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5月5日 ゴールデン、ウィーク

 今年のGWは、館山の波佐間海中公園
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 その昔、GWは、何処にも行かないで、のんびりしていた。ところが、5年前からだろうか、たしか東大教授の小久保くんから無理やり誘われて、伊豆大島に出かけた。次の年は大瀬崎、そして昨年は富戸と赤沢にダイビングツアーにでかけた、それぞれ、8人ほどで、賑やかだった。今年も、やろうと9人に声をかけた。2月中旬のことだった。早速毎年参加してくれている村上緑ちゃんとお父さん他、三人四人と、行きたいと連絡があった。しかし、4月になってもそのままで、二人からは行かれないという変更があり、なかなか、この時でないとゆっくりと会えないメインゲストともいうべき小久保くんもお父さんが不例だとかで、不参加、当初は4-5日の予定だったが、5日は学校に行かなくてはならないと緑ちゃんが不参加になってしまった。ほぼ全滅。
 緑ちゃんは小学校4年制の時に船の科学館でおこなったスノーケリング教室に参加し、そのご、浦安で始めた親子にスキンダイビングクラブ、フリッパークラブに来てくれて、、そのフリッパークラブが無くなってからも毎年一度はツアーに参加してくれていた。やがて、高校生になり、今年は大学1年である。緑ちゃんだけでも良いからと、3日、4日に変更して、さらにもう一名誘って、自分を入れて4人で伊豆の赤沢に行くことに決めた。何を隠そう、僕がどこかに潜りに行きたかったのだ。
 ところが、元社員の米田くんが亡くなってしまって、2日が通夜、3日が葬儀になった。通夜だけとおもってが、やはり、かわいい元社員のことだ、葬儀にも出よう、その足で赤沢に、と3日の午後から車で走り、その日はこれも元社員で、富戸でダイビングサービスをしている大西君のところで泊り、4日に赤沢に潜って、帰って来るということに変更した。ところが3日の葬儀に東京から横浜の斎場に行くのが、前日の通夜では2時間で到着したのに、4時間掛かり、遅刻してしまった。ものすごい車の量で、多分、富戸まで8時間はかかるのではないか、去年のツアーも片道8時間、往復なら16時間だ。そして、神奈川県では赤潮が発生してしまって、3-4mしか見えないという。急遽、3日の東伊豆行きは中止して、4日の日帰りで、このところ月例でおじゃましている千葉県館山市の波左間海中公園に行くことに変更した。毎月行っているのに、マンボウを入れているマンボウランドには潜っていない。この機会に見てみよう、撮影しようと考えた。
 
 4日朝、7時発、車ラッシュは覚悟して、いつもならば2時間のところだから、4時間と予想した。11時には到着するだろう。
 予定通り、4時間強、11時20分に到着した。
 自分の装備だが、ウエットにしょうかドライにしようか迷って、両方を車に積んであった。水温は18℃程度だという。75歳の時には14℃からウエットにしていた。18℃ならば、ウエットでいい。しかし、今使っているウエットは、昔、学生のレンタル用にしていた、ハリサンの安いスーツで、その上にフードベストを着る。昨年の奄美大島ではこれで充分だった。これにしよう。4キロのウエイトベストに2キロをベルトにして合計6キロにした。網に囲まれたマンボウランドで、GWで忙しいだろうから、僕たちだけでも、十分安全に潜れるだろうからと、マンボウランドをリクエストした。
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 囲い網のなかに、このサイズのマンボウが7尾入っている。昔、定置網にマンボウが入ると、それは漁師のおかず料、漁師めしの典型だった。今は活かされて、秋には海に戻してもらえる。
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 しかし、当然のように荒川さんが一緒に潜ってくれた。荒川さんが一緒でなければ、僕たち3人では、ただ、マンボウを見るだけだっただろう。僕もただ見るつもりだけだった。一緒に来てくれたので、マンボウに餌をやり、緑の手からも餌をもらって、彼女の手で、マンボウの頭をなでてやるシーンを良い角度で撮ることができた。
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   フェイスブックのユーチューブに動画を載せた。
https://youtu.be/Bns5MW2s77Y

 使っているカメラシステムは、この3月から使い始めている、ニコンのCOOLPIXとウエアラブルを並べてステイに着けて、右にフィッシュアイのFIX 2500ルーメン、左に     の700ルーメンを着けたものだ。
 しばらくは、このシステムを固定的に使っても良いのではと思う。

 マンボウランド 潜水開始11時59分 終了12時32分、潜水時間33分 
水温18.6℃ 最大水深 6.4m 平均4.6m 
  ウエットは最初の10分ほどは、全く寒くなく、ウエイトバランスもよくて、久しぶりのウエットで身体もよく動き、気持ちが良かったが、次第に寒くなった。
左側にマンボウ右側に緑ちゃんで、手応えのある撮影が出来た。

 僕としては、この1本で帰っても良いとおもっていたのだが、村上お父さんがもう一本潜るというので、高根に、これも荒川さんが一緒に潜ってくれた。やはり80歳の僕は、だれかアシスタントについてくれていなければ、安全確保が出来ない。緑も上手に潜れるけれど、年に1-2度もぐる初心者ダイバーで、お父さんは緑よりも若干下手にみえる。 

高根 潜水開始13時21分終了13時43分、潜水時間22分 水温17.6℃
    最大水深 17.2m 平均13m 
 ウエットでは、最初から寒く、20分後には、震えが出てきた。
 透視度は8m程度で、1mの撮影距離ならば、なんとか撮影出来た。高根では、「豊かな海」の表紙になるような撮影もしたかったのだが、黒鯛と、メバルだけで、それに寒さに震えてしまったので、撮影にならなかった。
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   驚いたことに、ニコンのCOOLPIXで撮影したら、水中なのにGPSからの位置表示がでていた。
   マンボウランドにも、マンボウランドとでていた。荒川さんは出してもらう依頼はしていないという。
   ニコンのGPSデータベースには、全国の有名ダイビングスポットの名前が入っているのだろうか?

 
 帰途は15時にでて、19時30分に東京着、4時間30分
 往復で8時間30分の運転を一人で通し、2回の潜水は緩くはなかった。
「やれば、できる」
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 これで、GWのダイビングは終了、来年のGWは、そして緑の今年の夏休みは?

 荒川さんと、波佐間海中公園に沿岸漁業とダイビングサービスの結びつきの理想型を見ている。表紙の撮影をさせてもらっている「豊かな海」に寄稿させてもらおうと思っている。

5月6日 ラニヤード

スキンダイビングセフティの共著者、岡本美鈴がバハマで行われている国際大会で92mの自己ベスト、92m潜った。日本記録、アジア記録である。「今度は92mだね」と笑い話のように送り出したのだが、本当に92m潜った。
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 世界記録は、101m で、 Natalia MOLCHANOVA (RUS)  2011/09/23
 ナタリア・モルチョノバ と読むのだろう。すごいおばさんで、女子の世界記録を総なめにしている。水平潜水 ダイナミックでは、237mm 息こらえのスタティックでは、9分2秒 である。
 先日、ピピンの奥さんの、オードリーがケアレスミスで亡くなった、ノーリミッツ(なんでもあり)で 171m だった。そのノーリミッツの世界記録女子160mで、米国のTanya STREETER (USA) ナタリアが持っていない記録は、唯一このノーリミッツで、風船でなくて、地力で上って来る バリアブルでは 127mでナタリアが持っている。

 今度のバハマ で木下 紗由里 さんが、フリーイマージョンで77mでこれも日本新記録。この前が58mだったから、大幅の更新になる。フリーイマージョンというのは、ラインを手繰って潜り、たぐって浮上する。この種目も世界記録は、ナタリアで91mだ。

 今度のスキンダイビング・セフティの立ち上がりは、岡本美鈴が、辰巳のプールで泳いでいて、ちょっとおかしい動きの子を見て、直ちに上げたのでブラックアウト寸前で、事なきを得た。そのことから、ただのんびり泳いでいるだけのスキンダイビング練習会でも、少し無理をするとブラックアウトが起こり得る。辰巳国際水泳場で安全のための講習とミーティングをやった。題して「ダイビングプールでの素潜りセフティ」。2015年2月23日、僕もそれに出席して、これをセフティの本にしようと相談した。
当初は、プリントアウトに毛の生えた程度のもので、対談形式にしても良いかと思った。それにしても、本にしておけば、保存してくれて、何度も見なおしてもらえるだろう。人間、禁止事項、注意書きだけでは、履行してもらいにくい。なぜ、そうしなければならないのか知っておかないと履行してくれない。
しかし、本にするとなると、学術的な見地からの説明がほしい。実習、研修のテキストにもしたい。東京海洋大学の千足さん、藤本くんに声をかけた。一刻の躊躇もなく、二つ返事で引き受けてくれた。
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     ラニヤード

フリーダイビングも次第に広がって行くだろうが、根本の危険対策がなくて拡大したら、危険が拡大する。共著者の岡本美鈴は、深く潜るテクニックは、両刃の刃のようなもので、本を見たり、ネットで調べたりして「ひとり歩き」することが恐ろしいといっている。深く潜る練習は、必ず船を直上に停め、ガイドラインを下ろし、ラインとダイバーをラニヤードと呼ぶ、短い索でつないで潜水する。もしもの場合はカウンターバラストで、ガイドラインを引き上げ、同時に例えば気を失ったダイバーを釣り上げる。
なお、このつり上げシステムは、自分が27歳の時に実行した90m潜水とコンセプトは同じであり、更に洗練されたシステムである。80歳の80m潜水もこのシステムと同じような方法で行うことを考えている。

