このあたりで、ダイビングのログを書いておかないと、いけない。
ダイビングログは、自分の記録(ログ)として書いているので、一般の読者には冗長で、読みづらく、面白くもないとはおもうが、ダイバーだったら、なるほど、と思って読んでくれるかもしれない。お台場、京浜運河という東京の東京港の水中が見える。
まず、この調査の趣意、コンセプトを説明しておきたい。
調査を行うのは、東京港生物研究会で、日本水中科学協会が主催している。
この潜水調査は1993年、東京海上保安部の後援によるクリーンアップ事業から始まっていて、1996年、港区スポーツふれあい文化健康財団が東京ベイ・クリーンアップ大作戦として、現在の調査フィールド部分を潜水による海底清掃を行い、この部分が生き物調査フィールドとして面白く、安全確保も容易にできることから、年に数回、やがては月例で調査が行われるようになり、2019年、12月で175回を数えていた。数年間隔で調査報告書を出しており、2017年の報告書は、高い評価を得ている。しかしながら、これまでの調査は、研究者として加わっていた東邦大学東京湾沿岸生態系リサーチセンターの研究 風呂田さん、多留さん そして、これとは別に、若い研究者の杉原奈央子、三ツ橋知沙等の研究としては、成果を上げていたが、お台場全体についての総合的な調査は行ったことがなく、今回、東京都港湾局の応援を得て、行うのが、初めてのお台場全体についての潜水調査である。そして、この調査はこれまでの月例調査に引き続いて行われる月例調査であり、ここの述べる5月31日が 第176回であり、6月7日が第177回になる。すぐにでも200回になる。
これまで、上記の研究者の研究は、別として、スポーツダイバーの参加者は、個人的な嗜好による写真撮影、おもしろさ楽しさの追求であり、自分(須賀)のこれまで行ってきた仕事が調査であったにもかかわらず、調査のまねごと的ライン調査であり、本格的に取り組んだものではなかった。それでも、年に数回は(真面目に)調査を行っていて、それが、今回以降の調査について、過去のデータとなり、おおいに役立つことにはなった。 ここからは、本格的に調査をおこなうことになる。
長らく調査潜水を業としていた、自分の金科玉条は、ラインである。見たもの(撮影したもの)がどの地点であるか明示できなければ、それは調査としての意味をなさない。どこで、何時というのが基本であり、その何処を表示するのがラインである。
磯根、人工魚礁のように、形で場所がわかるものは良いがお台場のようにただ平坦な海底が続くだけの場所では、ラインが必須になる。
お台場のような環境での調査の場合、ラインのない資料は、記録ではなくて、物語である。
ただし、このブログは調査報告書ではないので、これまで同様、くだけた調子で、東京港の水環境と生き物について語って行こう。物語である。
5月31日のお台場潜水。
そういえば、お台場について説明したことが無かった?したかな、わすれた。説明しておこう。
その覆砂部分がどうなっているかまずラインAを調べた。
6月7日 お台場潜水についてフェイスブックに書いたので、そのまま引っ張ってこよう。
「現在進行形のお台場プロジェクトです。今、東京都港湾局では、お台場の生物環境を劇的に好転させようと、(好転するかどうかは今後の経過ですが)お台場のヘドロ域を覆砂、砂で覆ってしまおうとしています。オリンピックの準備でしたが、オリンピックがどうなるかわからなくなってしまいました。それはそれとして、お台場の水中環境を改善して魚が棲みやすくなることも目的にしています。
お台場の水が、プランクトンの発生で赤く濁る赤潮がでると、汚染だとか汚いとか言いますが、これは毎年、5月末から6月にかけての年中行事です。これから、夏になると、水面の水温が上がり、対流が起こらなくなるので、底の酸素が赤潮のプランクトンに消費しつくされて、無酸素状態になります。無酸素になれば魚たちは逃げて場所を変えるか、行き場がなければ、死滅するほかありません。これも年中行事であり、これを繰り返しますから、お台場の生物相はドラスティックに変化します。
そしてお台場という水域は閉鎖的ではありませんが、海の行き止まり、ミクロコスモスです。僕らはそれについて、興味を持ち、潜水調査を繰り返してきました。僕は26年もです。
ただ、こういうと、興味を持たれる方が、見たい、と言われますが、現状では、今のメンバーでもいっぱいいっぱいで、車も工事中の園内には入れませんし、おいでになっても、やっぱり赤い潮で、視界は20cm、しんどい準備作業を手伝わされた、ということで、愛想尽かしになります。それで、僕らの生態系が保たれている。なので、日本水中科学協会の会員以外はお断りしている。そんな状況です。
肝心の水中撮影ですが、ラインを引いて、被写体との距離 10cm 透視度は20cm-30cmでの撮影、写っているのは、コオニスピオ 環形動物、ゴカイの類の棲管です。
これまで真っ黒なヘドロだった、その上に播かれた砂の上に広がった。コオニスピオは、干潟などでは普通に見られる生物なので、お台場の海底が干潟並みになった。のならば、良いのですが。
環形動物は、本当に面白い、東京湾どこの水中,水底にもいる。お台場のメンバー多留さんはその専門家であり、権威者、専門家なので、。次回のワークショップで講演を依頼しようかと考えて居ます。
ここまで書いて力尽きたので、次回にします。次回はお台場の続きと大井埠頭中央公園についてログを書きます。