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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0301 潜水士の本

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共著者の工藤君が潜水士試験テキストを告知したので、紹介する。

「よくわかる潜水士試験 完全攻略テキスト&問題集」が、ナツメ社より発売。
 発売の予定日は3月17日、価格は2500円(税別)。


この本の計画をしてからここまで3年の時間が経った。迷いもたくさんあったし、この制度そのものにも考えることが沢山ある。工藤君との意見の差もずいぶんあったような気する。僕よりも彼の目指しているところが高い。僕はとにかく受かれば良い参考書、彼はもう少し理想が高い。そして、計算問題の解き方もきちんと方程式を立てて、解かなければいけないとしている。彼の方が正しいと、考えて、その方向になった。
 若干難しくなったかもしれない。しかし、表紙を見ていただいてわかるように、この本は、スクーバダイバーによって、スクーバダイバーのために書かれた日本で初めての潜水士テキストである。問題集の形式を採っているが、これによってダイビングのすべてが、そして、日本のダイビングの規則の歪みも見えてくるはずであり、そして、とっくの昔、潜水士の資格を取ったダイバーも、今の潜水士試験の状況をしることができる。

 潜水士免許が日本における唯一の免許である。スクーバダイビングのための規則とは思えないのに、スクーバダイバーもこの規則によって縛られるという大きな矛盾がある。しかし、この規則が、スクーバダイビングの安全のために役立つようになんとか育てて行きたい。この本が出てからだが、潜水士の勉強会をやりたい。ヘルメット式潜水についても、先日のシンポジウムで、日本で唯一ヘルメット式潜水を若者に教えている種市高校に発表してもらったが、このテキストの内容とずいぶんずれがある。また、今の作業潜水は、応需弁月の全面マスクが中心になっているが、その運用についても、テキストとはずいぶんと変わってきている。
 システム潜水については、僕は専門家ではないが、この規則、テキストを論じることで、一般のダイバーにも理解ができるのではないだろうか。
 日本のダイバーは、みんな、この規則、潜水士テキストをバカにしている。しかし、細部はともかくとして、骨組みはしっかりしている制度なのだし、いまさら廃止することもできない。すなわち、ダイバーが逃れることができない規則なのだかれ、なんとか、これを良くする。この法律の目的の通りに、ダイバーの働く現場、仕事場の環境をよくして、安全に役立つように、考えて行かなくてはならない。この本は問題集なのだが、この規則、そして、多分改訂されるであろうテキストを論じて行きたい。
 かなり、レベルの高い議論ができるのではないかと思う。
 そして、今度減圧表が改定されるというが、僕は改訂後の公のテキストについては順次議論して行きたい。 残り少ない潜水人生の最後の段階で、潜水士の規則がスクーバダイバーの安全に本当に役立つようになってほしい。そのための活動の、これは、まえがきのようなものと考えている。
 なんだこれは、違うではないかとおもわれるところも多々あるとおもうが、それは、このテキストが準拠している「公の」潜水士テキストの問題点なのであり、それを突き詰めて行くことをこれまでやっていなかった。潜水士の資格を持っている人も、無視してきた人も、これから受験する人も、必携のつもりで書いた。そして、よく言うのだが、今から50年経って、もう潜水士の姿がまるで変ってしまった時、そうなることを願っているのだが、このテキストを見て、ああ、2014年当時、日本の潜水は、こんな形だったのだとわかる資料にもなるだろう。

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