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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0814 スキンダイビング・セーフティ スノーケリングについて

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スキンダイビング・セーフティを出し、おかげさまで好評をいただいている。
 そんな折、スノーケリングとフリーダイビングの死亡事故が起こった。
 スノーケリングとスキンダイビング、そしてフリーダイビングの区分けについて、この本で最も苦労した部分だ。
 
 スノーケリングとは、僕にも縁の深い社会スポーツセンターがつくり、形にしようとしている日本スノーケリング協会では、「フローティングベストを着けて、浮いている遊びであり、潜ることはない」と定義している。短絡的に言えば、フローティングベストを着ければスノーケリング、脱げばスキンダイビングだ。
スキンダイビング・セーフティでは、水に潜るスキンダイビングは、スクーバダイビングと同等、もしくはそれ以上に危険があるとしている。学生の部活動、同好会のダイビング事故の多くはスキンダイビングによる事故であり、スクーバダイビングの事故は、記憶では一件だけだ。
 この本を作る動機になったのは、身近でスキンダイビング事故が発生したからだった。
 
  先に、千葉県館山での2件の事故について述べたが、それと前後して、4人の家族が揃って溺れ、3人が揃って亡くなるという、スノーケリング事故史上最悪の、気の毒な家族事故が起こった。

 まず、事故が起こったのは、伊良部島、渡口の浜だという。残念ながら、この浜に行ったこともない。

    写真は、僕がよく行く、古座間味ビーチである。

 渡口の浜で、47歳の男性、72歳の男性、12歳の男児、8歳の女児がジュノーケリングを楽しんでいた。おそらくはお父さん、おじいさん、そして子供2人だ。
波があったらしく、フローティングベストを着用したらしい。らしい、と想像しているのは、見たわけでもなく、不確かなネットの情報に頼って書いているからである。事実はぜんぜんちがうのかも知れない。
まず、女児がフローティングジャケットを脱いで、溺れ、それを助けようとした3人がこれもフローティングベストを脱いで助けに行き、溺死した。女児は、地元の人に助けられたが、大人二人は浜から20mのところ、水深1.5mのところで引き揚げられたが死亡。男児は見つからないで、海保のヘリコプターが到着して、捜索し、引き上げたが死亡。なお、当日の海況は波高2m うねりも押し寄せていたという。岸では、母親らしい、家族の女性が早く助けてと泣きわめいていた。
なぜ、全員、フローティングベストを脱いでから溺れたのか、そんなことがあるとは信じられない。だから、不確かなネットの情報によると、先に書いた。
でたらめな切れ切れの情報であり、やがては宮古島の誰かが、詳報を知らせてくれるだろうが、全くちがうことになるかも知れない。
 とりあえず、ここに書いたことで、「それは違うよ、本当は、、、、」と教えてくれる人がでてくれれば、と思う。

 渡口の浜は行ったことがないのだが、ネットの写真を見た限りでは、素晴らしい海水浴場である。海水浴場であるが、砂浜の沖は、ちょっとした岩とかサンゴの瓦礫などがあって、美しい魚が泳いでいる、もしくは餌付けされていたのかもしれない。僕がよく行く、慶良間の古座間味ビーチのようなところかと類推する。ただ、前が開けているので、慶良間よりは波の影響を受けるのだろう。

   慶良間、古座間味ビーチ

   古座間味ビーチでの、浦安海豚倶楽部のスキンダイビング




 海況は波高2m うねりも押し寄せて居たというが、これは気象状況の発表で、この浜で、本当に2mの波が立ち、うねりが押し寄せていたとすれば、そんなところで海水浴をさせたとすれば、浜辺の売店、おそらくフローティングジャケットなどもレンタルしているのだろう、観光サービスが、なぜ留めなかったのかという責任になる。
 だから、少しは波があったかもしれないが、そして、うねりも、海水浴シーズンの江ノ島、藤沢の海水浴場と同等だったと思う。しかし、土地のものだったらとても泳がないような状態だったとも書いてある。それだったら観光課の責任になる。
古座間味ビーチでは、夕立で雷が鳴っているというだけで、役場の人が来て、僕達が泳ぐのを留められた。 

