気分が良くて、視界を遮るものもない。快適なマスクだ。もう一つこのマスクのよいところは堅牢さである。ダイビングバックのなかに投げ込 んでも、プラスティック部分が割れるようなことがない。(なお、締め付けてテンションをかける方式の嫌いな人もいると思う)。
欠点は、スーパーワイドなどと唱えながら、ぜんぜんワイドではない。理由は、鼻つまみが内側にあるからだ。これを取り去ってぺったんこにすれば、とうに愛用マスクにしていたのだが、これが気に入らなかったので、放り出してあった。しかし、今度取り出して使ってみたら、眼球を左右に動かすと、ほんのちょっと枠が眼にはいるが、気にするほどではない。それよりも、上下の視野がひろいことがカメラマンにとっては気持ちがいいい。
上下の視野というのは、このごろ問題にされていて、キヌガワのマンティスはこれにこだわっている。LVが上下103度、5が99度、マンティスが90度とカタログにのっている。単眼も同じようなものだが、視野を遮る柱がない。
この柱は実用としては、全く問題はない。ただ、うっとうしい。そして、単眼にするとすっきりとして気持ちがいい。
いっぽうで、車を乗り換えるように、マスクの乗り換えで、気分を一新しようという人もいる。メーカーにとっては、ありがたいお客さまだ。
僕の場合、使うマスクは、ほとんどが、ダイブウエイズ、ときどき、キヌガワのマンテイス、だ。ダイブウエイズは、親戚同様で、新しいマスクができると、使ってみるようにたのまれる。テストドライバーみたいなものだ。
それと比較するような気持ちで、他のマスクも使ってみる。そんな視点からマスクをみる。
今、少数派になっている単眼のマスクについて考察しているが、なぜ、単眼かといえば、目の前を遮るものがないためだ。
マスクは慣れだから、目の前にピラー(鼻の前の柱)があっても慣れてしまえばきにならなくなる。しかし、気にすれば気になる。なにもない単眼に慣れた眼で、二眼を使うと、なれるまで、うっとうしい。特にカメラマンは気になる。
ぼくは、単眼マスクを三つ持っていて、それぞれ、かなり使ってみている。その一つは、今度、自分のスクーバ用正式採用のスーパーワイドⅡで、これについては、あとでのべよう。
一つは、キヌガワのアビス、後でフルフェースマスクのところで述べるスノーケリングマスクもアビスなのだが、そんなことは、どうでもいい。
これは、クラシックな小判型単眼がシングルスカートであるのに対して、ダブルにしている。
シングルとダブルのちがいは、シングルはスカートのゴムの縁が、ちょっと外にまくれあがるような感じで顔に圧着させる。水漏れはしにくい。良いしくみだが、ゴムの老化で水漏れが起こる可能性があることと、顔を圧する部分が痛い。たいしたことはないが、長時間着けているといやになる。ダブルは、その点を改善したもので、顔当たりはやわらかい。水漏れについては、むしろ、微妙になった。
伝統的な小判型単眼をダブルリップスカートにしたのが、このマスクである。よくできたマスクで、ダブルであっても水漏れはしない。小判型単眼を愛用してきたカメラマンなどは、このマスクをかんげいした。
しかし、単眼、小判型は、すでに時代遅れであった。一定の単眼フアンが買う程度と予測してカタログに残っている。カタログに残すていどには売れているのだろう。それに亡くなると愛用者が困るから、サービスなのだろう。
ここでマスクの売れる要因について考察してみよう。マスクが売れるかうれないかは、ショップのおすすめである。
ショップがおすすめするのは高いマスクである。たかいといっても、それほどたかくはない。たとえばマンティスLV は18000円である。マンティス5は、14500円でマンティスシリコンは14000円である。後述するように上下の画角に差をつけてはいるが、性能に大きな差を付けるわけには行かないから、その差は、美しさであり、デザインの差である。性能が同じか、微妙に差があって、デザイン、美しさに差があれば、そしてその金額差がリーズナブル、たとえば4000円であれば、ショップのおすすめする方を買って当然である。