0510危険と 冒険について

  何かを書く度に危険と安全、そして冒険と探検について考える。
 スキンダイビング・セフティでも同じ、いや、特に危険と安全について、そして冒険について考えた。4人の共著者で、海洋大学准教授の千足先生は、多分標準的な考えとして、危険は遠ざけなければ行けない。冒険でも探検でも、常に安全を指向する。というだろう。学生の海洋実習を長らく担当されてきているから、とにかく危険は避ける方向だろう。藤本さんも、同じく東京海洋大学の准教授だから、危険は避ける方向だろう。スクーバダイビングもスキンダイビングも人間が生存できない水中にはまりこんで行くわけだから、そこに危険があることは確実で、一般的に言えば、できるだけこれを避ける。つまり冒険は避けるべきだというところだろう。
 フリーダイビングについて、いろいろな危険回避のための道具立て(システム)を確実にして、日常のトレーニングを繰り返しての活動だから、何も考えないで、危険に足を踏み込んでいる、スキンダイビングやスクーバダイビングよりもむしろ安全なのだ、と岡本美鈴は言うのかとおもった。僕との対談で、彼女は言う。本が出ないのに、中身を公表してしまうことは、どうかな、と思うけれど。根幹の部分だし、そして彼女の言葉がとても良いと思うので、あえて載せてしまう。まあ、予告編というのも、この世にはあるから良いだろう。
「須賀)本当に生命のギリギリまで極めようとするフリーダイビングを追求する意味はなんだろう。?
美鈴)上手く表現するのは難しいのですが、この競技は様々な事を学ばせてくれる「師匠」のような存在です。
最近の自分はフリーダイビングを競技としても人生としても「冒険」として楽しんでいると思っています。
冒険というと「危険行為や成功の見込みのないことを敢えてすること」という人もいますが。私にとっての「冒険」は一か八かのチャレンジではなく「成功する準備を重ねた上でのチャレンジ」という意味です。
須賀)生還することが何よりも重要な、目標。
美鈴)フリーダイビングは自分の息だけで素潜りの深さや距離、時間を競うスポーツで、例えば海の競技では、自分が潜れそうな深度を予め申告し当日はその長さにセットされたガイドロープに沿って潜るんですね。そこで今の自分を越えるために日頃から準備して、潜り、タグを取り、しっかり浮上する。
自分がどこまで深く潜れるのか知りたい、この下に広がる海底の景色や水圧の感覚はどうなんだろう?という原始的な好奇心から始まって、トレーニングなど準備のプロセスも含めて、このすべてが「冒険」になっています。」
僕の言いたいこと、いつも考えていることを、ぼくの表現よりも上手に言いあらわしている。
それでも本当にフリーダイビングは危険なスポーツだと思う。危険だからこそ、真剣に考え、トレーニングして準備を重ねて、生命を救うシステムを工夫して、装備して、還ることを目標とする。自分が今の状態で帰れる深さ、を目標として、設定してチャレンジする。
僕はフリーダイビングとスキンダイビングについて、その差を例えて、カーレースと日常の運転と考えてみた。しかし、全くちがう。フリーダイビングでは、危険の在処を身体の内側に見ている。同じく、美鈴の書いた部分に、身体の声を聞け!という言葉があった。まっすぐに身体をのばして、深みに潜降しながら、身体の内側に意識を集中して、身体の声が、上がれと言ったならば、直ちにターンして水面にもどる。

僕も深く潜ることを生涯のテーマにしていて、ニッポン潜水グラフィティでは、27歳の時に、100mを目指す潜水をした。そして、今月刊ダイバーに連載中の 続ニッポン潜水グラフィティでは、60歳の時に還暦記念の100m潜水をした時のことを書いている。もう、そのころは、混合ガスを使って、100m潜ることなど、日常の業務、とはいえないまでも、別に新記録でもなんでもなくなっていた。60歳の時には、危険は身体の中にあった。高血圧症だった。身体の内側との勝負だった。高血圧症で、潜水中止を勧告されて、日常生活と100m潜水が直結した身体の内側との勝負になった。
今、80歳になり、80mを潜ろうとしている。このことも月刊ダイバーの連載のラストシーンにしたいと思っているけれど、準備はまだまだで、連載の集結に間に合うかどうかわからない。

さて、1964年の潜水をテレビが放送した、その題名が「命綱を降ろせ」だった。僕は潜水とは命綱にたよって安全を確保するものだと思っている。命綱を離してしまえば、ディープダイビングは、一か八かの勝負になってしまう。フリーダイビングのコンスタントウエイト、垂直に潜る競技では、ガイドライン(命綱)を目標の深度まで下ろして、そのガイドラインと自分とを結ぶラニヤードを使う。もしものことがあれば、ガイドラインもダイバーがぶら下がったまま一括して引き上げてしまう。1964年の時にも、僕と館石さんはガイドラインに沿って潜り、もしものことがあったら、命綱と一緒に揚げてもらう算段だった。しかし、僕の場合はその揚げてもらうシステムが不備デアリ、洗練されていなかったために、引き上げることは出来ず、自力で這い上がった。

僕の潜水も、コンセプトとしては、フリーダイビングと同様に生命の維持は船の上の安全システム(フリーダイビングでは、カウンターバラストシステムに頼る。このシステムも洗練された命綱と考えることができる。)にかかっていた。
冒険というのは、その時点で困難と思われることを、出来る手段のすべてを尽くし、その上で目標を達成して、戻ってくる事を言うのだ。全てはパーフェクトではあり得ないので、それでも事故死者がでる。危険と安全を天秤の両側に乗せて、安全に傾くように、安全のための手段を片側に置く。安全の側に多くを乗せて、安全に大きく傾けるようにする。それでも、危険は片側にあるわけだから、安全の手段が抜け落ちた時に危険になる。

次に冒険と探検だが、冒険は危険だけど、探検ならば良いという人もいる。僕も長らく、ニッポン潜水グラフィティを書くまで、そう思ってきた。だから、探検が冒険になってしまってはいけないなどと書いている。探検と冒険の違いは、探検には生きて還ることはもちろんだが、その上に、そこに何があり、どうなっていたかのデータを収集しなければならないことが目標に加わる。無目的な冒険よりも危険が大きくなる。
僕は学生時代から、チェリー・ガラードの「世界最悪の旅」、スコット探検隊のことを書いたものを愛読していた。「世界最悪の旅」というタイトルはいただけない。「スコット探検隊の悲劇」とするべきだなどと思っていたが、この本は南極を目指して、帰路に遭難して、全員が死亡する事実を書いたものだ。このスコット探検隊と、同時に、ナンセンが南極を目指し、一歩先んじてしまう。そして、生還する。この差は何処にあったかというとナンセンは、目標を南極点到達という一点に絞った冒険的要素が強かったのに、スコット探検隊は、様々な調査を行い、記録しなければならなかった。探検的要素が強かったための遅れが全員の生命を奪った。探検の方が、未知の記録というモチベーションが高いのでより危険なのだ。
慎重に計画を立てた探検と、行き当たりばったりの冒険とはどちらが危険かといえば、計画のない冒険はより危険だろう。
探検は周到に計画され、冒険がいい加減な計画であれば、これは往々にしてそうなるのだが、冒険の方が危険である。冒険と探検の区別は、実際にはできにくい。ただ、探検とは、冒険プラスアルファであり天秤が危険の方に傾く。同一条件ならば、探検の方が危険である。

岡本美鈴は、今回のバハマでの競技会で92mと自己ベストを更新した。冒険に成功したのだ。「おめでとう。」

0512 波左間

 スキンダイビング・セフテイ を書き、追い込みに来ていて、そろそろ月刊ダイバーの原稿も書かなくてはならないとなると、ブログを書く時間がない。
 フェイスブックを時系列で追って、ちょっと説明して行こう。

5月9日、
湿疹が出来て体調が悪いけれど、波左間に向かう。メンバーは、須賀、山本、小俣、福田、石川、寺内
今回の予定は、魚探で人工魚礁の在処を探って、11台のカメラを投入する。
うまく行けば、一回の調査で、数カ所の人工魚礁を潜水しなくても確認ができる。
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11台のカメラを2台ずつ5箇所の人工魚礁、に入れた。
安い魚探だったけれど、人工魚礁を大体当てることができた。
しかし、透視度が悪く、魚群は写っていない。大きな魚礁にたいして2台ずつでは粗かった。少なくとも5台を一箇所にいれ、11台だったら、二つの魚礁にいれ、もう少し透視度が良ければ、何かがわかる。
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    6m角のFP 魚礁 魚は見えない。投入位置はいい。

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   深さ45mの鉄骨魚礁、投入位置は悪くないが、この透視度ではよく見えない。しかし、群れが居れば見える、写る位置だから、群れは居ないという判断はできる。

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   タイヤ礁 には石鯛が1尾写ったが、ここにもイサキの群れはいない。

カメラを投入しなかった魚礁、0.8角のニューパラダイスに潜った。ところが、何故かマスクに水が入り、抜いても抜いても、顔に合わせても、だめ。マスクに水が入って溺れた初心者にあいつはマスクの水抜きも出来なかった、などというのはやめようそういうこともあるのだ。60年潜水していて始めての経験。なんとか抑えたけれど、撮影はめちゃくちゃ。高齢になり、ほうれい線が水漏れの原因だろうか。次からは別のマスクにする。
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    14000円のSJ4000ニセモノカメラの絵悪くない」
 撮った写真はニコンと14000円のにせものSJだが、SJのほうがよかった。
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      これは、福田くんのキャノン一眼レフの絵

