高根 心配していたように流れがあり、それも、これまで経験した一番はやいながれだった。5キロの潜降索で沈めるとおもったのだが、とんでもない。
飛び込んだとたんに流され、88歳、心不全の衰えた筋肉ではさかのぼれない。事前に荒川さんが着けてくれていたガイドロープで、設置されている潜降索にたどりついた。ここで、一休みして心臓の鼓動を確認する。少しでも苦しかったら、ギブアップしようかと思ったが、大丈夫。
最近、スチールのタンクを背負っていない。3mmのウエットだから、ウエイトは2キロで良いと思った。軽かった。BC.の空気をぜんぶ抜いても、吹き流し状態で、腰が定まらない。マスクマウントだから両手が使える。がんばった。コブダイ超接近して荒川さんがサザエの殻を砕いて、ヤドカリを餌にしているカット、マスクマウントで15cmまで寄った。大迫力だとおもった。それに、流れの強い感じもとれている。
9月15日に、海洋大潜水部とマスクマウントのワークショップをやる。その教材になる。
ところが、
カメラが、まわっていなかったのだ。確認したつもりになっていたのだが、やはり、パニックに近くなっていた。カメラは、壊れていない。確認不十分だ。 がっくり肩を落とした。
生存でいっぱいいっぱいだったのだ。いつも注意してはいるのに、ラストダイブに近いダイビングで失敗するとは!!
撮影というのは一期一会、やりなおしはできない。