2月1日、明日からダイビング・フェスティバル復活です。ダイビング業界の発展が見られるとおもいます。
喜ばしいことですが、2月2日の小田原セミナー、3日目の最終日、2月3日には、僕たちの「ダイビング活動研究シンポジウム」と重なります。2月3日は、前から決めていたのですが、バッティングするとわかってから、日にちをずらそうともしたのですが、業界の大きな行事と重なることは、地方からでておいでになる会員諸兄にとっては、両方にでられるので好都合、ということもあろうと、強行することにしました。事実、北海道の工藤さんが、その両方に、と出てきてくださることになり、ねらいの一つは達成されました。が、ただでさえも、人集めに困難な傾向に拍車をかけることになりました。
日本水中科学協会は、後発ですから、自分たちでしかできないことをやろうというのが基本精神です。他が一生懸命にやっていることは、それに協力すれば良いわけです。他のやらないことというのは、人集めが困難であるということになります。それでも、発足時から応援していただいている会員のみなさまのおかげで、続けることができています。改めてお礼申し上げます。 今回は、60年の自分のダイビングでのライフワークのうちで、力を入れてきたことのうちの主たる三つについて、それぞれ、30分にまとめて、発表させていただきました。これが最後、最終講演とは、思いたくないのですが、最終のつもりで、三つ全部 合計で1時間半、すべて十分にはお話できないので、原稿にまとめて、報告書に掲載しました。報告書の分量が大きくなります。
研究と言っても、学者、研究者の発表は、一般の方には理解不能であることが多いのです。自分は一応東京水産大学卒で、海の生物の生態学が専攻ですが、今の生物学はバリバリのサイエンスで、ほとんど理解できません。
僕の研究のレベルは、ファーブルの昆虫記、シートンの動物記のレベルであり、研究といえるようなレベルの高いものではありません。だから、おそらく、おいでになった方の誰でもがわかっていただけるレベルだと思います。
そんなことで、集客、おいでいただけるお願いですが、思いつく限りの方にお知らせをしようと努力はしました。でも、しつこくお願いをすると友達を失くしてしまう。その限度が難しく、途中で迷ってしまいました。通知の行かなかった方、そのような事情です。 ダイビングなど、それに人生を賭けるという人以外には意味のないこと、不要不急のものでしょう。
その不要不急のダイビングのうちでも、自分たち日本水中科学協会でなければ、できないこと、というと、目一杯マニアックなことになってしまいます。自分的には、どのテーマも、それこそ、ダイビングフェスティバルよりも、重要なテーマだと考えるのですが、
とにかく、おいでいただける方を相手、頭の中において、発表内容を検討し、発表する映像を作り、原稿を作りました。
発表テーマは三つ(四つ)です。
① 人工魚礁について(ここには④の安全について、と学生のダイビングについてが間接的に含まれます。)
② 東京港お台場の潜水について
③ 高圧則について ①の人工魚礁は、大学4年の時(1958年)にはじめて調査の為に潜って以来ですから、あしかけ60年、人工魚礁を見て、手で触って来たことになります。それは、レジャーダイビングの最初は敵であり、やがては協力しあう仲になり、新しい漁業法で姿を変えていく、5t未満の小舟を持つ、あるいは舟をも持たない零細な沿岸漁民とのつきあいの接点でもありました。
括弧にした安全についてなのですが、ダイビングは、危険です。その危険には二種類あって、予測不可能、運命的な死、と線引きによって(どこまでやっていいのか決めること)によって避けられる危険があります。
学生のダイビング活動は、これも1957年、東京水産大学(現海洋大学)に潜水部を作り、1967年に関東学生潜水連盟の発足に関わって以来、僕の重要なテーマでした。その学生のダイビング活動の安全のための線引きと人工魚礁などの撮影調査と結びつけて考えました。
②のお台場の潜水は、海の環境、といったとき、都市の真ん中にあり、もの好きなダイバーが潜り続けられる、おそらく限界であろうお台場の海に1996年以来、23年潜り続けてきたことの意味について考えます。
③高圧則は、1963年にこの規則ができたときから関わってきて、その関わり方は、指定講習の講師として、やがて準備講習になってその講師、そして、その受験準備の受験本を書いた関わり、自分の会社、事業者として社員・労働者の死に際して規則と関わったことまで、30分ではその十分の一も話せませんが、とにかく、お話しします。 この1月で84歳になりました。何人もの方、各方面でお祝いしていただき、ありがたいことなのですが、もはや、未来に希望を持つことはできません。できませんが、おいでいただけた、数十人の方と未来に向けてのスタート、そのお話をしようと思っています。発表するために考えをまとめていると、やはりこれは、終わりではなくて、スタートなのだとおもうのです。