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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0313 風邪を引いてしまった。

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風邪を引いてしまって、頭の中で考えていることを組み立てることができなくなってしまっている。
要するに、管理責任が絶対的にあるプロのダイビングは、何らかの形で有索潜水にならざるをえないのだということ、だから、スクーバは、自分で自分のすべてについて責任を持つことが原則なのだから、基本的にレクリエーション。その自己責任の機材をプロが管理責任のある現場で使用せざるを得ないことの矛盾、この溝を埋めることは原理的に不可能だから、個々の苦労で、なんとかしなければならない。それがバディシステムであり、バディを集めたチームで潜るのだが、それでも、根っこの部分はどうにもならないから、事故が起こる。これは、スクーバというものに内在した事故だから、どうにもならない。
 だから、自己責任がさらに重くなるテクニカルダイビングは、プロが行うことがない類のダイビングといえる。アジア海洋作業の柳井会長は、僕が東亜潜水機以来の親しい友達だけれど、あれは、プロの機材、プロのテクニックではないといいきっていた。そこで、逆にテクニカルダイビングをプロのダイビングとして行うにはどうしたらよいのだろうかという問題が出てくる。もちろん軍事的な潜水については、リブリーザーがその元祖のようなものだから、その線に沿って発達してきた方法があり、SRT (special response teams ) など、特殊な潜水、あるいは軍事的な潜水では、プロであっても、スクーバが必須であるが、いわゆるコマーシャルダイビングの世界で、スクーバが使われるのは特別のことである。プロの潜水でスクーバを使うことは、ハイリスクであり、それを40年近く続けてきた経験が僕にはある。プロデューサーもリサーチダイビングはスクーバにならざるを得ない場面がある。
 そんなことを書こうとしているのだが、風邪を引いた頭では支離滅裂になる。治ってから書こう。
 風邪は毎年のように引く、身体がだるくなり、これぞ風邪という不快な気分になる。咳が出る、鼻水がでる。身体も熱っぽくなる。プロのダイバーは、風邪を引いても潜らなければならない。特にテレビの撮影のしごとではカメラを置くことはできない。まあ、役者さんもそうだろう。そういう意味では辛い仕事だ。だから、薬を山ほど飲む。長生きできない仕事だなとおもいつつやっていたが、気が付けば周囲はみんな死ぬか倒れてしまった。だから、人の死は、運なのだ。死ぬ日までプロとして潜るつもりだから、風邪でも潜る。

 流氷の撮影の時に風邪を引いたことが何度もある。それでも潜る。そんなある日、風邪を引きながら氷の下に入っている時に、先日亡くなった真野先生が斜里の定置網ダイバーの何周年だかの式典に招待されてきた。僕も現地に居たので、招待された。その時は風邪で完全に声が出ない。咳もひどい。熱もあった。その日、その前から真野先生とスノーモビルに乗って遊ぶ約束をしていた。これは、キャンセルせざるを得なくて、スノーモビルの親分である佐野モーターの社長にすべてを任せて倒れた。それは、若い日のころで今は違うと言われるだろうが、その頃も50代の半ばすぎだったから若くは無い。それに、もっと若いころも僕は病弱で、風邪を引いたり咳をしたりしていた。
 という事で、今日も辰巳で泳ぐことにした。それで倒れたら、明日は一日寝ていられる。

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