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波左間定置網のワラサ、美しい魚だ。80cm以下がワラサ、それ以上はブリと呼ぶのだそうだが、ブリ、すれすれの大きさ。このところ、伊東の定置でもワラサが大漁だし。しかし、水の中、人工魚礁を撮影しても、ワラサの影も形も写らない。その辺をぐるぐるまわっているのではなくて、一直線に網に突っ込んでくるのだろうか。

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僕たちの調査のメインターゲットにいているのは、イサキ、だが、僕たちのカメラにイサキも姿をみせなかった。定置には、それなりに入っているが、ワラサに比べれば、脇役以下。通行人程度。

定置網の近くに魚礁があるので、漁との関連性を見ようと思うのだが、魚礁の写真にはあまり写らなくてもァミには魚は入る。関連が無いわけはないが、魚礁の写真の方が見ている範囲が狭すぎるのだろう。

0515

いい季節になった。
午前11時から12時まで、社会スポーツセンターの理事会がある。茅場町のセントラルスポーツ本社であるので、永代橋をわたって行く、水上バス、というのだろうか、それが佃島摩天楼の方向からくる。小走りに走っていったが、良いポジションでは写真がとれなかった。と今度は浅草の方から水上バスが来る。今度は、良いポジションで撮れた。沢山のお客がバスの天井のデッキにあがって、川風を楽しんでいる。
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また、水上バスが川上から、佃島の方に向かう。それぞれ、デザインを誇っている。
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5分ほどの間に3隻の水上バスが見られた。ちょうどラッシュ時間なのだろうか。

理事会にネクタイを締めてゆくのがいやだ。しかし、いつもの形ではマズイだろう。
Gパンを出してきた。太ももの部分が破れている。まあ、これはこれでいいだろうが、そろそろ新しいのも買わなくては、薄手の合成繊維の紺のT シャツを着る。この前に労働衣料やで500円で買ったもので、胸の部分にポケットがある。これがあることが、ぼくにとっては重要、補聴器が入る。夏はこのポケットがないと困る。その上に紺の麻の夏のブレザーを着た。これで何とかごまかせるだろう。
遥か遠い昔、格好を付けている時に、このブレザーを買った。ポールスチュアートでとても気に入っている。未だ気に入って着ているのだが、袖口の部分と襟の部分が少し擦り切れている。ブレザーというものは、若い頃に買ったものをそのままいつまでも着ていればこうなるのだから、それでいい、と自分では決めているが、よそ目にはどうだろう。

理事会にほぼ一番乗りで来て席についた。瀬田さんが寄ってきて、社長がうるさい人だから、キャップをぬいていてくださいという。携帯も切ってくださいね。ネクタイをしていない僕は、これで良いのかと聞く、Tシャツの上にネクタイは出来ないから仕方がないのだろう。それで結構ですとなった。
会議は、議案書を読んで、拍手で終了。昔はダイビング業界のことなど、僕が説明したりしていたのだが、今はそういうことはない。スキンダイビング・セフティが出来上がっていれば持ってきて説明するのだが、未だ間に合わない。
CMASジェフの後藤くんが何か業界の説明をしていた。
お弁当を食べて解散。
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キヌガワの内田さんが、僕に用意してくれたバラクーダを石川が持っていったから、というのでお礼を言っておいた。なんでもっとたくさん作らないのか聞く。鯛焼きを焼くのと同じだから、どんどんできるだろうに。ゴム製のフィンとしては最大なので、なかなか時間がかかるのだそうだ。たちまち売り切れる。
 石川さんに電話して、僕のバラクーダ、白をもらいに行くと言ったら、他の人のところに間違って送ってしまって白が残っていないようなことを言う。白でないと困るのだ。フィンの白で、ホワイトバランスをマニュアルでとるつもりでいる。今履いているブラックがあるから、別に急がないので、白を取り戻して置いてくれるように頼んでおいた。
キヌガワもショールームが綺麗になったというから、自分で引取に行った方がよかったか。
そのショールームにスキンダイビング・セフティを置かせてもらおう。本が売れるようなショールームならば良いけれど、まず期待薄。
帰りにお茶を、河合先生、吉田先生、瀬田さんとする。お台場の企画とか、80mの企画の話をするが、企画書をととのえてスタートしなければ、と、気が焦るだけで、足は空回りしている。

0516 冒険

  夢と冒険を追う、なんて歳がいのないキャッチフレーズで日本潜水グラフィテイを書き、今も続を書いている。一方で、冒険はいけない。冒険になってしまってはいけない。などと言われる。

 土曜日に一緒に潜っていた小俣君が、人喰いバクテリアに取り憑かれて、一日遅れたら足の切断、一週間遅れたら命があぶないというたいへんなことになり、入院してしまった。早く,復帰を願うばかりだが、彼も、いつも夢と冒険を口にしている。立派な会社の社長さんが、冒険を追って良いのかな?と心配したりしていたが、今度の病気でも 夢と冒険が彼の支えにならなかったら、不安と、拷問のような痛みに、耐えられないだろう。、「こんなことで、僕の夢は消えやしない。」という。何もしてあげられないのがつらい。エールをおくるだけだ。
 僕の書いた「日本潜水グラフイティ」をそばに置いてくれるということだ。優しい人だから、社交辞令だと思うけれど、うれしい。僕はこの本を冒険ノンフィクションのつもりで書いた。小俣さんのおかげで、胸を張って夢と冒険を追うと言える。
 僕にとって、80歳を越えて生きる今は、日々が冒険だ。高齢化、そして逃れよもない死へと向かうこと、人生最大の冒険と思わなければ、希望のなさに押しつぶされてしまう。

 昔、1980年代、平凡社が出していた、「アニマ」という雑誌があった。休刊になるまでのほとんど全部をもっていて、ときどき手に取る。その特集号で「冒険ダイビング」というのがある。今も活躍している、当時は本当に若手の、人たちも名前を連ねている。残念だけれど、僕はこの雑誌に寄稿していない。このアニマが休刊になってしばらく後に、平凡社の三代目社長と知り合いになった。
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  1987年のアニマ、今活躍している人が名前を連ねている。このアニマが自然写真家の登竜門でもあった。
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ここでは、海の生物の研究はすべて、正々堂々と冒険だったのだ。僕の定義によれば、観察したり記録したりすることは探検だとしているのだが、ここでは探検もすべてひとくくりにして冒険なのだ。
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 心をわくわくさせるような、冒険もあるし、痛みと恐怖に耐えるという冒険もある。高齢という、死ぬまでの時間を過ごす冒険もある。

 僕は、ダイビングは、スポーツダイビングもリサーチダイビングもそして作業潜水も冒険だと思っている。たとえば作業潜水は、冒険と思わなければ、陸上の鳶職よりも少ないギャラで、生命を失うかもしれない水の中の労働などやってられない。
 スポーツとよぼうが、レクリエーショナルダイビングと呼ぼうが、レジャーダイビングと言おうが、どうでもいいけれど、その遊びのダイビングが冒険ではなくなって、致死性の高い商業スポーツだと呼ばれるようになり、面白くもなんともなくなった。

 どうも、冒険というと、イコール危険だと思っている人がいるらしい。
 冒険とは、危険、辛さに耐え、切り抜けて行く心の持ち方であり、危険とか安全とかは、その場、今そこにある事実である。もちろん危険を無視した無謀な冒険とか、一か八かやってみよう的な冒険とか、準備周到な冒険とか、冒険には形容詞がつく。それぞれの責任で途を選び決定することだ。
 とにかく、僕はスポーツという行動、活動を商品としてしまうことには、反対だ。それは、プロのダイバー、インストラクターもガイドダイバーもプロであれば、その知識、経験、労働を売って生活しなければならない労働者である。お客はその知識、経験、労働に対価は払うけれど、スポーツという商品がそこにあるわけではない。人間が生き続けて行けない水中に入るという危険な行動が商品になるものなのだろうか。商品であれば、安全でなければならない。だから僕はケーブルダイビングシステムという、お客を有線通話ケーブルで繋いでおく道具と使い方を商品として売ろうとした。残念ながら失敗した。安全は商品として売れなかった。なぜなら、ダイビングは冒険だからだった

0519 日記

 スキンダイビング・セフティの中で、自分が常用している器材という項を設けた。マスクとかフィンのうんちくをそれぞれ、語ってもらうのが意図だ。マスクについて、生理学者で、良いフリーダイバーでもある、藤本君が、スフェラを愛用のマスクに挙げている。美鈴さんはスフェラとクレッシイのミニモを挙げている。内容積が少なくて、マスクブローの必要が小さく、スマートなマスクである。
 
 スフェラは、レンズ部分が曲面になっている。前にもいちど試しに借りてつかったことがあるが、水中での遠近感が平面レンズとはまるで違うので、これは、ダメ、使えないと決めていた。しかし、今度は藤本君と美鈴さんが真面目に、これは良いと言っている。
 もう一度使ってみよう。それほど高価なマスクではないので、だめならばお蔵入りにすれば良いと、注文した。

