5月31日
参加メンバー
尾島智仁 尾島雅子 多留 須賀 山本徹 小林正昭 小林和貴 米山 三ツ橋 杉本 清水義明
水温21度
港湾局の福島さんが新任の挨拶に来られるというので、1030まで、待ち、挨拶してからエントリーした。
go-pro7をメインに、アペックスをマスクにつけた。
港湾局への報告は、映像のファイル毎の説明にしたので、ここでも、それを使う。
ファイル 1
出発する砂浜から岸に沿って、ラインCの基点に至る磯場で、水深1m前後である。
透視度は50ー60cmで、悪くないが、スノーケリングで、棒の先だけで撮るには足りない。
砂地でマハゼの2cmサイズが、ツンツンと散るのが見えていたので、スクーバで沈んで、じっくり見て行くことにした。
転石は、干潮時には、干出してしまい、水深1m付近は、転石の散在になる。前回、4月25日 には、アゴハゼ、チチブの2cmー3cmサイズの稚魚は多数見たが、マハゼは見られなかった。透視度が最悪だったためもあり、見えにくい小さいサイズのマハゼは見えないこともあるが。
今回、5月30日には、目視、撮影できるサイズ、のマハゼが、多数見られる。例年より一ヶ月遅れである。
このゾーン、少し深い水深、1,5から2mは、真牡蠣の生育帯が広がっている。冬季、2月、3月は、ほとんど全部死滅しており、生きている個体を見つけることができなかった。例年は、冬季は牡蠣の元気が良い時期なので、どうしたことか、と疑問に思っていた。牡蠣の死滅の理由を、多留さんに訊いた。無酸素だと言うが、冬季は無酸素にはならないから納得出来ない。4月には生きている個体を1個体だけ見つけた。
今回5月は、生きて、生育している個体が散在といえるレベルに見られた。
ファイル2
ラインCは、基点(浮き輪のかかった棒杭)から、中心に向かって、100mを月例で撮影しているのであるが、基点から40mあたりまでは覆砂を行わなかったので、ヘドロが表面にでている。
このヘドロ部分の硫化水素の発生が、どのようであるかが、注視点である。私たちは、硫化水素を測定する手段を持たないため、硫化水素が存在すると思われる区域に発生する硫黄細菌が作る白い膜のようなものの消長を見ている。
ヘドロの表面は、点々と30cmー50cm程度の円形に硫黄細菌の膜が見られる。
自分は、このヘドロ域、40mまで見て、そこから先、覆砂が露出している50ー100m域は山本さん、小林正昭さんに任せて、39m点で引き返した。
この40mの辺りでは、硫黄細菌の被度は高いようだが、岸近くでは、覆砂が行われる以前よりは少ないように見える。
ラインの40m地点から先は、小林正昭・山本徹の撮影に任せて、引き返した。
山本さんには、ラインをトレースするような撮影を依頼し、小林正昭には、ライン周辺の状況硫黄細菌の膜などを撮影するようにお願いしていた。
後からもらった映像をみる。
※ギガファイル便で送ってもらったのだが、サイズが大きくて、ダウンロードに4時間から8時間かかってまいった。
山本ファイル
ライン上の海底の状況が定量的にわかる。
気になるのは、これまで、70m地点から先は砂粒の露呈がはっきり見られたが、全面的にヘドロが覆っているように見えたことで、これは次回、6月の調査で確認したい。
小林正昭ファイル
カメラの設定に問題があったらしく、手ぶれの補正が効いていないが、スピオが密生している状態などよくわかる。特に90m地点から100mにかけて、マハゼが多かったこと、2ー3尾の散在だが、1尾見えれば、50は居るという、経験的公式もある。
撮影出来たことは収穫だった。これまでは、この辺りから先、お台場の中心部は、夏期は、硫化水素と無酸素で、無生物だろうと想像していた。覆砂以前の撮影データがないので、覆砂の効果だと早急に言うことは出来ないが、中心部で、周辺部の磯場砂地と同様な魚の撮影ができたことは、まちがいない。
ファイル3
40mから引き返して、岸に沿って、お台場の石壁に向かう。
途中、ランドマークの榎大木の辺りでマハゼの集まるところがあるので、確認し、半水面撮影をした。
このゾーンも牡蠣の生育帯があり、生きている牡蠣が、見られる。まだ、数は少ないが。
ファイル4 杭の列に到着
お台場に近く、おそらくは、桟橋の杭であったのだろう、杭の列があり、ここを調査の終点、引き返し地点にしている。この杭の跡が魚礁効果があり、魚を集めている。例年はメバルの稚魚が群れているのだが、最近は、ハゼの類以外は見られていない。杭の前庭とも言える砂地にはマハゼが集まっていた。
細い、浮遊性のニクハゼの群が二カ所でみられた。
杭列の杭の下に、イシガニを期待したのだが見えなかった。
イシガニは、小林和貴君らが、ラインの基点あたりで一尾、捕獲している。