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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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1103 ダイビングの歴史 1.

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ダイビングの歴史、来年刊行を予定して、原稿を書き始めました。ブログを書いている時間がないので、ブログに下書きを載せて行きます。刊行できなかったとしても、原稿はバトンとしてのこるので。(先ごろそのことは書きましたが)そのブログ、 ダイビングの歴史 なので、僕が大学3年時 1958年に読んだダイビングのテキスト、ボロボロになってしまった表紙を カバーフォトにします。
A manual for free-divers using compressed air デビット・オウエン 著  ウズホール研究所のチーフインストラクターで 1958年が3版です。全面マスクのスクーバ、ハイドロパックが表紙写真で、全60Pの小さな本でその頃のスクーバダイビングのすべての知識がのせられています。減圧表は、1943年版の米国海軍のテーブルが載っています。1943年というと、第二次世界大戦中、クストーがアクアラングのプロトタイプを作った年です。この減圧表で僕らは潜りました。例えば100フィートに25分の潜水では無減圧、100フィートに40分潜ると、10フィートで12分減圧停止します。それで、97%は、減圧症に罹患しない。3%のダイバーは、罹患するかもしれないが、軽度(関節が痛くなる程度)でフカシで治ると教えられました。この3%というのは、生物学的に許容される誤差ということでした。
 ウズホールや、スクリプスの研究者はそれで潜ったのですね。繰り返しのテーブルは無くて、2回目は、潜水時間を2倍にして表を引きます。3回の潜水は3倍?そんなことは書いておありません。潜水は基本的に一日に一回です。アクアラングが生まれた年の減圧表ですから、スクーバダイビングは、主たる目標ではありません。送気式、ヘルメット式の減圧表でしょう。






ダイビングの歴史


目次 章立て一次案


Ⅰ 慨論 はじめに
Ⅱ 年表 
Ⅲ マスク式潜水機の発展 
Ⅳ 日本国籍指導団体盛衰記 
Ⅴ 沿岸漁業(共同漁業権漁業)との軋轢史
Ⅵ 海洋開発記
Ⅶ 水中撮影小史


コラム ① ヘルメット式 ②伏竜特攻隊 ③フィーノ④高圧則 概要は 年表部分に書き込むが、感慨をコラムにする。
 
 総論
 
§1 はじめに
 2020年11月現在 「ダイビングの歴史」「リサーチ・ダイビング」二冊の本の制作を進めている。どちらも、死ぬまで、書けなくなる前に出版したい。二冊同時進行で進めることにした。
 ダイビングの歴史が先行していたのだが、日本水中科学協会で発表したいとなると、歴史は須賀の個人的な出版になる。日本水中科学協会はメンバー、力を合わせてとなるので、リサーチ・ダイビングを先行させたいとした。しかし、それでは、ダイビングの歴史を書く時間が足りなくなる可能性もある。同時進行させることにした。
 ダイビングの歴史についてだが、歴史も多くの人が執筆、力をあわせる、できるだけ客観性の高いものにするものだと思っていた。おなじような「潜水の歴史」社会スポーツセンター刊行は、そのようなものだった。自分も執筆者の一人ではあったが、納得のできるものではなかった。そこでは、執筆者全員が自分の考えが言えないで、編集者の最大公約数的意見だけが、存在する。
 歴史というもの、事実は事実として存在するのだが、そのことを書く歴史書は、個人的な考え方だ。これまでは、山川書店の高校の教科書のような歴史書を考えていた。考えを変えたのは、最近のベストセラーになったサピエンス全史だった。これは、史実に基づいてはいるのだろうが、ファンタジーとも言える。そのあたりが人気を博したのだろう。
 ※上巻は読了したが、下巻はぼちぼち、
 ファンタジーを書くつもりも才能もないが、自分の視座、視点から自分の考え、見たもの知り得たことを書くから、個人的な創作でもある。ただし、客観的な正確さも、できるだけ期したいから、参考にした著作、雑誌、印刷された資料での裏付けはできるだけとって、その場所に併記した。巻末に参考資料として併記もするが、これだけでは、どの部分の参考にしたか、わからない。
 筆者は、歴史の専門家ではないが、基本教養の一つが歴史であると思っていて、そして、現実に潜水するダイバーであって、歴史の研究者であると思っている、数少ないうちの一人であり、そして、日本に高圧空気を使用する開放式自給器潜水機、いわゆるアクアラング(商品名)が紹介された1953年の、次の次の年、1955年に、東京水産大学に入学し潜水を志して以来2020年の今日まで、現役(潜っているという意味、お金もある程度稼いでいるから、プロ?)ダイバーとして、潜水界で生きて来ている。
 以下に述べて行くのは、上記のキャリアである須賀次郎の視点から眺めた潜水の歴史である。
 なお、共著者として、山田稔氏を想定して、年表、コラムなど、相談していたが、こちらの想がまとまらず、時が過ぎてしまい、現時点(2020:20月)で連絡がとれていない。