 辰巳で使ってみたが、やはり遠近感が違うし、見たものが歪む感じで、これは危ないとお蔵入りにしようと決めた。しかし、待てよ、もう少し使ったら慣れることができるかも知れない。視覚についてだけなれることができれば、顔あたりも良く、浸水も無い。
 5月18日、辰巳でとにかく、なれるまで我慢しよう。なれることができるだろうか?
と試してみた。このマスクを通して見ると、なにか、いつもの平面レンズのマスクとは違った世界がある。フリスビーもこれでやってみたが、ディスクをつかむことができる。面白いから、スキンダイビングだけはこれを常用してみようか。
 調査などでは、ものを正確に見なければいけないので使えないが。

 今日、浦安海豚倶楽部の練習で使ってみた。なんとなく慣れてきた。慣れてみれば、このマスクは、外面、外から見て格好がいい。今使っているダイブウエイズのアイアイは、水漏れについては良いのだが、外からの見てくれが、垂れ目のようで、気に入らない。
 スキンダイビングはこれにしようと決めた。

 バラクーダのホワイト、スタンダートが来た。今日の海豚倶楽部で使ってみた。やはり、硬い「プロ」よりは足を振れる。速さの物差しになってくれている玉田さんと泳いだ。22mの勝負だったが、差はタッチだったが、気持ちに余裕があって勝つことができた。こんど50mの長水路で泳いでみてタイムをとってみよう。
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そんなことで、スフェラもホワイトバラクーダも気に入って、バラクーダの付属しているフィンバックに入れて、夜の辰巳のスノーケリング講習にも持っていった。
これは失敗で、講習の講師だから、あまり泳がないで指導するのに、重いバラクーダでは、取り回しが良くない。次回からはタバタのカイルを使うことにしょう。
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そのスノーケリング講習だが、夏前なので、定員30名がフルブッキング、年齢が6歳から70歳、スノーケリング・セフティに生涯スポーツだと書いたのだが、、本当に生涯スポーツだ。子供はお父さん、お母さんとバディでなければ参加でき無いのだが、そのお父さん、お母さんに30代の人が、2人いるだけ。20歳代はゼロだ。
考えてしまった。おそらく、20代は忙しくて、こんな市民スポーツ行事にはさんかできないのだろう。このコースを始めた15年前にはそんなことが無かった。

明日は水中調査撮影研究会のワークショップで人工魚礁の話をする。僕のダイビング人生は人工魚礁とともにあったということもできる。話すことがたくさんありすぎて整理がつかない。人工魚礁の話をするべきか、調査の分析方法の検討会にするべきか迷うが、予定では人工魚礁について語るつもりだったので、それで行って、分析についても、ある程度準備しよう。

 まとまりがなくなってしまったが、まとまりのあることをきっちり書くことが、出来ない頭脳状況だ。こんな日には日記にする。とにかく、ダイビングのことを書く。

0521 日記

 初めて、上野東京ラインに乗った。迷うだろうと思っていたのだが、やはり迷った。一番最初に来た電車に乗って、なかなか快適、いつもの様に本を読んで、眼を上げて、電光掲示を見ると、次は北千住。え、おかしい。行き先は土浦だ。まちがった。北千住で降りて、上野まで逆戻りして、すぐに来た高崎線に乗った。
 大宮の駅も、最近、といっても20年この方降り立ったことがない。中の立派にさにおどろく、まあ、いまごろでは当然だが、広島駅よりも大きいみたいだ。
 駅前のマックの前で山本さんと待ち合わせて、小俣さんのお見舞いに行く。山本さんは水中調査撮影研究会の会長で、小俣さんは会員だ。先日の魚礁調査で、足の上にタンクを落として、腫れ上がり、熱がでて、大病院に行って、人食いバクテリアに侵されたことが判明した。もうちょっと遅れたら、足の一本、もしかしたら生命も危なかった。

 マックの前の待ち合わせで、僕が約束の時間の30分ぐらい早く着いたので、久しぶりで、マックのテリヤキバーガーを食べた。けっこう美味しかった。マックが経営不振というけれど、いつも混んでいるし、客単価が安いのかな。実は山本さんも30分ぐらい前にきていて、ロータリーの駐車場に入っていたのだ。

入院先の自治医大の医療センターに行く。立派な大きい病院だ。受付で、名前を告げても病室番号がわからないと入れてくれない。プライバシーを守るためだが、これも最初の経験だった。なんとか調べて、病室のある階に行ったけど、病室に不在で、少し待った。今日はじめて風呂に入って良くなったので、風呂に行っていたそうだ。
 元気になって良かった。足を切開したり、猛烈に痛いらしいけど、外傷だから、男の子は絶えなくちゃ。しかし、僕は耐えられるかどうかわからない。お待たさんはすごい人だ。
しかし、僕は、これを機会に全面的な禁酒、そして、糖尿の徹底的な治療を薦める。快気祝に酒盛りをやるようでは、長生きしない。生きられるかも知れないが、アスリートとしての長生きをすることは難しい。生きていれば生きているだけ幸せになれる人なのだから、そう生きてもらいたい。
 お見舞いに本と僕の60歳100m潜水の報告書を持って行ってさし上げた。この報告書、1500部刷ったのだけれど、残部僅少になってきた。それと、若手探検家で、ぼくのともだちでもある角幡唯介の「空白の5マイル」という探検紀行、それに塩野七生の「レバント海戦」を持っていった。レバント海戦は、チャンバラの史劇で、昔読んで面白くて、昨年、イタリアに行き、もう一度、塩野七生のこのシリーズを読むのに、残していたのを忘れて、もう一冊100円で買ってしまったものだ。多分、これが気に入ってもらえるだろう。
 とても元気に見えたので、6月は無理でも、7月の定例潜水には来られるだろうか?
とにかく、良かった。
 自分の人生の方は、つらい山の連続。いろいろな意味でナーバスになっている。何か、企画したり、やろうとしたりすると、必ず、人間関係の調整が必須となり、心楽しくはやれない。しかし、乗り越えなくては。

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 明日はスキンダイビング・セフティの初校、二校の余裕はない。送られてきた原稿をみて、230P 、後いろいろなリストを入れて、240Pぐらいになるかな。ちょっと字が小さいかなと思うけれど、こういう本としては、これで良いのだろう。



0522 潜水士とケーブルダイビングシステム

何時も一緒に潜っている早稲田の博士課程の学生から、後輩が潜水士の試験を受けるから、今度の改正で、僕と工藤くんの書いた改正前の参考書「一発合格」で大丈夫かという質問がきた。
まず、新テキストを読んでください。改正になって試験と関係のあるのは減圧表の部分です。減圧表を規則に組み込んでいたものを外して、代わりに減圧理論が入ってきました。参考書「一発合格」を減圧表の部分を外した全体は、有効です。おそらく、今年の試験も減圧表の部分を外して、後は、従来の問題が、そのまま出るものと思われます。 新しく減圧表に入れ替わって加入した減圧理論についてですが、用語として、M値、半飽和組織について新しく書き加えられています。しかし、新しいテキストのM値の説明は、説明が下手で、理解不能です。なんだかわかりません。試験としては、テキストの160pの用語の定義のフレーズを覚えておけば良いでしょう。「過飽和もある圧力以内では減圧症に罹患しない。その減圧症に罹患しない最大の不活性ガス分圧をM値という。」なんだかわからない説明は丸暗記する他ない。後は、純酸素を減圧に使用できるようになったこと、窒素分圧の最大が定められて、空気では40m以上に潜れなくなり、その代わりに混合ガスの使用の説明があります。これも覚えておくこと、器材としてはリブリーザーの説明が付け加えられていて、この部分にちょっと山をかけています。リブリーザーの長所短所を覚えておいてください。これで、現役の大学生ならば、五択の選択の感があるでしょうから、一発合格となるでしょう。
こんなことを書いたら、工藤くんから書き込みがあった。
なんだか、高気圧室内作業向けの法改正、システム潜水屋さん向けの新テキストで、従来の潜りさん向けの話はかやの外になってしまったような感じですよね。時代の流れなのでしょうか?
新テキストは、180度までいかないにしても、80度くらいは斜めに進んでしまった感があります。そう思うのは僕だけでしょうか?

