Quantcast
Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1388

0808 後期高齢者

$
0
0
 後期高齢者とは、必ずやってくる死を前にして、限りある、未来のない短い時間を過ごすことだ。昔は隠居という形が一般的にあった。隠居と言う時間が死の前に必ず必要という考え方もある。でないと、社会に迷惑をかけると思われる。しかし、今日本は、あと何年か先、人口の一番多い年齢組成が隠居の時代を迎える。東京オリンピックなどと浮かれているけれど、ちょうどその時期に全員隠居になり、さらに、その後には、その多くが車いすに乗ったり寝たきりになったり、徘徊したりする時代になる。自分にとってもそれは避けられないのかもしれない。しかし、僕はチャレンジャーとして、ダイバーとして生きてきた。最後の日までチャレンジャーでありたい。ダイバーでありたい。
 チャレンジャーではあっても、ダイバーではあっても、死は一歩ずつ近づいてくる。判断力の衰え、優柔不断、間違いがおおくなり精神的に不安定になる。あるときにはどん底まで気持ちが沈み、ある時にはハイテンションになる。出来うる限りは、クールに判断して、生きて行こうと努力する。しかし、それは努力であり、努力が切れる時もある。それを後期高齢者だからと、認めるのは嫌だ。しかし、後期高齢者という称号を送りつけようとする。侮蔑と思うけれど、迷惑をかけているのは事実だから、怒ることはできない。

    1969年の水中グライダー

そういう日々を送る。
後期高齢者になって、試行錯誤で学んでいる。そんな中で、月刊ダイバーの続きが決まりそうで、アウトラインを考えなくてはいけなくて、それはマル秘で、ブログにはのせられない。
そして、8月29日はイスタンブールに飛んで行く。イスタンブールからイタリアに向かう。中尾先生が、地中海の無脊椎動物の採集に行くのに、付き合う。言葉もしゃべれないで役に立たないと辞退したが、多分、僕を慰める気持ちが半分で、どうしても来てくれと言う。やさしい人なのだ。そして、イスタンブールとかジェノバ、ベネチアは、一回は行きたかったところだ。

そのまえ、8月11日の辰巳は、17時から19時というがらがらの予定。なので、北海道の工藤さんの紹介で、ロゴシーズの提供を受けられることになっていて、テストを11日の辰巳でやる。
やった結果はまた書くとして、明日8日は、芝浦工大ダイビングクラブ顧問の足立教授と、東亜潜水機に行き、新しい潜水機のデザインを検討する。
これまで、ニッポン潜水グラフィティの中心になった1963年の100m潜水は、送気式フーカーにフルフェイスマスクを使って、水面と通話しながら潜水する方法の追求だった。詳しいことはニッポン潜水グラフィティを読んでもらうことにして、その次、60歳の時の100mリベンジ潜水は、テクニカルダイビングを目指した。テクニカルダイビングとはどういうものなのか知らなかったのだ。だからテクニカルと言えばテクニカルだが、基本はシステム潜水と言うハイブリッドになった。
この葛藤については、もう一度月刊ダイバーが短期連載してくれることになりそうだ。
そして、後期高齢者として、高齢化へのチャレンジとして行う予定の80歳での80m潜水は、後期高齢者でも安全に80mという中深度にもぐれる潜水機を開発する。80歳で80mに潜れる潜水機ならば、65歳までは深度潜水作業げできることになる。
そのためのコアになる新しい潜水機を作る。これを古巣である東亜潜水機に何かにしようと思うのだが、もはや東亜は高い技術のコンプレッサーメーカーが主体になっているから、あまり、必要がないかもしれない。しかし、芝浦工大の足立先生がデザインするのだから、芝浦工大のダイビングクラブのシンボルになるかもしれない。そして、それを中心にして関東学生潜水連盟のいくつかの大学の研修材料になるかもしれない。
学生の潜水は、人力飛行機のように、学生の潜水のコアが必要とかねがね思っていた。ただ、学連合宿で泳いだり潜ったりするだけではなくて、中心になるハードがあれば、安全性が高くしかも面白い。ずいぶん昔になるけれど、僕が母校の東京水産大学潜水部のコーチをしている時、曳行する水中グライダーを中心テーマにしたこともあった。その時の卒業生が後に日本のダイビングのコアになったのだが、彼らもすでに亡くなった人が多く、引退した人も、現役で残っているのは海洋リサーチ社長の高橋実だけだ。しかし、このグライダーの効果は大きかった。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1388

Trending Articles