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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0807 年次総会と、スキンダイビング・セーフティ出版記念会

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  8月5日 NPO法人 日本水中科学協会の年次総会、そして、その後で、スキンダイビング・セーフティの出版記念会が、白井理事のシャロン木魂で行われた。

年次総会は、正会員数65名のうち45名の出席、うち委任状33通で成立した。活動会員が25名だから、合計で90名の団体だ。クラブと呼んだほうがふさわしいのかもしれない人数だ。会計報告は50万の赤字、2010年から、今までの累積赤字がおよそ300万、赤字の部分は大部分が役員報酬の未払い、つまり、僕が報酬なしのボランティアをやっているという状態で回っている。商品として何も売っていないのだから、これで当然かもしれない。監事をお願いしている綿貫さんが、何のスポンサーも居ないで、こんなことを始めたのを「ええつ!」と驚かれた。監事も無報酬だ。

 この状況で何ができるか、が勝負なのだが、
 2014年の春から夏にかけては、会員に、報いることができない。会員になってもらって、何のメリットもない。自己満足にすぎない。意義がないのではないか、と、自分的にピンチになってしまった。

 中尾先生、久保くんと、そして学生たちとイタリアにも行ったし、水中調査研究会の人工魚礁調査潜水、月例のワークショップ、毎月の運営委員会によるホーム・ページの充実、古い日本潜水会の身内である白井常雄の物心とものバックアップでどうやら立ち直り、先が見えてきた。自分が居なくなった後も水中科学協会が意味あるものとして続いてゆくように思えてきたということだ。もちろん、時は移り、人は代わる。僕が思うような形には動いて行かないだろう。その中で自分はなんとしてでも、最後までダイビングにしがみついて行くけれど。

 スキンダイビング・セーフティが岡本美鈴、千足耕一、藤本浩一、それに出版社の担当の小野さんの気持ちの良いチームワークで、嫌なことが一つもなく、スムースに目指した本が出来上がり、評判も良かったことも、助けになったし、スキンダイビングのトレーニング、その仲間たちの援助も力になった。

 もはや先のない人生、他を、周囲を気にせずに信じるところに従って、直進する他ない。と、割り切れもした。

昨夜の出版記念会でスピーチしたことだが、水中科学協会のめざすところ。

 人それぞれはちがう。個性ともいう。誰がどのようなダイビング活動をしても、たとえそれが、自分のスタイルと違い、ポリシーとちがっても、メンバーであるという理由だけで、扶けあえる。成功を喜べるようにしたい。
自分が扶けてもらうためのお願いの裏返しなのかもしれないし、全体としては、ほぼ不可能に近いことかもしれないことなのだが、これは、1967年に発足した日本潜水会の心だった。やがて、指導団体という組織の拡大のために、1972年には、指導組織としての活動は全日本潜水連盟に移管して活動を停止したが、1983年からは、毎年一度忘年会を開く親睦クラブになった。同時に指導団体の枠は取り払った。メンバーが勝手に指導組織を作ったり、PADIになったり、NAUIになったり、いろいろになった。


 1967年 日本潜水会結成の時に集まったメンバー
 すでにかなりの人数が世を去っている。


2003年 益田さん、後藤道夫、大津善彦 
日本潜水会はダイビング界唯一のビジネスに関係しない大人のクラブだと自認してきた。


 昨夜、スキンダイビング・セーフティ出版記念会に集まってくれた人たち。
 一歳の福田幸輝もいるから、僕の年齢を相殺して平均年令は低くしてくれている。


 たった、100人のメンバーでも、一堂に集まることは、不可能。ここにでていないメンバーの方がもちろん多い。そのことがつらい。

ダイビングの活動を成功させること、安全を保持すること、とは、連帯と思いやりを基としたチームワークなのだ。信頼できる仲間がしっかり群れることが、ダイビングの基本である。ダイバーの性格は基本的には、一匹狼なのだが、群れる事を拒否しては、バディシステムもユニットも、チームも成立しない。信じなければ群れることができない。

その日本潜水会を基として、水中科学協会をつくった。亡くなってしまった盟友の後藤道夫は、古い形を追ってはいけないと、全く新しい出発を目指した。5年経って、目指したところとは、異なったが、結局は、互いに互いを認め合って、援けあって、水中と陸上を生きるという基本は同じだ。
例え水中科学協会のメンバーでちがう心の人がいたとしても、成功を喜ぶという芯を保持しなくてはいけない。常に、自分が一番弱いと自覚することだ、とこの一年で再度学ぶことになった。
抽象的にはそういうことだ。

このようなことは、記念会のスピーチでは、うまく語れなかった。

今度、これを機会に、岡本美鈴がメンバーになったが、彼女のダイビングをみんなで誇りに思い、バックアップしたい。彼女に言った。サポーターズクラブがもう一つできたと思ってくれと、会員それぞれについて、お互いにサポーターズクラブでありたい。
ようやくホーム・ページも形になってきて、会員全部の名前と、ホーム・ページのある人は、リンクがのせられるようになった。これも、プライバシーの問題で、反対する人もいたのだが、差支えがあると申し出があれば、消せば良いと、踏み出した。

記念会で話す事ができた、具体的なことは、毎年、本を一冊ずつ出すような活動を続けていく、20年続けて、20冊の本ができたら、文化になる。ワークショップ、シンポジウム、技能研修会(プライマリーコース)を続けていく。自分たちの活動研究を発表して行く。これは理事会、総会でも確認できた。そして、できるだけ、他の指導団体、業者、活動団体の活動とできるだけ重ならないようにしたい。協力できることであれば、競争しないで協力したい。

もちろん、個人的には、技術的な主張のちがいについて、内でも外でも、議論はするが、誹謗はしない。

地方に住んで、具体的な活動に参加できないメンバーについて、そして、古い友人で、とにかく応援だけをしてくれているメンバーに具体的に何を報いる事ができないのが、とてもつらいのだけれど、これは、水中科学協会のメンバーであることが、プライドであるような、活動を続けて行く他にない。

 スキンダイビング・セーフティだが、よく、短い時間のうちにこれだけのものができたと思う。岡本美鈴を始めとして、東京海洋大学准教授の千足耕一、藤本浩一、そして僕も、息こらえ潜水に突いた、書くべきこと、書きたいことがそれぞれたまって居たのだと思う。とてもいいタイミングで本にできた。スキンダイビング、フリーダイビング、スノーケリングについてと、ダイビングの安全について一つの提案ができたとも思っている。発売、一ヶ月で、再販が決まり、8月4日、記念会に間に合うように、新しい版ができてきた。ダイビング関連についてはベストセラーのうちに入るだろう。ぜひ、買ってください。
 

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