サンゴの移植というプロジェクトがある。広い範囲で見れば、あまり効果は無いと思う。オニヒトデが発生すれば、狭い範囲しか完全駆除はできないだろう。だから、あんなプロジェクトはダメだとおもっていた。サンゴが生える、水温の変化とか、オニヒトデなどで滅びて、そのまた後にサンゴは生えてくる。植物ほど成長は早くないが、それでもミドリイシの類は成長が早い。食われたり、枯れたり、その上に密生したりというサイクルをたかだか50年ぐらいの沖縄通いの間に、何度か見た。その何万年かの堆積でグレートバリアーリーフもできたのだろう。柱状に地層標本を採って行くと、オニヒトデの卵の層が、出たり消えたりしているというレポートを読んだことがある。
だから、オニヒトデの駆除とか、サンゴの移植は、いろいろな意味で、狭い範囲でも良いと思う。
アイ・エクスピアリアンスのことを書いた時、慶良間の西浜のパッチリーフのことを書いた。当時と比べて見る影もなくなったと。
西浜のパッチリーフ
ダイバーの影響を出来るだけ少なくして復活を図っている。だいぶ良くはなったが、今一つだ。ならば、パッチリーフを作ってしまったらどうだろうか。館山で調査を進めているカナクラリーフという人工魚礁は、あの砂の上、水深7mで7年間経過して、埋まらなかった。魚の住処としても良い。あれを西浜に置いて、サンゴを植え付けたらどうだろうか。
館山に設置した人工魚礁カナクラリーフ
カナクラリーフに集まっている石鯛
再び西浜のパッチリーフ
慶良間での珊瑚移植実験
オニヒトデの駆除もこのリーフ限定ならば完全にできるだろうし、サンゴの植え付けもできる。魚の集まることでは絶対の自信がある形だ。
未だ、アイデアにもならないアイデアの卵だが。