§2 ダイビング・潜水とは?
 ダイビングと呼んだ場合、飛び込み競技もダイビングと呼ばれるので、飛び込みに名前を譲って、別の用語を考えたら、と言われたこともある。しかし、英文ではDiving であり、和英辞典で潜水を引いても、Diving しか出てこない。そして、ダイビングに関連する用語は、英文の呼称が、和製英語のように、一般に使う用語として定着している。たとえば、スクーバは、自給気式潜水機であるが、日本語としても、一般の呼称はスクーバである。英文が主であり、日本語が従である。
 そこで、タイトルを潜水としようか、ダイビングにしようか迷ったが、既に「潜水の歴史」というタイトルの本もあるし、この本の中核とも言える部分がスクーバダイビングにかかわるものであることから、「ダイビングの歴史」とした。
 
 さらに、ダイビングと潜水について
 潜水業界というと、プロの職業潜水の世界を想定するが、ダイビング業界というと、レクリェーションダイビングの世界をイメージする。
 本文でも、潜水とダイビングが混在するが、職業として、主として送気式潜水機を扱う場面では潜水を使い、スクーバではダイビングを使った。しかし、この区別は、明確なものではなく、イメージ的な区別である。つまり、その時々の流れによるものである。


 §3 ダイビングの分類
 ※それぞれについて歴史を見ていく。年表部分との対比を工夫する。
 1,機材、道具からみての分類
 ①息こらえ
 水中で呼吸しない、息をこらえて、潜る。すなわち呼吸器を使用しない。最古の歴史があり、泳ぐ潜水機の基本であり、現在でも素潜り漁は広く行われており、スポーツとしては、スキンダイビングからフリーダイビングへ、盛んに行われていて、フィンを使って泳ぐ潜水の基本である。
 ダイビングの歴史の柱の一つでもある。
 ②送気式潜水
 船上もしくは岸から空気をホースで送る方式で、水中で呼吸する、まず実用になった潜水機としてのはじまりであった。
 ③自給気式潜水(スクーバ)
 呼吸する空気を(やがては、混合ガス)自分で持って行く方式で、水面との繋がりを完全に絶つことができる。試みは古くから、送気式と平行していたが、実用になったのは第二次大戦での軍事行動からである。
 ④送気式、自給気の併用型
 二つの方式を併用することで、フュエルセーフ、どちらかがダメになっても生命を保つことができる。どちらかと言えば、送気式が主であり、緊急のために自給気を用意している。現在の業務潜水の主流であり、実用化された歴史は一番新しい。
 ⑤大気圧潜水機
 常圧(大気圧)のカプセルの中に人間が入っている方式で、一人用の潜水艇と見ることもできる。
 ⑥SDC 潜水している水中の水圧(環境圧)のカプセルであり、ダイバーが水中へ出入りする事ができる。ハッチを閉めれば耐圧容器になるので、船上で減圧することができる。