 これらのことから、これは泳ぎが上手でない海水浴客が、多分フィンとスノーケルを付けて、遊んでいた。4人共ベストを着けていたが、8歳の子がそれを脱いでしまって、あるいは脱がなかったかも知れないが溺れて、3人が救助に向かったのだろうか。全員が溺れて、8歳の子だけが助けられた。流されたというけれど、引き揚げられたところが、浜から20mで水深1.5mだというから、それほど遠くに流されたわけではないだろう。
 救助に向かった3人は、フローティングベストを借りたのだけれど、面倒なので着ないで泳いでいたのかもしれない。よくわからない。

 これらの事故を通じて考えた。スノーケリングとは、海水浴なのだ。
 最近、湘南の海水浴場に行ったことがないので、様子がわからないが、昔のように芋洗いにはなっては居ないのではないだろうか。空いているきれいな海を目指して拡散した。
 沖縄、八重山へ、海水浴に行く客も多くなり、その多くがフィン、マスク、スノーケルを使って遊ぶ。泳げなかったとしても、フィン、マスク、スノーケルをつければ、着けないよりも泳げる。そして、行動範囲も若干広がる。遊泳可の枠の外にも出て行くだろう。
 事故が起こると、スノーケルをくわえている。つまりシュノーケル事故になる。
 スノーケルとシュノーケルは同じ意味だが、僕たちは英語発音のスノーケルという。PADIもNAUIもアメリカ由来だ。カタログもダイビング雑誌もスノーケルという。もちろん僕もスノーケルだ。シュノーケルはドイツ語読みで、元来、第二次大戦で、ドイツの潜水艦U ボートが、水面にシュノーケルを出して、ディーゼルエンジン走行をしたという装置を指す言葉だった。今回の事故の報道でネットで調べたら、海上保安部はシュノーケルと呼んでいるようだ。

 シュノーケリングの安全は海水浴の枠組みの中で、考えるべきで、スキンダイビングと連接するスノーケリングとは別に考えるべきだと思う。スキンダイビング・セーフティでは、スノーケリングとしては、必ずフローティングベストを着けなければいけないが、ある条件の基でスキンダイビングに移行しても良いと考えた。ある条件とは、安全に責任を持つ、リーダー、あるいは、ガイドダイバー、インストラクターの監視の元でということである。

 同じスノーケリングでも、海水浴客と、スキンダイビングのトレーニングを受けた、スキンダイビングを視界に入れた、人たちとは、人種がちがう、と僕は思っている。海水浴の事故とスキンダイビングの事故を、同じシュノーケリングでくくるべきではない。
 そんな意味で、この前に述べた、館山の洲崎で朝の6時に一人で泳いで事故を起こした会社役員は、スノーケリング事故ではなくて、スキンダイビング事故である。

もう、10年近く前になるが、沖縄の渡嘉敷に、浦安フリッパークラブ(今はもうやめてしまっているクラブだが)の子どもたちを連れて行った時だが、海水浴場では、ベストの着用が義務付けられていたので、僕たちは海水浴場の囲いの外で、僕の責任の基で、スキンダイビングをやった。これも一つの解決方法だろう。海水浴場の外は、ベストを着けなくても着けても、すなわち、スキンダイビングであっても、スノーケリングであっても、すべて、自己責任、もしくはリーダーの責任だと、明確にすると楽になる。すべての場所で、沖縄、八重山は、ベストの着用が義務付けられたりしたら、スキンダイビングクラブである、僕たちは、沖縄、八重山には行かれなくなる。
これに伴う、資格制度の問題が出てくるだろうが、常識的には、ダイビング指導についての何らかの資格を持っていれば良いということでいい。そこから先は別の議論になる。


 スキンダイビングの安全確保については、「スキンダイビング・セーフティ」に述べた。
ぜひ読んでいただきたい。
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