 僕もそう思う。作業潜水の港湾潜水士は、未だなんとかなるとして、水産、漁業の潜水は、これでもう壊滅する。
 これまででも、漁業者がこの試験を通るのは難しかった。問題が難しいとか易しいとか言う前に、筆記試験というものがもう駄目な人がおよそ半数である。これまでの試験で半数だったから、今度の改正で、新しく漁業者が潜水士になることは、更に半分になるだろう。窒素の溶けこみと同様に、指数関数的に受かる者が減ってゆく。
 工藤君も北海道で、漁師さんの潜水士受験講習で頭を痛めている。東京近在では、漁業者がダイビングを習って、アワビの稚貝放流をやりたいということで、潜水士が取れないと困る。決して能力が低いわけではない。ビジネスと漁については卓越した能力をもっている。しかし、40歳過ぎてから数式が沢山出てくる試験に合格することは不可能な人が、半数以上だろう。

 そして、もう一つ困ったことがある。今度の規則改正で、窒素分圧が400kPa(キロパスカル)を超えてはいけないことになった。
工藤くんの説明によれば、
空気100%=酸素21%+窒素79%を
空気100kPa=酸素21kPa+窒素79kPa
と、%をそのままkPaに読み替えても良く、
窒素400kPaまでの制限は、
400kPa÷79kPa=5(絶対圧力)なので40mが空気の限界
これもかなりややこしい。なんだかわからない人がほとんどだろう。要するに、400kPa以上に窒素の分圧の高い空気を吸ってはいけないと規則で定めたわけだ。窒素が400ということは、1気圧(大気圧)で79だから、400を79で割れば、およそ5atmになる。絶対圧5気圧は、40mだから、40m以上空気で潜ってはいけないことになった。
漁業の潜水、たとえば定置網漁業では40mを超える潜水が毎度のことである。その度に混合ガスを作ることなど、漁業組合では難しい。規則は無視する他ない。無視するだろう。旧減圧表のように90mまで空気で潜れるというのが世界の常識に外れているといっても、せめて60-70mは空気で潜って良いことにしておかないと。潜水作業が、できなくなってしまう。知人の多い、北海道知床半島の定置では、どうするのだろう。この規則改訂は、水産の潜水の首を締めてしまう。
一方で、僕も潜った事がある大分県の保戸島で60mに空気で3人が潜って全員死んでしまった。しかしこれは空気で潜ったから、だけではなくて、下手くそが一人混ざっていたからで、しかも、水面との連絡手段を全く講じていなかった。40m以上は、有線通話機を持つとか中性浮力の命綱をもつこととかすると、僕の考えたケーブルダイビングシステムになる。もはやケーブルダイビングシステムは、在庫も無くなってしまったし、自分の分として2セット残っているだけだ。
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なんだかんだ言ってもやはりケーブルダイビングシステムがあきらめられないのだ。
 
 レクリエーションダイビングでも、困ったことがある。インストラクターやガイドダイバーはプロの潜水士として、規則に従わなくてはいけない。規則は作業ダイバーのための規則だから、インストラクター、ガイドダイバーと一緒にバディで潜る、お客もこの規則に従わなくてはならなくなる。
 全てが作業潜水の規則で縛られる。水産の現場でも、スポーツの現場でも毎度無視、違反し続ける他ないだろう。そして、その工事作業潜水でも、工藤くんの言うとおりで、お金のかかるシステム潜水で行わなくてはならなくなる。そんなことはできにくいから、無視するだろう。

 どうしたら良いのだろうか。漁師さんでも受験に受かる参考書を作る。レクリエーションについては、問題点を洗い出すようなシンポジウム、フォーラムをやって、問題提起する。そんなことで、とりあえず、様子を見る他はない。

0526 スノーケリング

スキンダイビング・セフティの初校が出て、なおすところが多い。多すぎる。スキンダイビング活動などについては、ほとんど書き直しに近い状態になってしまった。頭の中で考えていること、それをそのままストレートに筆に乗せたもの、そして印刷して校正、そして、公刊となると本当に言葉の隅々まで気になる。
 技術的な問題は無いのだが、ダイビングは、こうあるべきだという主張になると、書き直しが続く。
 まず問題は、スノーケリングとスキンダイビングの区別である。15年前、浦安運動公園の屋内多目的プールでスノーケリング講習を始めた時、迷いもなく、スノーケリングとはあまり無理をしないスキンダイビングで、潜って耳が痛くなる3mぐらいまでは潜水する。耳抜きも教えるから、5mぐらいまでは潜れて、水平に10mぐらいまで潜るスノーケリングだった。
 自分も常務理事として関わってきた社団法人社会スポーツセンターが、スノーケリングとは、フローティングジャケットを着けて、浮いて泳ぎ、沈まない、潜らない水面遊泳をスノーケリングと呼ぶとして、スノーケリング協会を作った。それ以前に社会スポーツセンターとして、僕の企画でスノーケリングセミナーをやっていたりして、スノーケリング協会の役職に着くような依頼も受けたが、自分としては、やはり無理の無いスキンダイビングがスノーケリングングなのでという考えを持っていたから受けられなかった。
 しかし、やはり小さい子供、小学生の海辺の活動は、安全が何よりも優先する。中学生、小学生、並びに同行する父兄はフローティングジャケットを着けさせた方が安全であることは間違いない。
 プールではスキンダイビングをやらせて、潜れるようになった状態で、海ではフローティングジャケットを着けさせるのが最も安全度が高い。
 海ではフローティングジャケットを着けることと指導しているが、子供はどうしても、深さ3mぐらいまでは自由に潜りたい。自由に潜れる子どもの倶楽部を作った。ただし、絶対的に、お父さんお母さん、もしくは祖父母とのバディを必須とした。最近の祖父母せだいは、よく泳ぐアスリートが少なくない。この倶楽部で毎月プールで練習をしていることを条件にして、一年に一度スノーケリング遠足をした。3年ほど続き、沖縄の慶良間と千葉県の坂田へのツアーをして、好評だったが、親が常に子供の練習についてくるのは無理、そして、子供も塾もあるし、サッカークラブもある。それが優先であり、やめることにした。いつも来てくれていた緑ちゃんは、大学生になり、毎年GWには一緒に、今はスクーバダイビングをやっているが、フリッパークラブの成果はそんなものだ。
 しかし、スノーケリング教室の方は、毎年続いていて、親子のバディに固執している。
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 今年も、先週の火曜日から、夜の1900-2100まで、事実上は2030までの講習会が始まった。人気があって30名の定員は埋まっている。夏休みに海に行く前の練習になる。そして、プールでは潜り、海ではフローティングシャケットで浮く。安全度が高いと思う。
年齢組成は6歳が2名、8歳が7名でもちろんお父さん、お母さんとのバディ、70歳が1名、67歳が1名、ほんとうに生涯スポーツと言える。なお、20代は一人もいなかった。子供とバディのお母さんは30代の人も居る。生涯スポーツとしての年齢組成の傾向である。
プログラムどおりに、まず最初の一日目は、水平に浮く練習。水平に、5分浮いていられて、その間に立ち上がらなければ、これができれば、事実上スノーケリングはできる。しかし、なかなかできない。泳ぐほうが楽で、静止すると沈んでしまう。
二日目、今日は、バディを緊密に組んで、プールをまわるように泳ぐ。これをラウンドとよんでいるが、これを30分、次にはプールの長辺、このプールでは22mを泳ぐ、最初は微速で、次に、普通の速さで、最後には現時点でのトップスピードで泳いでもらう。早く泳ぐ方が身体が安定する。
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やはり6歳の子は無理で、8歳の子にはついて行かれない。別にどうしても上手にする必要もないので、水に慣れれば良いだけ、そして、これでは海に連れて行って、フローティングベストを着けなければとても危ないということが、わかってもらえれば良い。
そして、マスククリアーの練習に入る。だれでもマスクの中に水を入れるのは嫌だから、たいていのスノーケリング講習会ではこれをやらない。フローティングジャケットをつけていれば、水中でマスククリアーをする必要も無いのだが、波をかぶってマスクに水が入った時に慌てないように、そして水に慣れること。

2時間ずつ4回だが、これで2回半分、6歳の子を除いては、普通に泳げる用になってきた。

0527 日記

日記  5月27日
スキンダイビング・セフティの最終段階で、どうも自分の書いた部分が気に入らない。技術的なことではなくて、スノーケリングング、スキンダイビング、フリーダイビングの線引をやっているのだが、そもそも、線など引くべきなのか、と思ってしまう。そして、スノーケリングだけはフローティングベストをつけて浮いて泳ぐ遊びになっている。浮いているのだからもはや潜水ではないと思ってしまうのだが、ちょうど現在進行中の浦安でのスノーケリング講習で6歳の子がお母さん連れで来ている。これはフローティングベストが絶対に必要だ。
 そして、6歳の子にマスククリアーなどを教えたりしていると、これはこれで、意味のあることで、ベストなしで泳げて、マスククリアーのまね事だけでも習った子が、フローティングベストを着けて安全な水面でお母さんと手を繋いで遊ぶのは良いな、と思う。
 フローティング・ベストをここでは強調しよう。
 前に買った子供用のフローティングベストのサンプルを浦安プールにおいてあるのだが、6歳の子供には大きすぎた。アマゾンで子供用、3-6歳用が1780円だったので、注文してみた。次回の講習で、ほぼ溺れそうでお母さんとお兄さんの間に挟んで、泳がせていた子に着せて見よう。
 
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    ダッシュで泳げる子も何人か居るが。

 そんなことをやっている一方で、92mまで潜る、フリーダイビングの美鈴の原稿など見ていると、巾の広さを考えてしまう。
 一方で、スノーケリングの相談に乗ってくれるところというので、館山、沖ノ島で活動している団体に、この本の紹介欄に名前を上げてよいかとたずねたら、スキンダイビング・セフティ というタイトルなので、こちらはスノーケリング専門なので、載せる必要が無いと断られた。全国のスノーケリング協会について、社会スポーツセンターからリストをもらっているので、紹介はそれで充分なのだが、なんとなく、スノーケリング業界のようなものが形成されてゆくのか、すでに形成されているのか?
 まだ、スノーケリングがフローティングベストとは関わりが無く、海水浴でもフローティングベストを着けた方が良いと、提案して「海辺に親しむ」にスノーケリングのことを書いたのが2003年だった。だから何だ? なんでも無いのだが。
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 今日は御茶ノ水の順天堂病院へ、河合先生の隔月の診療日

