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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0412 ジャック・マイヨール

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イルカと海に還る日 ジャック・マイヨール・関邦博 1993

フリーダイビングを調べたり、フリーダイバーの美鈴さんと、一緒に本を書いたりしていると、いまさらのように、ジャック・マイヨールが、フリーダイビングの原点だったのだと思う。そしてこの本「イルカと海に還る日」も、大きな影響を与えている様に思う。

 この本は関邦博訳、となっているが、訳本のすべてがそうであるように、関さんのセンスと才能が、特に今の僕が参考にしたいような、後半の字が小さくなっている技術的な部分では、ほとんど関さんが書いたのではと思う。今、彼が日本に居たならば、相談できたのに。
今、月刊ダイバーに60歳の時の100m潜水のことを書いている。その中のエピソードで、地中海コルシカ島の宝石珊瑚採りダイバーを訪ねるところを書いている。一人で100m潜るスクーバダイバーのアランだ。アランは関さんに紹介してもらった。
関邦博博士は、風のうわさでは、南米のボリビアで麻薬の研究をしているとか。

今、なんとか関さんとメールがつながるように、努力しているけれど、アドレスが見つからない。彼は、メール魔だから、繋がりさえすれば、と思う

また脱線している。本筋のマイヨールにもどろう。マイヨールについても書くことがたくさんある。また脱線しそうだ。「イルカと還る日」にもどろう。
 「イルカと海に還る日」から抜粋。
「マイヨールが長く息をとめて潜れる理由のひとつに、ヨガによる呼吸法を身につけていることが挙げられる。彼はそれを独自の呼吸哲学と共に身につけていった。
人間はふだん、呼吸するときは意識していない。ほとんど無意識のうちに、息を吸ったりはいたりしている。マイヨールによれば、これと同じ状態に水中でなるのが理想だという。つまり、息をするのと同様に、息をしないのも無意識になるである。」


また、彼は日本の伊豆海洋公園に来た時に禅をまなんでいる。
「私が100mの深さに挑んだ時、潜水時間は3分40秒だった。今から自分が呼吸を停止する時間を思って、心理的に圧迫をかけてはいけないので。
つまり、息を上手に長く止めるには、息を止めることをあまり考えてはいけないのだ。呼吸行為そのものが無意識下で行われるように、呼吸停止そのものも、無意識下で行われるのが望ましいのである。
私が禅を学んだ日本の伊豆では、大師から非常に大切なことを教わった。
大師は座禅する私に笑いながら、こういったのだ。
「ノーシンキン、ノーシンキン」
 このメッセージは、余計な言葉など無く、直接的でしかも完全なものだ。」

 これを読んだ僕は、深く潜るには、「ヨガをやらなくてはいけない。そして座禅を組んで、何も考えてはいけない」と要約して、とても出来ない、と思った。
確かにヨガと禅は神秘的であり魅力的だけど、実際には、ヨガとかしなくても、練習によって3分程度まで息をとめていられるようになるし、この頃のスタティック競技の練習をする子たちの多くは、3分を超えて息を止めることができる。
その辺りの秘密については、スキンダイビング・セフティで追求している。

マイヨールとも何度か席を同じくすることがあったし、マイヨールが自殺した時、いろいろと考えて、ホームページに「マイヨールはなぜ死んだ」を書いた。


 これは月刊プレイボーイ2002年4月号




  これは上記のプレイボーイ誌から、マイヨールが亡くなった、エルバ島の家だ。

この写真を撮ったのは、ヨットの写真家で名が通っている添畑薫、僕の親友だ。
なぜ死んだ?といえば、孤独、だと思う。
何処へ行ってもフリーダイビングの世界だったら、ちやほやしてくれるとは思う。
死ぬ直前まで、館山の成田均のところにいた。成田くんも誠心誠意、彼に尽くしていたと思うが、24時間付いているわけには行かない。
未だ、書くことはたくさんあるけれど、今日のテーマではない。脱線だった。



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