カメラワーク
アザハタ
アイ・エクスピアリアンスでの手持ち撮影で、右にアザハタが来たからと言って、左回りに動いている時は、振り向いてはいけないと書いたが、もちろん振り向いても良い。そこでカットが変わるだけだ。アイ・エクスピアリアンスは、20分ワンカットで撮らなければいけない決まりだから、カットを変えられない。
普通の撮影ならば、そしてデジタルならば何をやっても良い。何をやっても良いのだけれど、文章を書くときのように文法がある。文法があると言っても、決まったルールがあるわけではなく、カメラマンそれぞれのこともある。ここに書こうとしているのは、須賀の文法であり、個性、文体のようなものだ。
パン(カメラを首振りする)ドリー(カメラを移動させる)でも、右から左に向かっている時は突然右へ行ってはいけない。カットが変わる。右に行ったところから別のカットになる。そこから左に行くとまた別のカットだ。もちろん意図してやるならば、何でもありだが、普通はやらない。
このような文法が厳しかったのは、撮れる尺数(秒数)に限度があるフィルムの撮影で、デジタルならば、何度でもやり直して、気に入ったものを使えばいい。しかし、無制限だから、仮だから良いと言っていても、めちゃくちゃを連続させると後で使える部分がなくなってしまう。だから、自分で編集をすると、動画の撮影は上手になる。同時に編集も長さを決めておく、JAUSの研究会では、3分をスタンダードにしている。3分あればたいていの事は言える。
まず何にしても、カメラを持とうが、置こうが、基本は水平とそして固定、フィックスなのだ。手に持って、置いたカメラと同じように撮れる修業がカメラマンには必要だ。まず撮影は置いた状態、静止から動き始める。静止した状態で動く、静止状態の移動だから、ぶれてはいけない、動きも一定の速度でスムースに動く。動きの途中で目標が見つかってロックオンしたら、一旦停止したら、そこで少なくとも10秒は静止する。止まる時に行き過ぎて戻るのはカッコ悪い。-
動きは左右、前後で、ドリーと呼んだりトラックと呼んだりする。いずれにしても水平、揺れないようにスムースに動く。
左右前後の移動の次に、カメラの首振りがある。左右の首振りをパン、上下の首振りをチルトという。上向きはチルトアップ、パンアップということもある。下に向くときはチルトダウン、パンダウンだ。パンとチルトも原則として三脚に載せて行う。三脚に載せても、パンとチルトは職人芸である。
静止した状態がまず5秒か10秒あってそれからパンが始まる、どこまで振るか、予め予測しておく。三脚に載せていればフィルム時代にはまず予行練習してから、振った。デジタルの場合には予行も廻しておけるから、あとから良い方を選べる。振り始めたら一定の速度で廻し、定めた位置に来たら静止する、これも5-10秒必要である。始点から終点まで一瞬で廻してしまうクイックパンもある。クイックパンも含めて、パンは最初の静止と終点の静止が必須で、これがないと、カットとして成立しない。
これを三脚に載せないで行うのが水中カメラマンだ。
僕はかつて、驚異のバランスを誇っていたのだが、最近になりフロッグキックと水平トリムでむちゃくちゃになってしまった。まあ、今はあまりカメラマンをしないからよいようなものだが。
水中撮影の場合は、これに浮いたり沈んだりの三次元の動きが加わる。陸上の撮影では浮き沈みは、三脚をクレーンに載せて油圧で動かす、クレーンがチューリップの花弁のように開いたりつぼんだりするので、チューリップクレーンなどと呼ぶことがあり、クレーンを使った撮影をクレーンショットなどと呼ぶ。映画の撮影は原則として、この方法でとる。時にドキュメンタリーなどで臨場感をだすために報道のようにカメラを担いで走り待ったりするが、これは特殊効果である。
さらにこのクレーンを台車に載せて引いたり押したりする。これで、すべての位置から、角度から撮影できる。後はヘリコプターで飛ぶか、水中に潜るかしかない。
大型シネカメラ,底にウエイトがついていて、ウエイトをレールで滑らせてカメラのアングルを変えていた。
水中は、クレーンも台車も無く、クレーンショットが撮れる。水中は中世浮力で浮いて撮る。救いは、50-100キロの大型カメラだった。これを中性浮力で浮かすと、質量があるから、油圧のクレーンに載せたような効果があった。今のウエアラブルカメラでは、油圧クレーンのように動かすことは大変だ。ウエアラブルカメラでどうするか、ここからの工夫は企業秘密だが、やがてシンポジウムで発表する。その前に知りたい人は、僕のブログを遡ってみれば、どこかにある。しかし、整理がいい加減だから、探すのがたいへんだ。
