自分の著書の賛辞をいただくことは嬉しいものだが、そのまま紹介するのは、なんとなく面映い。しかし、せっかく頂いがお言葉だから、紹介したい。
☆須賀 様
水村君は、私の海上自衛隊時代の水中処分隊の後輩であり、防衛大学出身のエリートです。彼に「ニッポン潜水グラフィティ」を差し上げたところ、感想文を頂きましたので
転送いたします。
竹下 徹
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左から二番目が竹下先輩
☆竹下さんは、僕の東京水産大学の一期先輩で、一緒に潜水部を創立した。グラフィティにもその時代についての話では、中心人物である。威張り散らす運動部の先輩の中で、優しくて最高の先輩だった。水泳部の主将でもあった。海上自衛隊に入り、創成期の水中処分隊の隊長を努め、退役してからは三井海洋開発に入り、海洋科学技術センター、今のJAMSTECに出向して、シートピア計画の指揮をとった。
☆ 竹下 徹 様
先日は、ご友人の須賀次郎氏の著書 「ニッポン潜水グラフィティ」 を戴き
有難うございました。 お礼が遅くなって済みません。
高価な本で、しかも著者のサイン入りとは光栄です。
竹下さんのお名前も随所に出てきて、親しみをもって読みました。
「潜水」は自分の海上自衛隊経歴の中で、最も気に入っている分野なので、
この本にすっかり嵌ってしまい、読み飛ばすことが出来ず、1ページ読んでは、
しばらく考えたり、思い出したりして、時間がかかりました。
このような立派な本のお礼には、感謝の言葉だけでは足りないと思い、
「感想」を、A4版のWARD 2枚に纏めて添付しましたので、
ご一読頂ければ幸いです。
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水村 宏
2015.3.18 水村 宏
「ニッポン潜水グラフィティ」読後感想
この本を読み終えての感想を一言で表現すると、「須賀次郎氏という伝説的ダイバーの人生そのものを、丸ごと追体験したような充実感!」ということができます。
それほど、この本は、詳細、綿密に、大事なことは何一つ省略することなく、時系列的にキッチリと順序立てて書かれていて、読者は、著者と同じ時代を同じ気持で同時進行したような気分になりました。
個々の感想は沢山ありますが、その幾つかを書いてみます。
(1)01~24の24の小篇と10篇の興味深いコラムで構成されていること、そして写真が沢山使われていることから、大変読み易く、解り易く感じます。 しかも、各篇は独立した読み物でありながら、時系列になっていて、相互に深く関連しているので、1冊の壮大な自伝を読んだような気持になります。
(2)私自身、26~33歳(昭和40~47年)潜水を少し齧ったのですが、その時は夢中で心の余裕もなく潜っていたので、今思えば自分史の中で一番楽しかった潜水についてのドキュメント、日誌、写真などの記録がほとんど
ありません。 この本の記事や写真によって、自分自身が経験した当時の各地の海、魚、仲間たち、潜水器具、臨死体験、エピソード等々を、懐かしく思い出すキッカケ、手がかりとなりました。
(3)ダイビングに興味があり、これから自分も潜ってみたい、と思っている
人にとって、この本は背中を押して、「よし、やろう!」と踏ん切りをつけてくれることでしょう。
(4)全編を通じて、「安全」について、器具、準備、技術、工夫、システム、自己管理、心構え等々が色々な切り口と表現で強調されているので、この本は、潜水事故を未然に防いでくれるものです。 起こった事故を救助すれば賞賛されニュースになりますが、もっと大事な未然防止の結果は、何も起こらなかったという地味なものです。 しかしそれも、皆の先を歩んできたレジェンドの大きな価値のある役割と思っています。
(5)08 の「卒業論文」での「サザエの棘」の話は興味深いものでした。
今まで、棘の有無は、種類・遺伝による先天性だとばかり思っていましたが、環境適応のための後天性の可能性もあるようで興味は尽きません。
いずれにしても、生存―環境適応―進化―遺伝と繋がる奥行きの深い大きいテーマだと思いました。
(6)潜水を少し経験した者として、潜水のあの楽しさ、気持ち良さ、嬉しさなどを、他の人にどのように言葉や文章で伝えたら判って貰えるのか、いつも困惑していました。 自分の呼吸に連れてレギュレータを空気が通過するあの音以外に何も聞こえない沈黙の世界、水中に置かれた・・・というよりは、自分が水そのものになってしまうあの浮揚感と一体感。
「潜った人でなければ分らない」と言ってしまえば身も蓋もなく、会話になりません。
従って、ダイビングの楽しさ、素晴らしさは、言葉としてではなく、この
本1冊から見えてくる
「一人の人が生涯を注ぎ込んでもなお、熱く語り続け、次へのチャレンジを目指す、それほどダイビングは素晴らし!」
というメッセージに尽きると思いました。
今は、続ニッポン潜水グラフィティを月刊ダイバーに連載していて、5月号から、60歳になり、27歳で潜れなかった100mへ再挑戦します。そして、80歳になり、今年か、遅くても来年中に新しい潜水器を作って、そのテストも兼ねて80mに潜ります。
