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地中海ー5 


 地中海のブログ、じっくりと、といってもそんなに時間はかけられないが、書くことにした。走りながら書くということむずかしい。実はまだ旅のはじめ、イスタンブールについても旅の途中で書いたメモがそのままになっている。
 これで、しばらくはブログの種にこまらないという見方で取り組むことにした。

 ここまで、9月2日のジェノア ポルト・フィーノでのダイビングまで書いてきた。
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      ジェノバからミラノへ

 9月3日は、ジェノヴァから、ミラノを経由してナポリへ向かう。
 これだけの旅をするのだから、出発前によく下調べをしてから出てくるのが普通だが、僕はそれどころではなく、多忙多難だった。まだ多忙多難は続いているが、それは仕方がない。下調べをしたのは中尾教室の学生たちの役割だ。だから、ぼくはついて行くだけという認識だけだった。迷子になったら日本に帰れない。
 ジェノアで、ちょっとばかりレプリカの帆船に見とれていたら、後ろを通ってみんながどこかに消えた。彼らは水族館に行ったらしい。僕は、はぐれたときはその場にいるという水中での鉄則を守って、そこにいた。やがて、彼らは戻ってきたが、もしかすると、水族館の前まで行き、僕が居ないので戻ってきたのかもしれない。その時に水族館に入らなかったおかげでジェノア大学のA教授のお世話で無料で入場できたのだから、良いのだが、僕が徘徊してどこかに行ったと思ったらしい。僕はその場を動かなかったのだから、大きな誤解だ。
 そんなことで僕は出発前にほとんど下調べをしていない。地図もざっと見ただけだ。
 ジェノアは地中海の海岸で、60歳の時、つまり20年前に行ったコルシカ島から近い対岸だ。フランスの方に向かえばモナコ、ニースがある。
 ミラノは内陸にあり、ジェノア駅から1時間ぐらい電車に乗る。ミラノ駅は大きい古い歴史のある駅のようだ。僕たちは日本の新幹線に相当する特急「イタロ」に乗って、イタリアの長靴を南下してナポリに行く。ミラノでは、特急に乗る駅は別になっていて、タクシー移動になる。
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     ミラノ駅
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イタロの写真を撮りたかったが、立ち止まって撮っていると、置いて行かれる。こんな写真しか取れなかった。時速300キロでる特急である。
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     イタロ
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時速300キロ


 特急のシートは、日本の新幹線の普通車よりはるかに良い。もしかしたら、僕たちはグリーン車のようなものに乗ったのかもしれないが。お弁当がついているのかと思ったら、そんなことはなくて、弁当を売りに来た。となりの中尾先生は、10ユーロだかの弁当を買った。僕は7だったか8だったかユーロの弁当を買った。パッケージのデザインはいいけれど、中身は乾パンを煎餅のように大きくしたパンと、本当に乾パンのような小さいパンにチーズだか何だかが入っていて、僕は、一口二口食べて終了にした。中尾先生の方は、それに何だかのビン詰めが何種類か入っていた。味はどんな味かわからない。とにかく、日本のあんまりおいしくない駅弁でもこれよりはいい。
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 途中、ローマにも停車したが、ただのプラットホームだ。
 ナポリのホテルは小高い山の中腹にあり、見下ろすと絵葉書のような絶景である。ベスビオ火山が遠景のナポリ湾、ヨットハーバーが直下にあり、マリンロードが走っている。
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 この絶景を見下ろすレストランもホテルにはあるが、そこで食べられるなんて甘いことは考えられない。この人たちは徒歩移動を原則とする人種(研究者)だ。歩けイスタンブールだったし、ジェノアでは僕も半ばやけになって、よく歩いた。
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     1年に1足履きつぶす1000円のシューズ、一回でつぶれるかと思った。


 やはり山を下ることになった。「階段を降りますけど大丈夫ですか?」と親切に学生がきいてくれる。「大丈夫ではないと」と答えても降りなければならない。「降りるのは良いけれど、登るのはどうかなあ?」と答えておく。
 山を下ったところにも良さそうなレストランがあり、客引きがでてきて、かなり強く誘う。結構お客も入っている。しかし、まだ歩いていない。先に進む。ここでのリーダーは中尾先生の恩師、F先生の奥さんだ。F先生夫妻とは、ジェノアで合流してナポリに来た。別の仕事を兼ねてこちらに遊びに来ている。もちろん60ぐらいだろうが、女性の年はわからない。チャーミングな奥さんで、元ルフトハンザのスチュアーデスで四か国語ペラペラで、積極果敢な人だ。当然歩く、道行く人に話しかけては、レストランの情報を仕入れる。何か所か満員だったが、なんとか落ち着くところに入った。イタリア料理について、日本のイタリア料理は本場のイタリア料理ではない。だから僕も食べられる。F先生の奥さんもF先生も、イタリア人のようにイタリア料理をたべる。F先生ご夫妻は、イタリアの大学で絶大な人気があるそうだ。ナポリ大学に立ち寄ったら、ナポリ大学の女性教授と奥さんは抱き合って再会を喜んでいた。
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     やっと座ったレストラン
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     この小魚とエビのから揚げは、おいしく食べられた。

 帰りはF先生のタクシーに同乗させてもらって、無事ホテルに戻った。
 
 9月4日
 ナポリから、沖の離島、イスキア島に向かう。高速の連絡船で45分だから、那覇からケラマと思えば良い。ケラマとちがうところは、ここは高級リゾート地だ。高速連絡船は1時間に1本ぐらいの割合で出ている。
 連絡船の出るナポリ港は、横浜の大桟橋のようなところで、地中海周航の超豪華大型客船が2隻停泊している。
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       高速連絡船
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 連絡船がイスキアに入り、軽自動車のタクシーに乗って、ホテルに行く。このホテルも山の上だ。コッテージのようなホテルで、オーシャンビューの立派なレストランがあり、小さなプールもあり、外国人観光客(ここでは僕たちが外国人だが)ゆったりちリゾートしている。
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 さて、荷物を置いて、山を下る。
  もはや僕は悟りの境地にはいっている。人間は歩く動物だ。歩けばいろいろなものが見えてくる。歩かなければ見えないものもたくさんある。
  僕はテレビの撮影で世界を飛び回ったが、重い機材を持っているから常に車での移動だった。僕にとって、旅とは車での移動だった。あれは移動であって旅ではない。番組は旅の番組だが撮影隊は移動だった。
  僕たちは今旅をしている。
  旅、すなわち歩いて港に降りる。
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      イスキアの猫は基本的に逃げない。頭をなでさせる。
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    漁船、底引き網らしい。

  港、すなわちヨットハーバーであり、豪華ヨット、それほど豪華ではないヨット、ボート、漁船、などなどが繋がれている。小型スーパーに入った。高級リゾート地だから、小さいスーパーと言っても、食材は充実しているようだ。
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  港の連絡船着き場で休止する。聞けば、ナポリ大学から女性教授のアンジェロが来るのを待つのだという。この教授がイスキア島でのダイビングの手配をしてくれている。
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        港にて、隣に座っている子の足首に、日本語ひらがなの「あ」の入れ墨、どういう意味か聞こうと思ったが聞けなかった。

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