第一部
これは、自分にもほとんどの内容が理解できた。オンラインで、画面を見てレシーバーで聞いているから理解ができた。これまでのような会場での講演では、耳が聞こえない自分には理解できなかったと思う。
魚=佐藤君 海藻=三ツ橋さん、貝類=杉原さん バイオ生物化学=町田君 良いバランスだったと思う。司会の中尾先生も楽しんでおられたようだ。
海藻の三ツ橋は、僕の撮影したテープを使ってくれた。本当は、もう一台カメラを置いて、僕と三ツ橋の姿を横から撮ると良いのだが、今の自分のフィジカルでは無理。でも、横に小林君が僕のサポートでいたのだから、彼に撮影を頼めばよかった。
全員、発表は上手だし、良かったが、杉原さんの現在の研究、「貝殻の成長速度と、成長の形で、その貝の生息している場所の酸素濃度とかが推定できる。」それは、僕が大学時代、卒論でサザエの棘と、成長速度でその場の環境条件を推測しようとした研究とコンセプトが同じだ。
町田君は、親しく一緒に潜っているのに、彼がどんな研究をしているのか、してきたのか正規にはしらなかった。一緒に潜っている研究者の研究報告をわかりやすいように発表をしてくれる、発表の場を作るということは、とても大事だと思う。
僕も生態学者の端くれだったけど、僕らの時代の研究はアナログ、文学系で、今の研究は、バリバリの数値的科学で、文科的に説明してもらわないとわからない。
期待していた、深海潜水艇パイロットの途を選択した岩田君は、23日に祖父が亡くなられたとかで、発表できなかった。すでにリハーサルでの録画とかがあるので、それを元に構成という話もあったが、やはり、無理にお願いはできないし、落ち着いて来期にというところから、来期のシンポジウムの計画がはじまる。
岩田君の発表、ワークショップにという考えもあるが、僕としては来年は、海洋大学潜水部OBコーナーとしたい。海洋高校教育の先進 小坂君の教育論、そして岩田君の深海潜水艇パイロットとしてさらにキャリアアップした姿、東大の大気海洋研究所の大学院博士コースに進んだ依田君の硫黄細菌の話とか。
また、来年度は、慶良間の井上慎也君(日本水中科学協会理事)の水中写真家としてのコーナーを作りたい。最近、写真集が出ていないので、心配している。
第二部は、テレビのキャスター級の潮美の司会なのだが、北海道、亜寒帯ラボの工藤君の発表、ウチダザリガニの映像、リハーサルで見てとてもよかったのに、本番でカクカクしてしまった。
僕の発表もリハーサルではよかったのに、カクカクしてしまった。僕の発表だが、リサーチ・ダイビングと生涯スポーツを連結させて目標とする、生きるために潜るとか、理屈っぽかった。が、良かったという感想もあるので、まあいいだろう。
山本さんのお台場もわかりやすかったし、僕が撮影した水中すらスターのCM的映像は、カクカクせずスムースだった。増井さんの小笠原と西表の映像と、コロナに対する離島の対策も、わかりやすく、映像も良かった。海洋大学潜水部OB会副会長の衣川さんの海洋プラスチックゴミ調査、斎藤真由美の、これは恒例の御蔵島の海豚、奄美大島ではコバンザメ、これも映像はスムースだった。 小俣さんのイングリッシュスピーカーのクラブ、鶴町は、波佐間海中公園支援のクラウドファウンディング、市川雅紀さんのシニアダイビングクラブ、今更だが、日本水中科学協会のメンバーがダイビングのあらゆる分野をしめている。
第三部 学生の部活 学習院大学、芝浦工業大学の潜水部、は大学潜水部部活の王道を維持している。残念なのは、中央大学に出てもらえなかったこと、これはコロナで活動が不満足だったので遠慮されたのだが、もう一押し、無理にでも出てもらった方が良かったかもしれない。僕は中央のOB会の名誉顧問になっている。来年は必ず。
東大探検部は、昨年、一緒に潜水した波佐間の調査で、撮影して映像を見せてくれるよう、頼んだが、新しい執行部が話すということで、人工魚礁は、なし。それはそれとして、きっちりした報告をしてくれた。大学部活は、次の走者にバトンをタッチして、繋いでいく、その短い時間では、ダイビングを習得するというだけでとどまるが、時折、その先を目指せる代、がある。今度の代がそれであることを願うが、そうでなかったとしても、仕方がないことなのだ。その先を目指して、学業をドロップアウトしてしまった例もある。
海洋大学は、練習する場がなくて苦難の年だった。1月になってから、辰巳のプールに来てもらって、練習したが、その辰巳プールも3月で終了、来年、4月以降の新入部員は練習する場がない。
さて、法政アクアのOB樋口君が、学連復活を目指して努力している。法政アクアそのものは、樋口君らの努力で、維持向上できるだろう。しかし、学連となると、あり方を根本的に変えないと、現状維持が精いっぱいだろう。何とかして後押ししたい。
しかし、各大学とも、新入生を勧誘、受け入れて、なんとか自分たちだけで、バディシステム厳守で安全にダイビングできるまで教えるので精一杯だろう。その上で、学連の執行、運営をする委員をだして、学連の活動をサポートするのはむずかしい。先に述べたように、ある代は、学連に熱心だったとして、次の代は、どうなるかわからない。その代の方針で、離脱してしまえば、元にもどらない。
自分らが、力をいれ育て上げた、フリッパー競泳は、生涯スポーツとして、成功しているが、学生の活動としては、高校生が盛んになるのに反比例して大学生に関しては求心力を失っている。
それに代わるものとして、リサーチ・ダイビングを提案したが、初心者を育てるそれ以外のことをさせるのは無理だろう。しかし、学生が、カメラを手にするようなことがあるならば、ライン調査が学生部活の目標となり得るだろう。目指す努力目標として提案する。
法政アクア出身の潮美がこのシンポジウムのまとめをしてくれるならば、日本水中科学協会の当初からの目標の一つ、学生のダイビング部活の支援を、僕よりはうまくやってくれるだろう。
最後の締めを、白井常雄さんの言葉で締めくくったが、さすがのスピーチだった。
続く