お台場物語を書いていて、その(6)は、自分の泳ぐコースについて説明している。人工砂浜からエントリーして。右側、転石に沿ってまっすぐ、120m、お台場の天然の人工魚礁(構築物の遺跡)とも言うべき、杭の列まで行き、戻ってくる。この繰り返しである。
右側が水中に広がった転石であり、左が牡蠣の斜面で、水深2mで傾斜が緩くなり、水深3mでヘドロになる。
今回、Olympus TG4をあきらめた。ウエアラブルカメラを2台、持って行く。AKASO braveと7000,SJ4000 を2台、4台のうちから、2台を持って行く、2回の潜水で4台だ。2台持参の1台は1キロのウエイトに取り付けた設置カメラで、1台はイノンの単3電池3本のライトと束ねた短い棒カメラだ。棒カメラは軽いのでBC.のD環にクリップして持っていける。設置カメラは、90個のLCDライトの上にのっている。20mの巻き尺をマーカーとして付ける。
今回から、ドライスーツだ。ウエイトはベルトに6キロ、ベストに7キロ、フィンはキヌガワの、マンティスドライフィンである。マスクはダイブウエイズのラクーンタンクは8リットル、BC.はタバタのリベレーター。
今回のメンバーは、尾島、尾島ママ、多留 小林、清水マミ 須賀の6名だ。
午前 10時15分潜水開始
棒カメラはクリップ、設置カメラを手持ちで廻してエントリーする。サポートは尾島ママにお願いした。
小さいチチブは真牡蠣フィールドが終わるまで密度濃く居る。設置カメラには、チチブかくるに決まっているが数を数えるために有効であり、その時期その時のお台場の優先種が何であったのか、知るために有効である。
前回8月27日は、季節も夏で、魚の季節なのに魚は、集まらず見られず、小さいヤドカリだけが集まった。
☆☆
カメラをライト付き棒カメラとウエイト付き設置カメラに分けて記録結果を説明する。
お台場に関する限り、撮影調査については、この方法が、現時点でのベストであるように思えるので若干詳しく述べておく。
設置カメラを確認する
棒カメラをBC.にクリップで留めたので、設置カメラを手持ちで撮影して移動し、設置が終わったら、棒カメラで移動撮影していく。※この方法がとても良かった。
1015 潜水開始
砂地から、右の転石を見ていく。
1023 チチブ 3cm級3個体
何か撮影対象があった場合には、設置カメラをそこに置いて、何秒か撮影する。この方法がなかなか良かった。
1023 転石の際にチチブ集まっている。5ー7個体。
1028 チチブ 6個体
1031 牡蠣の生体を割って、餌として置く
1036 ここから自分は棒カメラをもって移動する。以下は設置カメラの記録である。同時刻に2台のカメラが回っていることになる。
1037 たちまち魚が集まる。チチブ6、トサカギンポ2
1040 13個体集まる。数としてはこれが最高。個体の大きさは2ー4cmであまり大きくはない。
1045 大型のトサカギンポが混ざる。
1048 チチブが5ー6cmと大型(成体)。
がくる
1050 大型3個体が牡蠣の上に乗る。小さな個体は離れている。
1057 大型が5ー6個体、小型も2個体混じる
1116 なぜかカメラが一時切れてしまう。
1時間で切れるのか設定の確認が必要
1119分、戻ってきて、カメラを持ち上げて移動
撮影終了 エキジット
元来、チチブは、お台場で優先しているハゼの種類である。マハゼも江戸前で優先しているが、マハゼは秋から冬に産卵し、春先から稚魚で出てきて、ぐんぐん成長して、秋には、10cm以上の大きさになり、産卵する。生まれるのが遅く、秋に小さかった個体は年を越して次の年に大きくなって産卵する。産卵したあと生き残る個体もあるらしいが、ほとんどの個体は死ぬのだろう。すなわち、マハゼの寿命は一年か二年。
チチブはよくわからないが(調べなくては)周年、5ー8cmの成体がいる。お台場にいるハゼの仲間では、もっとも数多いとおもう。常には、牡蠣殻の間、石の下などに潜んでいるが、よくよく探せば、何時でも見つけられる。2012年の青潮前の無酸素状態がひどかったとき、隠れ家から、全部そと、海底表面に出てきた。その数の多さに仰天したが、こんど、今居る稚魚が育ったら、さらに多くなるだろう。
チチブは、牡蠣殻の中に潜み住むが、マハゼは、岩の下には入るが、牡蠣殻の中では見ない。棲み場を争うことはないと思うけれど、それにしても、今年のお台場でマハゼの少ないことは、チチブが多いことに影響されているかもしれない。マハゼはかなり上流まで川を遡るなど、行動半径が大きい。チチブは、あんまり移動しないで住み着いているようだ。
※ チチブとは、河野先生の「東京湾の魚」によれば、
いわゆるダボハゼと言われていたハゼで、チチブ属は、チチブ、お台場でチチブ同様よくみられるフタオビシマハゼもその仲間である。
しかし、それにしても前回8月28日には、割った牡蠣に魚は集まらず、ヤドカリだけだったのに。
昔、江戸前の時代、魚、ハゼなどが湧くといわれた。ハゼの類は、本当に涌くような感じだ。
手持ち棒カメラの記録
足下から4cmほどのギンポが飛び出してきた。おどろくほど人なつこい。手で追い払ってもレンズ前に寄ってくる。ピントが合わせられない。種類はニジギンポだ。普通種だが、お台場では、僕はこんな、接近してくるような経験をしたことがない。
杭の跡 魚礁
立った杭の間に倒れた杭が横になっているところがある。この横になった杭の下が、魚やカニが隠れ潜むところだ。この杭が横になって下が隙間になっている状態状況を再現するような、人工魚礁をつくれば良いわけなのだが、
僕がここに到着したのは、みんなが魚を追い回した後だから、散ってしまっていたのだろう。尾島ママは、10尾程度の群を見たという。
僕の見た数は4尾だ。そのうちの1尾は、杭の下に隠れているのを、棒の先カメラを突っ込むようにして撮影できた。いつものOlympus TG4では、これは、撮れない。
一回目の潜水ではイシガニが見つけられなかった。ヘドロ部分も見ていない。砂地の上にマハゼがイルカもしれない。タンクが少なくなっていたので、タンクを代えて、二本目、砂地を巡り、岸側の浅場を縫うようにして、進んだ。中型のイシガニを見つけた。接近すると石の下に隠れながら、ハサミを広げて意地を見せる。石の下に、後退して行く、今日のカメラは石の下に差し込むことが出来る。カメラを入れると、ほんの狭い隙間に退いて固まった。銛で突き刺されれば採られてしまうが、自然界ならば、これで逃げきれる。
しかし、前回8月の潜水で、クロダイが石の下に突進して突っ込む姿を撮影している。あれは、カニを追ってたのだろう。
大型の魚として、ボラは常連だが、最近クロダイが増えている。
2回潜水すると身体の調子は良くなる。