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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0713 2019年 (第18回)浦安海豚倶楽部 遠足(海洋実習)

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 浦安海豚倶楽部については、何度もブログで書いているが、2002年から、浦安運動公園屋内プールで毎月2回、練習を続けている、ある程度高齢のスキンダイビングクラブであり、運営はクラブ員が交代で就任する役員が行っている市民クラブである。毎年、一度 夏期、だいたい梅雨明けころ、まだ夏期休暇でこみあわない時期に海洋実習を行っている。
 クラブの練習の詳細については、2015年に刊行したスキンダイビング・セーフティに書いている。
 スキンダイビング・セーフティは、この7月に大幅に改訂した2訂版がでるが、本当は、この、今回の実習の結果、成果も掲載したかったのだが間に合わなかった。ということは、自分にとってこのクラブの活動がスキンダイビングの実践と言う意味で重要な部分になっている。
 
 このクラブの始まりは、浦安市主催で屋内プールで行われるスノーケリング講習会である。1990年代から、ちょうどこのクラブが生まれる2002年頃まで、今回の海洋実習で行うような、水深で言うと、5mぐらい、がんばっても7ー8mまでの素潜り遊びをスノーケリングと呼んでいた。ところが、スノーケリングは「潜らない、ジャケットを着けて浮き漂う水中観察」と定義されてしまったので、海豚倶楽部の活動も、スノーケリングではなくて、「ソフトな、無理をしないスキンダイビング」に移行する事になった。
 ところで、呼び名、定義にこだわるのは、指導者の側で、指導を受ける一般市民は、こだわっていない。今回の実習プログラムを見るとシュノーケリングになっている。
 名称定義は、指導する側、安全管理をする側にとっては、重要であるが、遊ぶ方にとっては、あんまり問題にならない。
 しかし、「海遊び」にとって、浮き輪、ジャケットの扱いは、まず第一に重要である。
 その意味で、スノーケリングをジャケット着用を義務づけてしまったこと、つまり、ダイビング、潜りではなくしてしまったのだから、ダイビングの側からは、困ったことではあるのだが、浮き具、フロートの重要性を強調、認識させる意味では大きな効果があり、昨年の沖縄での実習から、その研究、使用実験が、実習としてのメインテーマと考えるようになった。
 逆にいうと、それまでは、あまり浮き具(安全の命綱)にこだわらない、バディシステムだけが頼りの牧歌的な時代だったとも言える。

 「海遊び」ではなく、「海仕事」である海女は、非常に効果的な浮き具である「浮き樽」を古くから常用しており、「海遊び」もこれを範として、実習を組立てようとしている。  前回、昨年の沖縄での実習では、超小型、一人乗れるゴムボートのようなフロートを持って行ったが、これは全く役に立たない、むしろ危険でさえあった。小さいとは言え、人が乗れるのだから縁の高さがあり、よじ登らないと上がれない。そして、そのよじ登ろうとするときに簡単に転覆してしまう。これは、捨てることにした。
 今回、持参、試用したのは、まず前回 昨年の沖縄でも使用した Omer 製、(日本アクアラング 扱い)の二種類のフロート、このメーカーはスキンダイビング、フリーダイビングの器材を中心的に扱っているので、ノウハウが蓄えられていている。
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 セフティスタッフとして、同行してもらっている山本徹さんの使っている atoll 13000円 は、高価ではあるが、すでに道具として使える段階のものである。
 僕が使ったのは torpedo 5000円で、これは、価格も手ごろであり、一応使える。
 今年、新たに、キヌガワの スノーケリングチューブ 2300円を3個用意した、これは、4人までつかまれる。ただし、このチューブは、手動の空気入れが無いと、とても膨らまし切れない。
 
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 さて、今回の目的地は式根島で、一昨年に続いて、2回目になる。梅雨が開けず天候が心配だったが、10日、一日目は晴れた。
  式根島のビーチエントリーのスキンダイビングポイントは、中の浦。大浦、泊、石白川 で、どれも海水浴場である。逆に行うと海水浴場でスキンダイビングが出来る。スキンダイビングも出来るような素晴らしい海水浴場なのだ。
 どれも 巾着形の入り江で、入り口部分は磯で波が当たるが、中は波静かな砂浜と、波の遮られるプールになっている。
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               泊海水浴場
 10日 12時式根島着、午後、中の浦に行く。中の浦は、スクーバダイビングもできる。前に、スクーバのナイトダイビングを楽しんだこともある。イセエビがぞろぞろ這い回っていた。とにかく式根島定番ともいえるポイントで、学生連盟の合宿練習のポイントでもある。中心付近の海底には、少しではあるが造礁珊瑚がある。深さは7ー8mで透視度は20ー30mある。安全度の高いポイントである。
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 メンバーは、樋口 黒沢、佐古、舟橋、佐藤 安藤 玉田 以上女性 藤田(現会長)二見、小松 野村、山本徹(ガードをお願い) 小山(須賀のバディ)須賀 計14名
 常日頃、一緒に練習しているし、気心も知れているが、ブリーフィングでバディを確認し、必ずフロート周辺で潜り、エントリー、エキジットは、フロート単位でまとまってする。これによって、フロートを数えていれば全員の安全が確認できる。
 
