人類、現生人類は、およそ3万年前に日本、与那国を含む日本に到着した。日本には原人、旧人、の居た証拠はない。
それら現生人類は、石器を使ってはいたが、狩猟と採集で命をつないでいて、餌が採れなければ、死ぬか場所を移動して新たな餌を探すほか無い。海に囲まれた日本では、餌を海辺に、浅い海の中に求めたであろうことは、容易に想像できる。日本は山の国、森の国でもあるから、山での狩猟採集に頼った山の民もいる。
縄文土器を使うようになった縄文時代は、およそ1万3千年前から紀元前5世紀頃までと言われている。紀元前5世紀と聞くと、紀元前5千年と錯覚してしまうが、紀元前500年なのだ。縄文時代の終わりから、タイムスケールが、世紀、100年刻みになる。
縄文時代は現在の歴史時代よりも、6倍以上長い。
約1万年前に氷河時代と呼ばれる更新世がおわって、温暖化が進み縄文時代は暑い。
僕のホームグラウンドである館山の館山城の麓の小川に天然記念物の造礁珊瑚礁の化石がある。ちょろちょろ流れる小川の底をよく眺めると珊瑚礁がある。これは、約7千年前と言われていて、つまり、縄文時代のまっただ中には、館山は石垣島で、人はどんどん潜って、貝を食べ、ウニを食べ貝塚を作った。
縄文時代の最大の集落遺跡、三内丸山遺跡は、青森県だが、多分、ウエットスーツ無しでも縄文人は快適に潜れた水温、多分、四国、沖の島あたりだったのだろう。
縄文時代はまだ文字は無く、勉強はない。国もない。スキンダイビングが、メインの仕事で、平均年齢は30歳だから、若者の国だ。
と、これはもう、日本、縄文、アクア説になってしまうが、
生きるための苦労はあったろうし、病気は治らなければ死であり、危険、冒険の毎日だったろうが、一つの楽園だったのだと想像する。
三内丸山は、人口500人規模で1500年続いたという。同じように、規模は様々だったろうが、日本全国で、ダイビング、潜水漁労を生活の柱にしていた人々の生活が、1000年単位で続いていたのだろう。
紀元前5世紀以降、中国大陸や朝鮮半島からたくさんの人が渡来した。彼らが稲作と金属器を持ち込む。史上最大といえる革命である。これにより、縄文時代は終わり、弥生時代になり、国がうまれる。
僕は、歴史フアンなのだけど、歴史フアンは、だいたい誰でも、ジオラマが好きだ。そのジェオラマに弥生時代、2000年前の琉球のムラで、珊瑚礁に人が潜っている姿が作られている。千葉県佐倉にある国立歴史民族博物館が出した、「模型でみる歴史のドラマ・ジェオラマのできるまで、」メイキングジオラマで琉球での潜る人の姿が紹介されている。
丸木舟から、腰に縄を着け潜っている。もちろん、水眼鏡は無く、素眼だが、水眼鏡ができる前のうみんちゅーの姿と変わらないだろう。
実は、この本、このメイキングジオラマ絵本が、ダイビングの歴史を先史時代に遡らせた。もちろん、佐倉の国立歴史民族博物館にこれを見に行った。残念なことに、展示は常設ではなくて、企画展示であってみることができなかった。
この絵本の絵を、ここに引用することは、著作権のためにできないだろう。単行本にするときには、出版社に頼んで、博物館に交渉してもらおう。
文のコピーは
琉球のムラ
「琉球では、およそ弥生時代から平安時代までを貝塚時代後期といいます。九州や本州の弥生社会は稲作を中心とした農耕社会に移り変わっていましたが、琉球列島では米をつくていませんでした。理由の一つは、豊かなサンゴ礁の自然にめぐみにあったと思われます。」
貝の道
「およそ2000年前の6月のよく晴れたひるさがり、琉球列島のある島のムラに、九州方面から米、麦、豆、鉄の斧、鋼の矢じり、布などをもった人々が丸木舟にのってやってきました。ムラの長老は、さっそく彼らとゴホウラなどの貝との交換の交渉をはじめます。」
今の自分たちが、モーターボートで沖縄に行くのは容易ではない。弥生時代、九州方面から、丸木舟で、そんなに簡単には琉球にこられないだろう。大航海である。しかし、交易があったことは確かである。
このジェオラマは、琉球の島と、北海道の島が対になっていて、北海道は鮭を採って、干している。
国立歴史民族博物館のジェオラマは平和であり、この時代に生きても良いなと思わせられたりするが、農耕によって富が生まれ、貧富の差ができて、権力者が争いをはじめる。日本についての中国の最古の記録は「漢書」で、紀元前1世紀「日本は百国ほどに分かれ、中には漢に朝貢してくる国もある」と記されている。
二世紀に書かれた魏史倭人伝によれば、この大乱が卑弥呼が女王になることによって、ようやく収まり、邪馬台国が生まれる。この間300年これまで平和に暮らしていたのに、国とも言えない、小さな国が殺し合う、戦国時代があったわけだ。
その魏史倭人伝に、日本人は、入れ墨をしていて、よく潜る、つまり、良いダイバーだとある。と書かれている。
※ このあたり先史時代の概略について「一冊で読む、図説 日本の歴史 河合敦 成美文庫」「世界一おもしろい日本史の授業 伊藤賀一 中経文庫」も参考にした。高校の先生、予備校の先生が書いたもので、簡潔でよくわかり、読みやすい。