 御茶ノ水に出ると、何か、街へ出るという感じがする。別に田舎にいるわけではないし、大手町とか東京駅、東西線沿線は自分の街のようなものなのだが、なんとなく。
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 会計と薬ができるまで、順天堂の中にある山の上ホテルの直営の「ヒルトップ」でホットケーキセット、コーヒーを頼んで時間をつぶす。ホットケーキが、割と好きでマクドナルドニタマに入ると、ホットケーキを食べたりする。
その後、御茶ノ水の駅前の丸善に行くのが常で、まず、丸善の文具屋に行く。昔はこんな文具屋が各街に1-2軒はあったのに、100円ショップに負けて、みんな消えてしまって、御茶ノ水の丸善と、東京駅丸の内オアゾの丸善だけが、僕の縄張りにある文具屋だ。今日は何も買うものがなかった。隣の書籍にまわる。ここに入らないと、気がすまない。何も買わないと心に誓って入ったのだが、ナショナルジオグラフィックに「イルカと話せる日が来るか」という特集で、どうせ、大したことは書いていないだろうとは思いつつ、他のバイオロギングの記事とかメコン川の記事、などが読みたくなり、およそ20年ぶりだろうか、ナショジェオの新本を買ってしまった。僕はイルカ教信者ではないが、イルカと同類のドルフィンダイバーたちが、イルカ殺しに反対の姿勢を見せないのはなぜだろうとおもったりしている。僕の感性だとイルカと遊んだり、イルカ殺しを賛成したりは出来ない。イルカについて書くと際限もないことになってしまう。
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これで勢いがついてしまって、「IPS 細胞:黒木登志夫:中公新書」を買ってしまった。パラパラと見たら、なんとなく僕でも理解できそうだったので。

大手町地下鉄駅の改札右側にスタバの新しいルームが出来た。古い方のスタバで買って、こちらは椅子席だけだ。このお店、昔は甘いものの立田野だった。この立田野にオーナー、村上さんが日大の水泳のコーチで、古橋、橋爪は、セントラルスポーツの後藤社長の師匠だった。割合と親しくで、僕が村上さんに水泳のコーチ用の半袖ワンピースの3mmのウエットスーツを紹介して、それがコーチに普及した。
とおに村上さんは亡くなったのだが、この店の、甘いものではなく、ランチタイム限定のカレーライスが好きだったのだが、立田野が店をたたみ、その後メキシコ料理とかいろいろ変わったが続かなかった。すごく良い場所なのに、と思ったら、スターバックスになってしまった。
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 まとまった事を書くのが難儀でこんなものを書いてしまった。すてるのももったいなくて、それに書きなおしている時間もない。

0529 スキンダイビング・セフティ あとがき

 ようやくスキンダイビング・セフティ あとがきまでこぎつけた。

 この企画は、フリーダイビングで92mの深さに潜った岡本美鈴が、スキンダイビングを楽しむ人たちの無自覚と無知を危ないと懸念して、「スキンダイビング・セフティ」というミーティングを行なったことから始まった。ので、この本のタイトルにした。それに東京海洋大学の実習でスキンダイビングを教えている千足くん、息こらえ、フリーダイビングの生理学の研究者である藤本くんを誘って、4人の共著になった。
 この本ではいくつかの提案をしている。その一つはローカルルールの重視である。ローカルルールとは、ある特定の地方、場所、組織、団体、状況などでのみ適用されるルールとされていて、ここでは安全を目的として、その時、その場でどんな技術を持つダイバーが何をするのかによっての取り決めをいう。
 スノーケリング、スキンダイビング、フリーダイビングの線引をしたが、これもローカルルールであリ、国が定めた規則でもないし、国際的な通則でもない。しかし、ダイビングの安全はこのローカルルールにかかっている。この線引の議論を尽くすことがまだまだ必要であり、その議論こそが、安全のための議論になる。今後どう変わって行くのか、そのための提案でもある。
この本は、未完であり、未完だからこそ、本という形にまとめたかった。この本を手にして、リーダーどうし、あるいはリーダーとメンバーが、議論を交わし、その場、その状況で最も安全と思われるローカルルールを形にしてほしい。

本の中の、具体的な活動例や事故例は、個人的な例だから、削除してしまおうかと、何度も思った。しかし、この本の読者をスキンダイビングでくくられる水中活動の具体例を知りたいと思う人と想定し、議論のテーマ、自分たちのローカルルールのための参考になろうと、削除しなかった。

また、話題を集めているフリーダイビングの技術的な本当の姿、危険も明らかにして、ダイビング全般の安全のための参考にしたかった。これは岡本美鈴の願いである。

千足くんの「スキンダイビング入門」は、どこでも通用するテキストである。
藤本くんの「生理学」これまでに書かれたダイビングの生理学的な障害についてかかれたものにうちで、もっとも明解なものである。

個人的なことになるが、須賀は、長い間大学のダイビング部活動に関わってきた。各クラブは、自分たちクラブのローカルルールをまとめて、公表してほしい。事故例が学生のものばかりになったのは、そういう経緯からであった。

最後に共著者の美鈴さん、千足くん、藤本くん(東京海洋大学の准教授なのに、先生と呼ぶよりも、くんと呼んだほうが親近感がある)まとめて下さった成山堂書店の小野さんにお礼を言い、80歳の冒険的独走をいつも支えてくれている、日本水中科学協会のメンバーの皆様にお礼をいう。
  共著者を代表して  須賀次郎

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0530 アグルーカの行方

 若い頃からおなじことをくりかえしているのだから、「バカは死ななきゃ治らない」と割り切れば良いのだが、それができるほど大人じゃない。80にもなって、やはり死ななきゃだめかな。と思う。
 失敗には、慣れているはずなのに、バランス感覚をくずしてしまう。そして思い切りが悪くなる。所詮、世の中90%のことは思い通りにならない。10%を拡大解釈して生きる途を探すのだ、とも割り切っているはずなのに迷ってしまう。いいさ、もっと迷っていよう。ということにとりあえずする。迷っている時に決断するとろくなことはない。となると、いつも迷っているのだから困ってしまうが。重大なことは、しばらく迷っていよう。
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 そんな時に読むのは、冒険小説、あるいは冒険ノンフィクション、小説はほとんどすべてが冒険小説なのだとも思っているので、その中で大上段に振りかぶった、取り分けの冒険小説には、感動するような冒険小説にはこのところお目にかかっていない。
 そこで、冒険ノンフィクション「アグルーカの行方:角幡唯介:集英社文庫」
 角幡君は、僕のダイビングの弟子で、弟子はみんな君づけで呼ぶのだが。彼が朝日新聞の記者時代に荒川の環境問題的探検で、ダイビングをやるので、お台場でダイビングを教え、一緒に荒川で潜った。ダイビングの冒険をそのうち一緒にやろうなどと言って別れたが、僕のほうが彼の冒険に付き合える体力がなくなってしまったから、このままで終わってしまうだろう。
 彼は、本格的冒険家だ。彼に言わせれば、僕がダイビングは冒険だ、などというと、「冒険ごっこだな」とか「冒険の意味がちがう」と言われるだろう。僕たちの冒険は、危険のあるところに、危険を避けるべく準備をして、安全に戻ってくることを目標にする冒険である。彼の冒険は、危険のあるところに、あえて生死すれすれのところに突っ込んでゆく。一緒に本を書いた岡本美鈴も、生死すれすれを狙うが、無理だと思うとアーリーターンをして生命を護る。スポーツなのだ。角幡等の冒険家はアーリーターンはあり得ない。そして、危険を察知すると避けるのではなくて、より危険な方に、もちろん限度すれすれだが突っ込んでゆく。
 何が悲しくてそんなことをするのだろう。と思う。
 理由はいろいろで、各冒険家によって様々だろうが、各旗君の場合は冒険ノンフィクションを書くためだ。なぜ、冒険ノンフィクションを書くのかといえば、僕のように迷った時、辛い時にそれを読んで勇気づけられ、辛さに立ち向かえるように自分の心をリセットするためだ。これは、ものすごく意味のあることなのだ。それが、絵空事でなく、つくりごとでないノンフィクションであるから、本物的に勇気づけられるのだ。

 一緒に人工魚礁探検、これも探検ごっこだけれど、ある意味命がけなのだが、それを一緒にやっている小俣さんが人喰いバクテリア・なんと冒険的な病気だろう、にやられた。今は人喰い虎などは保護される希少ネコ科の動物だが、人喰いバクテリアだ。ジャングルではなく、病院で命がけの闘いをやった。ようやく危機を脱したと思われるが、そんな彼を勇気づけるため、角幡唯介の出世作ともいうべき「空白の五マイル」を持っていった。
 これは角幡が、チベットのツアンボー峡谷という誰も入って抜けたことのない峡谷に挑んだ話だ。現在は人跡未踏のところは、チベットの奥まで行かないと無いのだ。これは、彼が、名高い早稲田大学探検部時代から目指していたもので、朝日新聞の記者を辞めて、踏み込んで行ったものだ。何故そんなことを?これはすでに書いた。
 目的通りに九死に一生の思いをして、開高健ノンフィクション賞をもらって、ノンフィクション作家としてプロの作家になった。
 
 ふと思う。ダイバーは、気軽く大瀬崎あたりにいって、80mも空気で潜れば、瞬間的に九死に一生の思いができる。チベットの奥に行くより楽だ。70歳のころリブリーザーでそんなことをやり、60mまで行ったが、これは死ぬ、とおもって、売り払ってしまった。今は、売ってしまったことを後悔している。80歳の80mを軽く出来たのにと。