アザハタ
アイ・エクスピアリアンスでの手持ち撮影で、右にアザハタが来たからと言って、左回りに動いている時は、振り向いてはいけないと書いたが、もちろん振り向いても良い。そこでカットが変わるだけだ。アイ・エクスピアリアンスは、20分ワンカットで撮らなければいけない決まりだから、カットを変えられない。
普通の撮影ならば、そしてデジタルならば何をやっても良い。何をやっても良いのだけれど、文章を書くときのように文法がある。文法があると言っても、決まったルールがあるわけではなく、カメラマンそれぞれのこともある。ここに書こうとしているのは、須賀の文法であり、個性、文体のようなものだ。
パン(カメラを首振りする)ドリー(カメラを移動させる)でも、右から左に向かっている時は突然右へ行ってはいけない。カットが変わる。右に行ったところから別のカットになる。そこから左に行くとまた別のカットだ。もちろん意図してやるならば、何でもありだが、普通はやらない。
このような文法が厳しかったのは、撮れる尺数(秒数)に限度があるフィルムの撮影で、デジタルならば、何度でもやり直して、気に入ったものを使えばいい。しかし、無制限だから、仮だから良いと言っていても、めちゃくちゃを連続させると後で使える部分がなくなってしまう。だから、自分で編集をすると、動画の撮影は上手になる。同時に編集も長さを決めておく、JAUSの研究会では、3分をスタンダードにしている。3分あればたいていの事は言える。
まず何にしても、カメラを持とうが、置こうが、基本は水平とそして固定、フィックスなのだ。手に持って、置いたカメラと同じように撮れる修業がカメラマンには必要だ。まず撮影は置いた状態、静止から動き始める。静止した状態で動く、静止状態の移動だから、ぶれてはいけない、動きも一定の速度でスムースに動く。動きの途中で目標が見つかってロックオンしたら、一旦停止したら、そこで少なくとも10秒は静止する。止まる時に行き過ぎて戻るのはカッコ悪い。-
動きは左右、前後で、ドリーと呼んだりトラックと呼んだりする。いずれにしても水平、揺れないようにスムースに動く。
左右前後の移動の次に、カメラの首振りがある。左右の首振りをパン、上下の首振りをチルトという。上向きはチルトアップ、パンアップということもある。下に向くときはチルトダウン、パンダウンだ。パンとチルトも原則として三脚に載せて行う。三脚に載せても、パンとチルトは職人芸である。
静止した状態がまず5秒か10秒あってそれからパンが始まる、どこまで振るか、予め予測しておく。三脚に載せていればフィルム時代にはまず予行練習してから、振った。デジタルの場合には予行も廻しておけるから、あとから良い方を選べる。振り始めたら一定の速度で廻し、定めた位置に来たら静止する、これも5-10秒必要である。始点から終点まで一瞬で廻してしまうクイックパンもある。クイックパンも含めて、パンは最初の静止と終点の静止が必須で、これがないと、カットとして成立しない。
これを三脚に載せないで行うのが水中カメラマンだ。
僕はかつて、驚異のバランスを誇っていたのだが、最近になりフロッグキックと水平トリムでむちゃくちゃになってしまった。まあ、今はあまりカメラマンをしないからよいようなものだが。
水中撮影の場合は、これに浮いたり沈んだりの三次元の動きが加わる。陸上の撮影では浮き沈みは、三脚をクレーンに載せて油圧で動かす、クレーンがチューリップの花弁のように開いたりつぼんだりするので、チューリップクレーンなどと呼ぶことがあり、クレーンを使った撮影をクレーンショットなどと呼ぶ。映画の撮影は原則として、この方法でとる。時にドキュメンタリーなどで臨場感をだすために報道のようにカメラを担いで走り待ったりするが、これは特殊効果である。
さらにこのクレーンを台車に載せて引いたり押したりする。これで、すべての位置から、角度から撮影できる。後はヘリコプターで飛ぶか、水中に潜るかしかない。
大型シネカメラ,底にウエイトがついていて、ウエイトをレールで滑らせてカメラのアングルを変えていた。
水中は、クレーンも台車も無く、クレーンショットが撮れる。水中は中世浮力で浮いて撮る。救いは、50-100キロの大型カメラだった。これを中性浮力で浮かすと、質量があるから、油圧のクレーンに載せたような効果があった。今のウエアラブルカメラでは、油圧クレーンのように動かすことは大変だ。ウエアラブルカメラでどうするか、ここからの工夫は企業秘密だが、やがてシンポジウムで発表する。その前に知りたい人は、僕のブログを遡ってみれば、どこかにある。しかし、整理がいい加減だから、探すのがたいへんだ。