 男性のグループは、自前の小さい浮き輪に、アンカーロープを着け、その周辺で潜っていた。手軽で良いけれど、浮き輪が小さくて、離れていると見えにくい。
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 最初に、フロート関係の結論を言ってしまおう。
 用意したフロートの数が足りなかった。女性は7名、3個のスノーケリングチューブで良かったが、男性4名 もう1個のチューブが必要で、これが、足りなかった。浮き輪で用が足りているものの、安全確保には、不十分である。まあ、数年前まではフロートをシステムとして考えたことは、無かったのだが。
 フロートアンカーを付けているのは、山本さんと、男性のこの浮き輪だけだった。
 アンカーを付けないフロートは、手放すと風で、あっという間に飛んでいってしまう。一人がフロートを持って、下を見張り、一人が潜る。これによって、潜っている者を必ず水面から見張っているというルールが徹底されるので、良いかと思ったが、考えてみると、もしも、救助が必要な場合、潜って助けて来て、フロートがその間に流されてしまう可能性がある。面倒でも、アンカーが必要。次回から必須で、アンカーの使い方がテーマになる。
 レスキューを考えると、形が大きい、スノーケリングチューブに、3人乃至4人のチームで、アンカーを付ければ、良いのだろうと思う。二人のバディならば、僕の使ったtorpedo(トーピード:魚雷)で、良いだろう。
 なお、最近だが、二人のバディよりも、三人の方が良いようにおもっている。特にスキンダイビングでは、その方が良い。4人ならば2人のバディが二つになる。
 式根島では、宿に曲がる角にある、いつも行くお店にフロート、浮き輪のレンタルがあり、1日500円でかなり大きなフロート、浮き輪が借りられる。海の家がオープンすれば、そこでも貸し出すだろう。
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 沖縄では、式根島の中の浦 のような海水浴場で、胴衣着用のスノーケリングでなければ、フィン・マスク・スノーケルが使えなくなっているところが多い。浦安海豚倶楽部がホームにしていた、慶良間の古座間味、阿真ビーチも、そうなっているらしい。その内に何か考えなければいけなくなるかもしれない。
 
 自分のダイビングだが、3mmワンピースのフルスーツで、ウエイトを5キロにした。フロートを持っているということで、少し、重めでも、溺れる心配が少ないので、6キロでもよかった。
 撮影だが、海水浴場なので、魚の多い磯にでるあたりに遊泳禁止標識ラインが設置されていて、出られない。安全なスキンダイビングについての実験的海洋実習なのだから、もちろん、ラインの外に出てはいけない。
 撮影の対象として魚はねらっていなくて、主に、潜る、フロートを使う形が撮影できれば良いと思っていた。NikonのクールピクスAW130を久しぶりに使った。
 ほぼ目標とする撮影が出来たが、水深8mになると、潜ることは出来ても、カメラでねらって撮る余裕が無くなってしまっている。(高齢のため)水深2mとか3mでは、身体が浮いてしまって被写体がねらえない。生き物の撮影のためには、6キロにして3mに合わせれば良かったかも知れない。魚はチョウチョウウオとスズメダイ、カゴカキダイで魅力のある被写体ではないが、それでもカメラを持つと、人間よりも、魚を追ってしまう。自分たちの使ったトーペードブイの写真がない。きちんとした撮影プランを立てなかったことを反省するはめになった。
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 水温は24度で寒くはなかったが、1時間ぐらいで、身体が冷えてくる。一日目が中の浦で、二日目、11日には、午前中 泊海水浴場、午後石白川海水浴場で潜った。天候は雨こそ降らなかったが、曇りで、潜った後での温泉が頭に浮かんだ。泊は、坂道が5キロのウエイトを担いでは一気には上がれず、息が弾んだ。それでも、自分で担いで上がれた。東京をでる時は、例によって瀕死?の状態だったから、海で活力を吸い込んだわけだ。
 午後の石白川は、前の海が開けていて、波が入っていて、濁っていて身体が揺られた。それでも、カゴカキダイなど、魚を追っているとおもしろくて、1時間の上、泳いでいた。


 三日目、帰る日、12日の午前も、昔だったら泳いだかも知れないが、さすがに全員パスした。それに、朝から冷たい雨だった。
 午後、高速ジェット船に乗る頃には晴れた。
 総じて、ダイビングも民宿のげんべいも、もちろん仲間のメンバーも居心地がよくて、良い旅で、活力を取り戻すことができた。
 終わりに、今期の会長で、春から準備に努力された藤田会長にお礼を申し上げます。
振り返れば、藤田さんは、数年前、伊豆大島に行ったころで、、目の離せない初心者でした。
言うまでもなく、本職のお仕事では、活躍されていた方ばかりであり、お互い、60をすぎて、進歩云々はない話ですが、それにしても、ダイビングの上達も含めてのアウトドア活動コントロールでの進歩、スキンダイビングの効用だとおもうのです。
 僕も、もう少しだけがんばって、来年も一緒に旅ができたらうれしい。 
 
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