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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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1004 お台場9月24日調査

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     マハゼ  


この前、お台場水中調査報告のblogを書いたのが5月15日、月例210回だった。
そこで、最近の概略を書いている。


その後 6月 10 日に港区ふれあい財団主催のクリーンアップが行われ、11 グループ68名を集めて、自分的には大成功だった。
大成功というのは、もはや、お台場水中には拾うゴミなどないと思っていたのだが、以外や以外、調査のD ラインはまた、ゴミの収斂するラインでもあった。
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 このD ラインを海洋大学潜水部にマスクマウントを着けて撮影しながら作業させた。この中で、3年生の田中君の撮った映像がとても良く。「これがお台場の水中清掃だ」というプロモーションに使えるほどで、各所に送って、喜ばれた。そしてまた。海洋大学潜水部とマスクマウントのワークショップをやる引き金にもなった。

 このワークショップも、自分的には成功で、海洋大学の先生らに録画を送って喜ばれ?た。


 その6月は、まだ、撮影が成功するほどの透視度があったのだが、7月は赤潮状態で、透視度は30cm以下。この7月23日には、この日以外は僕が潜るチャンスはないだろうと、潜ったのだが、何も見えなかった。
 そして、8月もなんとか潜って、長時間を過ごしたが、7月よりももっと悪かった。


☆そして9月24日
 10月14日、15日に「東京湾大感謝祭」という、イベントがあり、このイベントに毎年、動画の公開など、何かを出品、出展してきた。一度などは、写真展までやった。(清水まみ の写真;)
 その「大感謝祭」に動画を出したい。また、その中で行われるシンンポジウムにポスター展示も募集している。この大感謝祭関連の展示を元東京都環境局の風間真理さんが、後押しと言うか、全面的に仕切ってくれている。ありがたいことで、それに甘えている。手続きとかいろいろめんどうで、僕にはそれに関わっている時間がない。


 その大感謝祭向けの動画、ポスターの写真を、この9月24日、一日に賭けることにした。もしも撮れなければ、ストックから、「お台場のこれまでについて、」の発表にならざるを得ないが、「お台場Naw!」
を9月24日に撮りたい。
 折悪しく、僕は気管支喘息がひどくなって、水に入れない。まあ、ディレクターをやれば、そのほうが、みんなの負担にはならないのだが。
 
 参加メンバーは、中心の多留さん、尾島夫妻、山本徹、小林正浩 三ツ橋知沙、山田、臼島コンビ 毎月のチームだ。
 
 ★計画と経過
 ラインCの山本さんへのリクエストは、もう少し、移動速度を緩く、10mの目盛りごとに10秒程度の静止、撮影距離も透視度に応じてもっと近く、撮影距離20cmでも良い。海底をシャープに撮りたい。
 ラインDの小林さんへのリクエストは、ラインDはいつも通り、その上に、ラインCを撮っている山本さんの姿を撮ってもらいたい。ポスターに使いたいので、という盛りたくさんのお願いをした。
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    ラインと設置カメラの位置 概略図


 設置カメラは、円筒の12時間継続撮影かめらに、水中ライトをゴムバンドでとめた。
 設置位置は、わかりやすいところに、そろそろ、定点を決めよう。Dラインの上に一台、山本さんに一台設置をお願いする。上がる時に撤収で良い。
 設置した周辺を別カメラで撮ってもらいたい。


 尾島雅子ママは、南岸の砂浜の展望台の内側に行く予定なので、とにかく魚のスポットをいつも通りに撮る。三ツ橋は、目的としている海草がまだ生えていないので、SJ5000ウエアラブルカメラを渡して、雑感的に何かめについたものを撮ってもらうようにお願いした。


 上がって来ての報告では、水深1。5mまでは透視度Ⅰから2mあってよく見えるが、ラインCの10mから先は硫化水素で白濁して何も見えない。しかし、その白濁との層ははっきりみえる。それが撮れていればOKだ。あくまでも事実の記録なのだから。


 南岸へ行った尾島グループは、時間がながくかかり、北岸グループは10時エントリーの12時上がりで、あったが機材を片づけ終わって、15時になってももどってこない。15時45分もどってきた。成果はあったらしい。