単眼マスクは、このような世界とは別の世界であり、キヌガワのカタログにも、終わりの方に、プロ用として載っている。
アビスのブラックシリコンは9000円である。
なお、マンティスLVは、美しい、良いマスクだけれど、僕は持っていない。使ったこともないが、よいマスクでなければ売れないから、とてもよいマスクだろうと思う。
アビスに話をもどして、僕が気に入らないのは、耳抜きのために、鼻を摘むへこみがついていることで、このためにガラスが遠ざかり、視界を狭くしている。
プロならば、耳抜きは鼻をつままないで抜けるか、あるいはマスクの下の縁を軽く当てるだけで抜ける。摘みにくいマスクの凹みに指を入れるのはむしろ面倒である。
初心者は2眼のマスクを使って外から鼻をつまめるから、それはそれでよいが、カタログでプロ用をうたい、どうせプロしか買わないのだろうから、後藤道夫のマスクのように、鼻にくっつけたらよかった。このマスクを企画した青木さんは、後藤道夫の弟子筋で、僕は、ぺったんこにしろといったのだが、売れ筋を考えたのだろう。でも、どうせ、それほど売れることは期待できないのだから、思い切ってほしかった。
次は、バサラ、なんというネーミングなのだろう。ネーミングなどどうでも良い世界のマスクかもしれないが、このマスクの前身はレモラ(コバンザメ)だから、レモラⅡでもよかった。
レモラは単眼で、横に幅が広く、その分だけ視界が広がっていて、プロはよくつかっていた。レモラが無くなったら困る。そういうプロの要望に答えて作ったものだと思う。
僕もしばらく使ったが、ダブルに慣れた顔には、シングルがうっとうしかった。1時間も着けているといらいらしてくる。しかし、ダブルのない昔はこれでよかったのだから、慣れ、というか顔が軟弱になったのだろう。
そして、いよいよ、僕がスクーバ用として正式採用したダイブウエイズのスーパーワイドⅡ、単眼としては、一番新しい。新しいのに忘れ去られていて、ダイブウエイズとしても売る気がないらしい。ネットで調べても画像がでてこない。「幻のマスク」だそうだ。幻でもなくて、カタログには載っていて、8190円だ。
単眼だからもちろん、眼をさえぎるものとてない。ダブルだから顔あたりも良い。僕の顔、髭で水が漏れやすいのだが、水ははいってこない。このマスクの特色はストラップである。かぶってから、帯の端を引っ張ると、きりりと締まる。締めすぎるとゆるんでちょうどよいテンションになる。これは他のマスクには無い機構だ。顔あたりの気分が良くて、視界を遮るものもない。快適なマスクだ。もう一つこのマスクのよいところは堅牢さである。ダイビングバックのなかに投げ込 んでも、プラスティック部分が割れるようなことがない。(なお、締め付けてテンションをかける方式の嫌いな人もいると思う)。
欠点は、スーパーワイドなどと唱えながら、ぜんぜんワイドではない。理由は、鼻つまみが内側にあるからだ。これを取り去ってぺったんこにすれば、とうに愛用マスクにしていたのだが、これが気に入らなかったので、放り出してあった。しかし、今度取り出して使ってみたら、眼球を左右に動かすと、ほんのちょっと枠が眼にはいるが、気にするほどではない。それよりも、上下の視野がひろいことがカメラマンにとっては気持ちがいいい。
上下の視野というのは、このごろ問題にされていて、キヌガワのマンティスはこれにこだわっている。LVが上下103度、5が99度、マンティスが90度とカタログにのっている。単眼も同じようなものだが、視野を遮る柱がない。
この柱は実用としては、全く問題はない。ただ、うっとうしい。そして、単眼にするとすっきりとして気持ちがいい。