 ようやくアグルーカに戻ってきた。これは北極で北極をヨーロッパからアジアに通り抜ける北西航路の開発を目指して、1845年に行なったイギリスのフランクリン探検隊が129人全員が死亡した道筋を徒歩、橇を曳いて歩いて通りぬけ、フランクリン探検隊が感じた、見たであろう光景を自分の眼で見ようという冒険で、アグルーカとはその中でただ一人最後まで生き残ったといわれているアグルーカと呼ばれた者の謎を探ろうとしたものだ。次々と倒れる仲間の肉を食らってまで生き残ろうとした彼らの北極をほぼ同じレベルで体験し、彼らの目で見たものを自分の眼で、同じような条件で見ようというノンフィクションだ。
 この目標はほぼ叶えられていて、何故、こんな馬鹿なことをするのだろう?自分も馬鹿なことをしているので、勇気づけられる。でも角幡は、本当に文章が良くなった。冒険ノンフィクションを書く冒険家としては、一番だと僕は思う。
 スキンダイビングの本など書く必要はないだろうに。ギャランティ的に報われることもなく、売れ上げノルマを引き受けて、自分の首を締め、時間を使う。なぜ?そんな冒険を!
 それは、息こらえ潜水の安全性について、危険性について今この本を書くことで、無意味な事故を防ぐため?いや、この本を買ってくれるような人は、事故など起こさない?でも、角幡がノンフィクションを書く、的な意味は、狭いダイビング界の中ではあるだろう。
 かなり、ノンフィクション的にスキンダイビングのことを書いた部分もあるので、死なない冒険を目指してくれる人もいるだろうし、今、無意識に、死ぬ冒険をしている人は、死なない方向に向きを替えてくれるかも知れない。

目下のところ、何を書いても、スキンダイビング・セーフティのことに収斂してしまう。

0530 ミッキーは谷中で6時30分

 考え事があって、仕事にならない。そういう時は考えた方がいい。考えあぐねたか、考えがまとまったか、そのどちらかで、また迷ったので、考えるのをやめて、図書館に行った。上橋菜穂子という作家の本が本屋大賞とかで、それまで、子供の読み物だと手に取らなかったのだが、この人が文化人類学者だということが、大賞の紹介でわかり読んでみたいなとおもったのだ。僕は文化人類学に弱い。アボリジニーの研究者だという。ますます弱い。
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 図書館に行ったのだが、驚いたことに一冊も置いていない。かなり多作の人なのに、図書館って、連携していて、ある図書館にはある作家のものが置いていないということがある。全部読むとなると大変だな。
 目についた片岡義男の本を手にとってパラパラと見たら面白そうだ。「ミッキーは谷中で6時30分」この人の本、昔、ほとんど読んだことがあるけど今は?奥付をみたら2014年の5月とあった。借りた。もう仕事になりそうもないから、コーヒーでも飲んで、この本を読もう。明日のお台場の準備は済んでいるし。

0531 お台場

お台場潜水の日、良い天気で暑い。ウエットスーツにする。例によって、学生レンタル用だった古い5mmのワンピースにフードジャケットを上に重ねる。
これまで、これも学生用を貸していた三ツ橋さんがウエットスーツを買った。こワンピースで2万円?だとか聞いたけどなかなかいい。僕も買おうかと思うけれど、学生用で間に合ってしまっているから、これで今年は行こう。
真夏日のようで、全員がウエットスーツだ。僕のダイブコンピューターの温度はまるで頼りにならないが23℃になっている。これは間違いだろうが、20℃はあった。
 
 最初の潜水のエントリーで、砂浜に子供が砂遊びで掘ったのか、それとも貝を掘った穴に足を取られて転倒。左足の脹脛をのばしてしまった。ギックリ足だ。水中では泳げるが、フロッグキックは使えない。
 
透視度は前月に続いて、とても良く、2m、水温があがったので、魚が全部出てきている感じで、泳いでゆくと、底の牡蠣殻の隙間にアカオビシマハゼ、チチブ、などハゼが出入りしている密度が高い。
 先月、沢山見られたメバルの稚魚が群れていない。とにかく、先端の杭のあたりまで行って見る。

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 これは今日のタイトルバック 午後のイシガニ TG2

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   COOLPIX

 ほぼ全体に小さいハゼの類が浮いている。ウキゴリのようだけれど、ウキゴリは淡水のハゼだし、最近のお台場は汽水化が進んでいると聞くがその影響か。僕がウキゴリだと言ったら、魚には絶対的に詳しい東邦大学の多留さんがちがうと言わなかった。でも、サビハゼのヤングだろうか。
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  SJ4000


 カメラは、この頃よく使う。お台場に相性の良いSJ4000で動画をエントリーからエキジットまで回し。ニコンCOOLPIXでスチルを撮る。ライトは右にフィッシュアイの2500、左にイノンの700だ。
 
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 ハゼのygが一面にいる。これはCOOLPIX

メバルは、やはり見えない。シマイサキは1尾だけ。
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イシガニが隠れている。 SJ4000

ユウレイボヤの上、ヒバリガイの上にワレカラが一面に付いている。
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これはニコンで撮れた。

今年生まれたマハゼ、3-5cmのデキハゼが底に群れているが、ニコンではうまく撮れずに、群れている様子が見て取れない。
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  COOLPIX

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SJの方がはっきりの群れがわかる。

タンクを背負って歩くエキジットで脹脛が痛い。
午前中だけで、終わりにしようとも思ったが、こんなに条件の良い、生物の多いチャンスは今しかない。鈴木くんに汀まで、タンクを持ってきてもらって、水中で着けた。水中を泳ぐことは問題ない。

 ニコンがバッテリーが危ないので、今度はTG2 にした。動画はSJ4000である。
 水中に入って、SJの電源を入れると、メディアが入っていないと表示される。
 エントリー前に、バッテリーは確認したのだが、メディアは確認しなかった。TG2は、レンズ面を見ると露結している。暑い季節、僕のTG2 の持病のようなものだ。仕方がないから、水面をスノーケルでゆっくり泳いで、先端に向かう。そのうち露結が晴れるだろう。到着すること露結が晴れた。

 午前中、トサカギンポを見なかったので、杭の逆側を見る。TG2を水中のマクロモードにすると、ストロボが光る。
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 イシガニが2尾見られ、午前中の奴は隠れたままだったのだが、午後はハサミを広げて、ポーズをとってくれる。
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 そのころ、FXライトが残り5分になる。ストロボを光らせるとちょっとオーバーになるが、このマクロ距離なら粒子はあまり光らない。

睡眠不足、ギックリ足で、2回の潜水で、疲労困憊した。歩く速度は痛いので3分の1程度に落ちた。
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   三ツ橋植物学者が慎重に調べた結果、この木は榎だという。


0603 朝の光

 おはようございます。
 原稿を別に書かないで、ぶっつけでブログを書いています。
 こんなことは、この両三年やっていないのですが、例によってデスクワークに押しつぶされつつ、やる気が無く、捗らずなので。こういうのも息抜きに、。。

 6月2日 朝の浦安運動公園、屋内プールです。
 初めてこのプールに来た時、もう15年以上前か、なんとバブリーな無駄に贅沢な建物だと思いました。プールは美しい水が溜まっていればいい。そして、屋内で、温水で、空調があれば、贅沢。そんな時代を生きてきましたから、贅沢すぎると思ったものでした。 しかし、サンルームのような高い天井から光がプールに射しこむと、そんな中で泳げることだ、幸せで、嬉しくなります。
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お台場で写真を撮っている清水まみが、この光を見て、美しい人を泳がせて撮りたいと言います。
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美しくなくて申し訳ないね。
でも光と影が、写真だとすれば、カメラマンならばだれでもそんな風におもうでしょう。
この前も美しい光だったので、こんどは、この光で、みんなの記念写真を撮ろう。とおもったのに、そのことをころっと忘れている、自分が泳いでいます。
31日のお台場で、足の脹脛の筋をのばしてしまって、足を引きずっているので、わすれたのでしょうか。いや、ぼけているのでしょう。ぼけているとは、いつも言うのですが、併行して複数のことが考えられないことなのです。
 それはそれとして、辰巳でも浦安でも、一人だけで泳いでいる絵がとりたいといつも思っています。できれば、自分ではなくて、美しくみえる人が撮りたいのですが、いずれにしても、全員がプールから上って、終了までの数分間だけが一人になれます。ということは最後まで泳いでいなくてはならない。
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 あ、これも、今度みんなで相談して、一人ずつ泳いで、撮るカメラマンは、最近ではほとんど全員だから、撮影会をやれば良いのだ。そんな簡単なことを今頃気づくとは?