 ★撮影結果
①ラインD 小林正昭撮影 
 カメラが水に入る前に、岸の状況をパンして位置を確認して水に入る。このパンが良かった。鉛に巻き尺のラインを結びつけた基点は岸から8mほどだったが、すぐにマハゼがとらえられた。
 カメラはマハゼを追うのではなく、ラインをフォローして行くが、それにマハゼが写り込む。
 回数をかさねて、ライン撮影が上手になっている。
カメラが少しふらつくが、見苦しくはなくい。
 巻き尺の陰に帯状に微細なイサザ類のプランクトンが見える。巻き尺もプランクトンにとっては、陰の魚礁効果があるのだ。巻き尺をある程度の時間引いておけば、それにマハゼも集まるかもしれない。
 カメラは巻き尺を写し込んで進んでいく、移動の速度、撮影距離藻、良い。
 設置した設置カメラのA が写る。マハゼが点々と写る。ラインDの基点から20mが、砂地に付くマハゼのポイントなのだ。転石の磯場の状況もわかる。転石の上に、10尾ほどマハゼが集まっているポイントが写った。これは静止画を抜き出して使える。
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      D ライン上のマハゼの群


 なお、この調査撮影は、すべて、動画で撮っている。報告書、SNSにはこの動画から抜き出す静止画を使っている。今度、ポスターに使う写真もすべて、この動画からの抜き出しを使う。
 以前は、ポスターに使う写真は画質の良い大判カメラのスチルを使っていた。今でもここで使っているウエアラブルカメラ、小林さんはgo-proは、画質では劣る。しかし、シャッターチャンスは二度とない。動画からの抜き出しスチルは、チャンスを逃がさない。
 例えば、ラインの上に、マハゼが10尾群れている。それを見てライン撮影の動画カメラを置き、スチルカメラを持ち替えていたのでは、マハゼは笑って逃げる。
 しかし、ウエアラブルカメラの動画からのスチルの画質は悪い。チャレンジだ。もちろん、ポスターの写真は、きめ細かく、美しいに越したことはない。しかし、今度作るポスターの目標・コンセプトは、お台場の状況説明、お台場水中の美しさの説明もしたいが、美しさがポイントではない。
 赤潮の濁り、硫化水素の白濁、無酸素に耐えて生き抜く、生態系のたくましさをみせたい。画像は粗くとも、かまわない。
 基点からおよそ80mのあたりで、直角に沖に、お台場の中心に向かって引かれたラインが、Cラインだ。ついでに、対岸の繁華な砂浜、展望に突き出しラ突堤の内側にラインAを設定したが、このあたりをスポット的に撮影している尾島雅子ママがラインをひかないので、そして、やはり、展望台に遠慮があって、ラインがない。このあたり、一帯と言う感じである。そして、お台場プラージュ(海水浴)が行われる東岸が、ラインBだが、ここは、一回しかラインをひいたことがない。同じ場所、できるだけ同じ位置を月例で撮影調査したいので、C、Dが定着している。
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    ライン撮影中の山本さん


 ラインCの山本さんのダイバー姿は、なるほど、硫化水素の白濁で、よく見えないが、動画としては、迫力がある。
 総じて、今回のDライン、小林さんの映像が発表する動画として、わかりやすい。良かった。


②ラインC 山本徹撮影。
 ラインに特に近寄って、海底を克明に撮った100m、いつもと同じ視点、40cmほどライン上方から撮ったもの、二通りを撮ってくれた。
 特に接近した方は、やはり、移動が少し早く、ストップをかけないと、シャープに見られない。しかし、シャープに、硫化水素を同化している硫黄細菌の皮膜が撮影できている。
 いつもと同じ、距離の方は、安心して見ていられる。どちらかというと、接近しているほうが、バクテリアマットが多いようだ。位置の差はさほどないはずだから、視点の違いで、印象がちがってしまう。
 山本さんは、8月よりも、バクテリアマットが発達していると言っていたが、バクテリアマットが濃いのは、覆砂が行われていないか、薄い、磯場から20mほどの範囲であり、Cライン100mの60ー70mあたりから先は、覆砂の砂粒が表面にでている範囲が多い。
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 総じて、覆砂プロジェクトは成功したと見ている。
 残念なのは、覆砂前のこの部分でライン調査をしたことがなく、いちどだけ、ラインはひかなかったが、この位置を2018年に撮影した動画がある。それと比較すれば、大きなちがいがわかる。
 そして、覆砂が行われてからの推移は、撮影しているが、ヘドロが表面に出てきている部分もあるが、おおむね、安定している。