夢と冒険を追ってきた潜水人生ですが、80歳になると、天国など信じられないので、もはや夢はなく、冒険だけを追うことで生きています。
☆須賀 様
水村君は、私の海上自衛隊時代の水中処分隊の後輩であり、防衛大学出身のエリートです。彼に「ニッポン潜水グラフィティ」を差し上げたところ、感想文を頂きましたので
転送いたします。
竹下 徹

☆竹下さんは、僕の東京水産大学の一期先輩で、一緒に潜水部を創立した。グラフィティにもその時代についての話では、中心人物である。威張り散らす運動部の先輩の中で、優しくて最高の先輩だった。水泳部の主将でもあった。海上自衛隊に入り、創成期の水中処分隊の隊長を努め、退役してからは三井海洋開発に入り、海洋科学技術センター、今のJAMSTECに出向して、シートピア計画の指揮をとった。
☆ 竹下 徹 様
先日は、ご友人の須賀次郎氏の著書 「ニッポン潜水グラフィティ」 を戴き
有難うございました。 お礼が遅くなって済みません。
高価な本で、しかも著者のサイン入りとは光栄です。
竹下さんのお名前も随所に出てきて、親しみをもって読みました。
「潜水」は自分の海上自衛隊経歴の中で、最も気に入っている分野なので、
この本にすっかり嵌ってしまい、読み飛ばすことが出来ず、1ページ読んでは、
しばらく考えたり、思い出したりして、時間がかかりました。
このような立派な本のお礼には、感謝の言葉だけでは足りないと思い、
「感想」を、A4版のWARD 2枚に纏めて添付しましたので、
ご一読頂ければ幸いです。

水村 宏
2015.3.18 水村 宏
「ニッポン潜水グラフィティ」読後感想
この本を読み終えての感想を一言で表現すると、「須賀次郎氏という伝説的ダイバーの人生そのものを、丸ごと追体験したような充実感!」ということができます。
それほど、この本は、詳細、綿密に、大事なことは何一つ省略することなく、時系列的にキッチリと順序立てて書かれていて、読者は、著者と同じ時代を同じ気持で同時進行したような気分になりました。
個々の感想は沢山ありますが、その幾つかを書いてみます。
(1)01~24の24の小篇と10篇の興味深いコラムで構成されていること、そして写真が沢山使われていることから、大変読み易く、解り易く感じます。 しかも、各篇は独立した読み物でありながら、時系列になっていて、相互に深く関連しているので、1冊の壮大な自伝を読んだような気持になります。
(2)私自身、26~33歳(昭和40~47年)潜水を少し齧ったのですが、その時は夢中で心の余裕もなく潜っていたので、今思えば自分史の中で一番楽しかった潜水についてのドキュメント、日誌、写真などの記録がほとんど
ありません。 この本の記事や写真によって、自分自身が経験した当時の各地の海、魚、仲間たち、潜水器具、臨死体験、エピソード等々を、懐かしく思い出すキッカケ、手がかりとなりました。
(3)ダイビングに興味があり、これから自分も潜ってみたい、と思っている
人にとって、この本は背中を押して、「よし、やろう!」と踏ん切りをつけてくれることでしょう。
(4)全編を通じて、「安全」について、器具、準備、技術、工夫、システム、自己管理、心構え等々が色々な切り口と表現で強調されているので、この本は、潜水事故を未然に防いでくれるものです。 起こった事故を救助すれば賞賛されニュースになりますが、もっと大事な未然防止の結果は、何も起こらなかったという地味なものです。 しかしそれも、皆の先を歩んできたレジェンドの大きな価値のある役割と思っています。
(5)08 の「卒業論文」での「サザエの棘」の話は興味深いものでした。
今まで、棘の有無は、種類・遺伝による先天性だとばかり思っていましたが、環境適応のための後天性の可能性もあるようで興味は尽きません。
いずれにしても、生存―環境適応―進化―遺伝と繋がる奥行きの深い大きいテーマだと思いました。
(6)潜水を少し経験した者として、潜水のあの楽しさ、気持ち良さ、嬉しさなどを、他の人にどのように言葉や文章で伝えたら判って貰えるのか、いつも困惑していました。 自分の呼吸に連れてレギュレータを空気が通過するあの音以外に何も聞こえない沈黙の世界、水中に置かれた・・・というよりは、自分が水そのものになってしまうあの浮揚感と一体感。
「潜った人でなければ分らない」と言ってしまえば身も蓋もなく、会話になりません。
従って、ダイビングの楽しさ、素晴らしさは、言葉としてではなく、この
本1冊から見えてくる
「一人の人が生涯を注ぎ込んでもなお、熱く語り続け、次へのチャレンジを目指す、それほどダイビングは素晴らし!」
というメッセージに尽きると思いました。
今は、続ニッポン潜水グラフィティを月刊ダイバーに連載していて、5月号から、60歳になり、27歳で潜れなかった100mへ再挑戦します。そして、80歳になり、今年か、遅くても来年中に新しい潜水器を作って、そのテストも兼ねて80mに潜ります。
夢と冒険を追ってきた潜水人生ですが、80歳になると、天国など信じられないので、もはや夢はなく、冒険だけを追うことで生きています。