0606

 スキンダイビング・セーフティ、スノーケリングからフリーダイビングまで、最後の土壇場に来た。実はスポーツダイビング事故はスクーバダイビングよりも、スキンダイビングとフリーダイビングの息こらえ系の方が多いのです。そして、かんたんな注意事項をまもれば、スキンダイビングの事故は防げるのです。
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下のようなコメントをフェイスブックに掲げた。

スキンダイビング・セーフティ、スノーケリングからフリーダイビングまで、最後の土壇場に来ました。沢山の友達の応援でここまでこぎつけたのだが、この手の本は、作るのと、同様、もしくはそれ以上に売るのが仕事です。販売に10冊ていどご協力いただける方、フェイスブックでも、すでに何人かの方が協力を申し出ていただいて、巻末の協力者のお名前にリストアップしているのですが、気づかずにもれてしまった方の応援が得られないのではないかという心配です。「知らなかったー、知っていれば応援したのに、」とか、「ダイビングショップ、ダイビングリゾートをやっているのに、声をかけてくれなかった。」「長い付き合いなのに、・・・」などと、思われるかもしれない。ということです。スノーケリングからスキンダイビングに仕事が関わっている方、明日いっぱいにリストを締め切りますので、ご協力いただける方、ご連絡ください。フェイスブック、メッセージでも、コメントへの書きこみでも結構です。
 なお、フリーダイビングの関係者の方は、岡本美鈴さんの縄張りです。

 ブログの読者でも、応援してくださる方がおいでだったら。コメントにメッセージをおねがいします。

スノーケリングがかフリーダイビングまで連携していることでその安全性を向上させようということがターゲットです。

 

0608 skinダイビング・セーフティ

ようやく、スキンダイビング・セーフティ 巻末のPRページまですべて完了した。良かった、ホッとしたというよりも、これからの展開がどうなるのか、毀誉褒貶は覚悟の上だが、僕も共著者の岡本美鈴も、スノーケリングも、スキンダイビングもフリーダイビングもすべて、セーフティであってほしいという願いを込めている。口で細かく言っても駄目ということを、これまでの経験でいやというほど思わされてきた。本にして渡す。読むも読まないも、本人の問題で、読むような人は事故を起こさない。それにしても、アメリカは、本当に沢山のダイビング関係の本がでているが日本は潜水関係の本が少ない。でても、ダイビングは致死性の高い商品スポーツだという、中田くんの本ばかりだ。本は、事故などの裁判で参考に使われる。両刃の刃だ。

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途中でやめようと思ったことはないが、自分の書いた部分は全部カットしたいと思ったこともあった。藤本くんの生理学、千足先生の入門編、岡本美鈴のフリーダイビングセフティ、どれも客観的な視点だが、僕だけは、モロに主観なのだ。僕はこうした、こうするべきだ。一番客観的な藤本くんが、それがなければ面白く無いといってくれた。テキストというよりも僕の書いた部分は、僕の実例からの発想だから、そういう視点、そういう行動もありだな、と思って見てくれれば、と願い、あえてそのまま突入した。

0609 スキンダイビング・スノーケリング講習

  浦安市運動公園 .屋内プールで毎週火曜日夜19時から21時、4回にわたっておこなうスキンダイビング講習の第一回目が終了した。二回目は、一週おいて、6月23日から4週、4日間行われる。
 スキンダイビング・セーフティを書いた直後であり、この本にもこの講習のことを書いている。
 まず第一は、水で死なないことである。と言って救急法の講習ではない。楽しく遊ぶ時間である。それにしても、親子のバディを見ていると、本当にいいお母さんであり、お父さんである。いいなあ、と思う瞬間がたくさんあった。それだけに、子供が水の事故にあわない事を強く願う。
 だから強調するのはバディシステムである。必ずまとまっている。一区切りごとに「バディ!」と呼びかけて手を繋いで頭上にあげてもらう。今回は、特に念入りにこの事をした。自分で、スキンダイビング・セーフティを書いて、このことを強調している。
 スキンダイビング・セーフティでは、スノーケリングとは、フローティングジャケットを着けて、海で遊ぶこととした。しかし、子供はすぐに嫌がって脱いでしまうのだ。この講習でフローティングジャケットを着ないで、自由に楽しく泳ぐと、ジャケットは邪魔になってしまう。そのことが気になるから、何度と無く、ジャケットを着けることを強調してお願いした。
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 浦安運動公園にもフローティングジャケットが用意されているが、子供用は一着しかない。それも、少し大きいので、小さい子の身体に合わない。
 今回の講習は人数が定員の30名、参加者は6歳が2名、8歳が4名、もちろんお母さん、お父さんと一緒、そして、最高齢は69歳本当に子供から高齢者までの生涯スポーツだ。
6歳の子はプールでも、フローティングジャケットが必要だ。自分で一着S サイズを買い足した。もっと多数揃えるように、要求はしておいたが今年はこれで行く他ない。小さい子も最初からフローティングジャケットを着せるのではなく、最終日に着せることにした。
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   ダッシュ練習でフィンが脱げてしまったが、止めないで、そのフィンを捕まえて、片足フィンで泳ぎ切った男の子がいた。
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 例年は、次第に深くして、4日目には3mまで深くして、耳抜きまで教えたが、今年は1.2mで終始した。
 いずれにせよ、フローティングジャケットの着用は親の判断、責任に任せる他ない。規則で決まっているものではない、ローカルルールだ。ローカルルールの重要性も、スキンダイビング・セーフティで強調したことだ。事故はローカルルールの不在、また不履行で起こる。
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 安全が第一目的だが、楽しく遊ぶということも大きな目的だ。この講習の期間中、本当に楽しく遊んでもらったと思うが、若干の反省点もある。この講習で、なにか一つ身につけてもらいたい。それは水に慣れるということで、そのための練習として、マスクリアを選んでいる。マスクを外すことはだれでも嫌だ。嫌なことはやらせない。マスクリアをやらせないスキンダイビング講習がほとんどだろう。
 これまで、この講習では二日目に、鼻から息を吐き出す練習と、マスクの上縁を手のひらで抑えて、顔を仰向ける練習をした。そして、マスクに水を半分入れて、その水を排出する。三日目には、マスクに全部水を入れ、4日目にはマスクを外して着けてクリアーするとしていて、子どもたちも含めて、いや、子どもたちの方が上手にできた。しかし、今回は、6歳の女の子がマスクに水を入れた時目に水が沁みて、泣いてしまった。4日目は来ないのではと思ったが、お父さんが積極的な人で、4日目も来てくれた。4日目にマスクを外すのではなく、水を入れてクリアーすることの確認にとどめた。
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 6歳の女の子とは、講習終了後、「やったね!」と手の平を合わせた。
 マスククリアーは、嫌だけれど、達成感はある。水にも慣れる。
 大部分の子は、よく泳げるようになり、水深1.2mに潜れるようにもなった。フィン、マスク、スノーケルが使えるようになったことで危ないのではと心配するのは、水泳を教えたから危ないというのと同じで、ダイビングを教えて上達したからダイビング事故を起こすというのとも同じだ。心配すること、最悪事態を想定することはとても大事だが、そのために、一歩を踏み出さないのでは、なにもしないのと同じだ。人生何もしないで終わるのは悲しい。水に慣れて、水が好きになってもらいたい。水辺が好きになったから、危ない、というのでは水に近づけない。地球は水の惑星だ。水とのつきあいかたを実技で教えることは意味がある。
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0612

 「IPS細胞・黒木登志夫著 中公新書」わかりやすそうな本だなと思って、新刊900円を無理して買った。本当に自分の期待していた程度に理解できた。小保方さんのことも書かれている。疑惑の幹細胞という章だ。でも本当にどうしてあんなことになったのだろう。自殺した笹井さんという研究者は本当にすごい人で「ブレインメーカー」と呼ばれていたなどとこの本でも紹介している。それなのに何故?この著者もこの問題について、一冊の本にまとめようと執筆中だという。これも出たら、新刊で買おう。しかし、この著者の研究者のスタンスで解明できるのだろうか。もっと別の闇があったのではないか。この著者の黒木さんという人、これまで知らなかったのだが、著者略歴を見ると本当にすごい人で東大の名誉教授、岐阜大学の学長、などなど、赫赫たる経歴だ。その方面の人ならだれでも知っているのだろうが、僕はその方面のひとではない。でもわかりやすい本を書いているから、この人の新書は全部読もう。ただし、新刊で買う以外は、ブックオフで108円で。でも本当に、あの疑惑を黒木さんはどう書くのだろう。

 と思っていたら、「知的文章とプレゼンテーション」を見つけた。もちろん買ったが、ちょっと、この期に及んで、この歳に及んで、論文などを書く若い人向けの本をよむのはしんどいな、とおもったのだが、結構読める。半分ぐらいまで読んだが、おそらく読了するだろう。2冊とも「保存」になる。

 なかで、エッセイを書くという章で、「楽屋落ちになるような文章、言い訳を書かない」として、
 ・依頼されたので、
 ・文才がないので、
・私のような素人が
・その任にもないのだが、
・600字でどこまで書けるかわからないが、
・そろそろ紙面もつきたので、
・お粗末な内容をお許し下さい。

 僕もこんなことをよく書いている。
 そして、昨日もメールで、自分がこうだと思って決断したのに、その人にもうしわけないので、「ご容赦ください」なんて書いてある。そんなことを書くのなら、そんなことをしなければ、良いのだが、そうも行かない。
 ずいぶん自分勝手に生きているように見られるのだが、「言い訳」ばかりしている。人は、「言い訳」をしないと生きて行けないのだろうか。謝罪文の書き方、なんて本もきっとあるだろう。と、言い訳をする。
 
 負の循環になりそうなのでやめよう。
しかし、「楽屋落ち」を書けないとすると、僕のブログも楽屋落ちから書き始めていることが多いので、考えよう。

 写真は、昨日、セアさんという目の不自由な方、多分まるで見えないのだろう、この前、昨年だったか来てくれたときには盲導犬と一緒だ、昨日は清水まみさんと一緒に辰巳に泳ぎにきてくれた。動画を残しておこうと、動画の前処理が終わるまでと思ってブログを書いていたので、静止画を載せる。セアさんの感覚で、スキンダイビングで潜るということは、どういうふうに見えているのだろうか。
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 パラグラフを一行あけろ、と「知的文章とプレゼンテーション」で教えられた、という楽屋落ちで終わろう。
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