③設置カメラ
山本徹さんが設置してくれたDラインの延長線上、ラインEと呼ぼうとしている。中間点、木材、沈木の手前においたカメラが大成功だった。
 沈木②は、魚礁効果があるのでは、とこれまでも、注目していたのだが、これといった魚をあつめていなかった。
 今回は、ポスターのメインにしたコノシロの群が、沈木丸太の上を何度と無く往来した。
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 小林正昭さんの置いた、Dライン、基点近くの設置カメラにも、この群が写っている、ということは、お台場全体を覆うような、よほどの大群なのだろうか。
 これまでも、この魚群、なんだかわからない大群がいることは、遠目に見ていたのだが、魚種がわかるほど接近できなかった。
 今回も、サッパなのかコノシロなのか迷ったが、多留さんに見てもらって、コノシロとした。
 コノシロは、寿司たねのコハダである。
 江戸時代から、コンスタントに東京湾奥の江戸前に群れていて、比較的安定した漁獲が続いていたと「東京湾の魚類 河野博」に記されていた。本当の江戸前(特産)の魚なのだ。
④尾島雅子
南岸、Aライン(仮想)マハゼの群も撮れているが、ラインが写っていないので、場所はとくていできない。
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       ツバクロエイ

特筆するのは、ツバクロエイ、マゴチ、であるが、マゴチは、もう少し接近してほしかった。
 
その他
 シマイサキの幼魚
 大型のハゼであるウロハゼ
 カニの類はイシガにが、南岸でも北岸でも撮れている。




④三ツ橋
 観察対象としている海草がまだ出てこないので、手持無沙汰だろうと、カメラ、SJ5000 を紹介したのだが、先月水没させてしまった。僕のSJを持って行ってもらった。
 マハゼの群は、とても良かったけど、小林さんのラインが写っている方をポスターに使う。このブログのトップのマハゼは三ツ橋の撮影から取り出したもの。
 大型のヤドカリも撮っている。お台場で初めて見る。図鑑、参考書で調べたが、名前はわからない。多留さんに教えてもらった。「コブヨコバサミ」浦安三番瀬には多く見られるらしい。干潟のヤドカリなのだ。お台場でも、浅い干出するようなところにいるのだろうが、何かのはずみでダイバーの守備範囲にでてきた。
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★成果発表
 9月24日撮影の動画をつないで、8分ほどの動画を作り、まず、ポスターのアレンジをお願いしている風間さんに送った。
 本当に粗い繋ぎなので、後ほど編集しなおすよてい。
 ①小林正昭さんのDライン基点から、マハゼの群、
②Cラインを撮るダイバー。硫化水素の白濁、③Cラインの海底、③沈木設置カメラの映像、マハゼ、コノシロの群、の順で繋いだ。
お台場に潜って行くような臨場感があってわかりやすい映像になった。
 多分、大感謝祭で映写展示できる予定。
 
10月13日には、東京湾大感謝祭に先立つシンポジウムが開催され、そこにポスターが発表できる。風間真理さんにアレンジをお願いして、ポスターも作ることができた。


以下がポスター原稿であり、この原稿を含めたポスターの製作も風間さんにおねがいした。
 重ね重ね、ありがとうございます。


ポスター原稿 
ポスター
【お台場海浜公園2023・江戸前の片鱗をみせてくれた。】


1 沿革
1996年:クリーンアップ活動【港区ふれあい財団・海上保安部】を契機に調査活動を開始し、2011年からは月例になり、218回を数える。2019年からは、覆砂の効果をみるべく、ライン調査を行い、撮像データを東京都港湾局に提出している。ライン水中撮影調査の習熟、新しい設置型カメラの開発使用で現時点での最高レベルの撮影調査ができると自負し、長期間(100年)継続を目指す。


2 2023年の調査結果
お台場水中調査は、メンバーそれぞれが目標を設定して行っているが、ここでは、覆砂の変遷効果を追っている、
2023年は、7月、8月と赤潮で何も見えなかった。9月、ラインC部分に硫化水素の発生があるものの、生き物の力強い跳ね返しで、砂地にはマハゼが群れ、設置カメラに写る中層にはコノシロの大群、クロダイが往来し、ここに写真は示さないが他に、ツバクロエイ、マゴチ、シマイサキ、ハゼの類(チチブなど)多数などを撮った。


【メンバー】


尾島智仁(運営;海洋測定調査 底棲生物)尾島雅子(魚類、スポット撮影)、風呂田利夫(研究指導)多留聖典(研
究指導 底棲生物)山本徹(ライン調査C)小林正昭(ライン調査D)清水義昭、三ツ橋知沙(海草 科学未来館)山田
康和:臼島多美子(底棲生物)依田浩太郞(バクテリアマット 東大大学院)杉原奈央子(貝類 バクテリヤマット 海生
研)小林和貴 深谷真央 東京海洋大学潜水部(撮影訓練)須賀次郎(責任者 日本水中科学協会代表理事)




まとまりのないblogになってしまったが、自分にとって、blog=自分のログ、記録なので、



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