 潜水の進化の方向はハイブリッドであり、用途、実用に合わせて、組み合わせてシステムを作っていく方向である。


 機材分類のスタンダードの例として高圧則の試験テキストである潜水士テキストに示されている例をあげる。


 潜水士テキスト 平成28年 10月31日 第6版 第1刷 より引用する。


 ③潜水機の分類
 自給気式潜水機(スクーバ)
  ・開放式スクーバ(デマンド式)
  ・閉鎖循環式スクーバ
   (リブリーザ 閉鎖回路型 半閉鎖型)
 送気式潜水機 
  ・定量送気式潜水機
   ヘルメット(兜式)潜水機
  ・デマンド式潜水機
   全面マスク式
   バンドマスク
   ヘルメットタイプ
 (送気式の兜とは違うもので、全面マスク式の変形ともいえる。樹脂製が多い)


 ※なお、潜水士テキストで2014年の規則改正による、この版から、これまで軽便マスク式と呼ばれていた定量送気式潜水機の内に分類されるべき、マスク式が削除された。
 これは、間違いである。まだまだ使われていて、将来もあるのに、分類から外してしまった。
 デマンドバルブを付けない、フリーフロー型のマスクは呼吸抵抗が全くないこと、浅い水深では簡略なコンプレッサーで送気量がまかなえること、故障が(ホースの切断などは別として)皆無であることなどから、漁業用としての用途は多く、まだ使われている。
 工事などでもライトウエイト(軽便)マスクの用途は、今後もあると思わる。米国ではジャックブラウンマスクとしてまだ残っている。
 日本では去年、沖縄の杉浦さんが、旭面として、アサリ式(旭式)の復刻を売り出した。主に、沖縄のモズク漁でつかうためである。他にも、伊豆での追い込み網漁に使われているし、今後も新たな需要がでる可能性もある。自分に将来がある若さがあれば、自分で新しいデザインでつくりたいくらいのものである。


 2,運用の分類
 ダイビングの歴史は、機材、道具をどのように使って、何を成し遂げて来たかの歴史である。すなわち、運用の歴史といえる。


 潜水活動 水中活動の 分類
 現時点で発表されている運用分類の例として
 前記した高気圧作業安全衛生規則 潜水士テキストにある分類定義がある。 


 これは、高気圧作業安全衛生規則で潜水業務とみなされる活動一覧である。
 なお、業務とは継続して行われる有償の行為を言う。


 レジャー潜水
 指導したり、世話をして報酬を得ているインストラクターとか、ガイドダイバーが業務と見なされる。お客は、当然だが業務ではない。


 作業潜水
  水中工事 水中土木作業
  サルベージ潜水
  水中調査潜水
 捜査 救難潜水
  警察 消防などによる潜水
 軍事潜水 
  海上自衛隊などによる潜水
 水産・漁業潜水
  器械潜水漁業(タイラギ漁 追い込み網漁など)
  素潜り潜水漁業 (これは高圧則の業務にははいらない。)


 ※スクーバダイビングで、レジャーダイビングとともに、主要である 撮影、科学研究を水中調査潜水に入れてしまうことに疑問がある。業務となれば、労働法規に縛られる。例えば労災保険に加入しなければならないのだが、ダイビングを業務とする会社に勤務しないと、現状では労災に入る方法がない。


 ※いろいろ不満があるが、自説で分類を幾つもつくってしまうことは、褒められることではないので、高圧則の分類をここでは採用したい。


 ※ 潜水士テキストは改版される可能性が高いものではあるが、大綱は、それほどの変化はないものと考える。なによりも、高気圧作業安全衛生規則は国が定めている規則である。残念なことに、テキストの制作者はこのテキストが規則に準ずるものであるという意識に乏しいようにおもわれる。これこそ、個人的な考え、意見は排して、どれほど時間がかかっても、各方面の実務者を集めて、委員会を作り、最大公約数をもとめるべきである。
 前出の、軽便マスク式を排除してしまったことなどが、その例である。
 ※この部分の議論をしっかりやっていれば、2006年の東大の研究員の事故で、潜水士の資格を持っていなかったことが有罪となったり、その後の議論で、レジャーダイビングと研究員のダイビングが線引き不明になることもなかったろう。
また、前記のような労災保険の問題も解決の途がひらかれる。


※書いているといろいろ思いつくので、※で書いているが、出版原稿からは、編集段階でカットすると思われる事柄が多い。上記議論も歴史とは関わりがないので、カットするだろう。
 

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