前回、第8回は今年2019年の2月3日なので、今年は、シンポジウムを2回やることになったのだが、前回の2月3日を終えて、これで自分の発表は終わり、ここからは、若い人たちの発表を中心にしようと思った。
そこで、今度の第9回の自分の発表は、リサーチ・ダイビングのテキストを書く企画、自分の60年のリサーチ・ダイビングをまとめる、というその企画書を報告書に載せることで、その説明を5分程度させてもらうことでとどめて、あとは若いひとをと考えた。
若い人、学生の発表は、東大海洋調査探検部と、東京海洋大学潜水部(自分の母校)の発表である。
海洋大学は、2年生で部長になったばかりの佐藤新君に、突然のようにお願いしたのだが、気持ちよく受けてくれた。多分、何も考えなかったのだろう。お願いする時期が夏もすぎたころで、その後、今年は大型台風の襲来があり、ホームである海洋大学館山ステーションが被害を受けたりして、準備ができなかった。が、とにかく、「今やっていることと、これからやりたいことを発表してください」とにかく、PPTを作って、その説明を報告書原稿に、ということにした。しかし、講演の時間ぎれで、今後やろうとすること、のところまで十分に説明ができなかった。とにかく勉強にはなったと思う。今年は予告編で、来年は、海洋大学館山ステーションの海底と、生物相の発表を期待している。「海洋大学潜水部の活動と、館山坂田内湾の海について」 東京海洋大学 潜水部 佐藤新
東京大学 海洋調査探検部 田村陸、内田大賀、實藤美来
ここに、彼らのダイビングの様子を 福田克之君が撮った映像を発表した。8月7日、50mはあろうかという稀にみる透視度の映像で、美しい、僕はこれを午前中の売り物にしたかった。しかし、打ち合わせ不十分で、前半部分、ライトを落とさなかったので、美しさが半減してしまった。
人工魚礁研究会で一緒に潜っている佐藤允昭君の「環境DNA分析で魚礁に棲む魚類を把握できるか?」これは、若い研究者が、自分一人では潜れない、レクリェーションダイバーのエキスパートと潜ることで、安全が確保できるというねらいの皓歯だった。
内容が難解なのではないかと心配したが、驚いたことに、耳の不自由な、自分も明確にわかった。プレゼンテーションすることになれている。環境学博士で水産研究教育機構 水産工学研究所研究員、つまり、バリバリの若手研究者で、良いダイバーだ。
プレゼンテーションになれているということでは、午後の部での「ショートプレゼンテーション」で、「お台場のホンビノスガイと私の10年」:杉原奈保子(東京大学大気海洋研究所)
「泳げる海、お台場」の実現に向けて」海辺つくり研究会理事 森田健二さんの発表、「「石西礁湖におけるサンゴ群集の衰退と再生技術」 いであ株式会社技術顧問 藤原秀一さんの発表、どちらも、その分野での権威者であり、これも、耳の悪い僕でも理解できる発表だった。
最後の発表、AUS亜寒帯ラボ:「特定外来種であるウチダザリガニの駆除:希少種のマリモの保護調査」 JAUS理事 工藤和由、おなじような支部的な組織ができていくことが、日本水中科学協会の目標の一つであり、この発表が、僕らの希望の実現の一つであった。
一つ一つ取り上げると、それだけでは、不十分であろうが、全体的にみると、多種、多方面にわたっていて、ダイビング活動のすべてがある、良いバランスだったと自賛している。
毎年、集客に苦闘しているが、予想を上回る86人に来ていただくことができた。来年こそは、苦労しないで、90人(満員)を集めることができるようにしたい。きっとできると思う。