「最新水中撮影調査技法」という本を書いている。自分が書こうと思っていた部分はほとんど出来上がっているのだが、気に入らない。
原稿はできていても、写真を多く使いたい、その写真が選べていない。早くしないと、命が尽きてしまう。命はあっても、知的な作業が出来なくなる恐れもある。急がなくては。
急ぐのだが、まず、序言の「はじめに」の部分が気に入らない。加齢のために表現がくどい。
何とか、形にした。
今後、下書き的に、部分的にだが、ブログに出して行く。写真を選ぶために、だ。そして、もしも途中で自分が消えたとしても残して置くものとして、の意味もある。
ダイビングの歴史の一角のグラフィティもブログにだしている書き進めているが、これもなんとかしなくては、 とか、言い訳じみたことを書いている。それが、いけないのだ。
はじめに
スクーバの目的は①レクリェーション・スポーツ、②海を調べる・リサーチ・ダイビングである。
①のレクリェーションについては、各指導団体のマニュアルをはじめとして、多数出版されている。②のリサーチ・ダイビングについて、日本では出版の例をほとんど見ない。
1958年、東京水産大学在学中のサザエの生態調査以来、2021年の水中の魚の鳴音調査に至る60余年の経験に新しい手法を重ね合わせて、リサーチ・ダイビングの参考書を作製しようとした。
海に潜った人間は、レクリェーションもリサーチ・ダイビングも、生きて、基点、基地に生還しなければならない。事故の怖れ、のために、日本の多くの大学、研究機関でダイビングによる研究活動が回避されている。この本は調査した資料を持って、生還することをを第一の目標にしている。
筆者の60余年の体験の中で、「安全潜水」という言葉に抵抗があった。「安全」とは、安全であるという意味ではなく、安全を願い、安全な行動をすることを意味するのだが、「生還」の方が適切にあてはまる。が、「安全潜水」は言葉になるが、「生還潜水」では、言葉にならない。なお、筆者の60余年のダイビングは、決して安全なものではなく、危機一髪、ヒヤリハットの連続だった。それは、性格の欠陥に原因があったかもしれないが、多くの人には、同様の欠陥がある。人間の本質かもしれない。生き残っているのは、常に「生還」を念頭に置いていたから、であった。ダイビングが安全であると思ったことは、一人前のダイバーになって以来、一度も無い。スクーバを使った時、、一回一回の潜水が、常に生還であった。生還の喜びが、ダイビングの喜びであったかも知れない。
読者・ダイバーの皆様が、常に生還されることを願って、また、ダイビングをされない多くの方に、海、とは?、ダイビングとは、こういうものかと知っていただける、ことを願って、
★★★★★
最新水中撮影調査技法 はじめに
本書は、ダイバー全般すなわち、ダイビングを楽しむ人、学生、研究者、ダイビングを業としているプロ、に向けて水中撮影調査の技法について、第一部は自分の60年余の経験に、最新の情報、最新の実施テストの結果を加えて書いた。第二部、ダイビングそのものの技法については、一緒に日本水中科学協会を運営している久保彰良が書いた。これは、プライマリープログラムと名付けられており、Cカードを持ち、潜水士資格を持つ人が、安全に調査活動を効率的に行うことができる技法について教示するプログラムである。
陸棲の動物である人間・ダイバーは、潜水すれば、生きて陸上に戻ってくることが大前提であるから、ダイビングの安全について、かなりのページを割いている。本書はダイビングの安全な運用のテキストでもある。なお、ここで述べる安全はリサーチダイビングのみでなく、遊びのダイビングでも共通である
また、リサーチ・ダイビングも、レクリェーションの一環として楽しんでもらえればと願うものである。漫然と目標もなく、潜っているより、目標があるほうが楽しいし、安全度が高い。
そして、特に今、多くの大学の研究室が、スクーバダイビングが危険であることから、ダイビングによるフィールドワークから遠ざかってしまっている。研究のための調査であるからこそ、危険を避ける計画が立てやすい。目標、計画の希薄な遊びよりも安全にダイビングができるのだ、という方策を示したいとねがった。
なお、ここでとりあげている水中調査は、人間、ダイバーが潜水して行う有人調査であるが無人走行する水中ドローンも、ダイバーの使う道具として、扱っている。
★ 二つだしたが、一番目の方を使おうと思っている。二番目もわるくはないけど。