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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0407 日本の海洋動物 畑正憲さん

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畑正憲さんが亡くなった。昭和10年生まれだから、僕と同い年だ。    写真は。日本の海洋動物 から。ウミカラマツ
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 本棚に「日本の海洋動物」というグラフィックな、写真集と言っても良い立派な本がある。昭和44年 1969年の発刊だ。ラーメンが40円だった時の4500円だから、今ならば、45000円だ。1969年当時の伊豆海洋公園のすべてがここにある。

 そして、その伊豆海洋公園が、僕らのまっとうな活動の基地だった。あとは水中銃で魚を追い回していた。もちろん、海洋公園のめぼしい魚は突き獲られ、1967年の日本潜水会の結成合宿、これも伊豆海洋公園で行われたのだが、その時に、水中銃は捨て、カメラに持ち替えようと決議した、その後の1969年の出版だから、益田さんのその後の活動の原点であるとともに、僕らの原点でもある本だ。
 それが、益田一さんと畑正憲さん共著になっている。畑正憲さんが文章を書いている。
 良い文章だとおもった。2016年4月にその一端をブログに書いた。そのことを、トタミンこと、藤堂喜民さんがかいてくれた。すごい記憶力だ。僕自身は忘れていたのに。
 その時のブログから、畑さんの文章、窒素酔いについて書いたものだ。最近、僕も窒素酔いジャンキーのことを書いたが。


「「水深70メートル
 神秘的なざわめきが聞こえてくる。初めてもぐったときは耳を疑った。思わずあたりを見まわした。潮騒のように密林の奥でなるドラムのように、ざわめきの中にトントンと皮を打つ音が響いてくる。わたしたちはこれを、70mの音楽とよんでいる。 音楽は深くなるにつてて変わる。血管を流れる血液の音に心臓の鼓動が交じるのだ。音楽の旋律によって私たちは深さを知る。 90メートルの音楽が聞こえ始めると、本格的な窒素酔が始まった。けだるくものうい。四肢から力が抜けていった。中略 1m上に上がっただけで、意識が清明に澄んでくるのだ。」
 「日本の海洋動物」の一端をしょうかいしよう。 カラーの印刷は、今と大きな差があるが。それでも、これが益田一さんの写真の原点であり、益田さんの弟子筋のカメラマンたちの原点でもある。
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 オキノスジエビ、水深50m線の、海洋公園あたりに夏の季節、大群をつくる。
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    畑さんの文章の部分にインサートされているモノクロの写真、好きな写真が何枚かある。僕らの年代の写真の原点かもしれない。これは、①の根と②の根の中間あたり、水深50mくらいだろう。モデルは友竹だとおもう。僕らは主にモノクロで撮影していた。   
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 これも好きな写真、12リットルのダブルを背負って、荒波にとびこむ。心意気だ。
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  ナヌカザメはダイバーをおそってくる。
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   それをやっつけた。今ではこんなシーンも顰蹙ものだけど。
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  当時の伊豆海洋公園。
  
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  その海底図、 この図から一番の根、二番の根という呼び名が使われるようになった。②の根の周辺あたり、50m付近が、僕らの活動の場だった
 そんなことを、畑さんの死亡ニュースから、思い起こした。 なお、畑さんとは、彼が北海道に行き、ムツゴロウになってから、幾度かテレビの企画があったが、海にはほとんど縁がなく、お目にかかったことはない。羽田さんが後藤道夫のところに出入りしていたころ、麻雀が強くて、巻き上げられた。  なお、アマゾンで調べたが、この本は出て居なかった。 

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