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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0831 地球は水の惑星です。

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 僕は徹底した無神論者で、師匠であったアワビの国際的な権威であり、日本潜水科学協会(水中科学協会ではありません)の理事長、後に海中公園センターの理事長、下関の水産大学校学長も歴任された、そして素潜りの達人でもあった猪野峻先生が、奥様が強烈なキリスト教信者でもあったためか、死の直前に洗礼を受けて神様のところへ行った。あれほどの科学者でも、自分の死を宗教なしにはまっすぐに受け止められなかったのだと、人間の弱さを見る思いがしたものです。


 今、日本には神様が居たのだと考えています。さまざまな表現がありますが、八百万の神という表現が好きです。日本では、調理をする竈、にも神様が宿っていたのです。ましてや、原子炉にも神様がいた。日本の自然、日本そのものに、すべてのところに神様がいた。今もきっといるのです。神学はとてもわかりませんし、無縁のものでしたが、キリスト教のイエスキリストを神様と日本人が思ってしまった。僕も日曜学校でそう思ってしまったのですが、キリスト教でも、神様とは、人間の形をしたものでは無いみたいです。
 この地震列島そのものを、すべての事象を、すべての自然を神様としていた日本民族でした。本屋に行くと、日本の神様が顔を出し始めているような気がします。日本の終わりを神様なしでは日本人は受け止められないのか、そして、もしかしたら、神様が救ってくれると思わなければ乗り越えられないのか、日本人の神様を信じることで乗り越えられるのか。僕も無意識のうちに、あるいは、何かに導かれているのか、歴史民俗博物館に行き、生命の星 地球博物館にと連続して行っています。


 昨日、調査のことで、調査の相棒の一人である、沿岸生態系リサーチセンター([厄介な名前をつけるから、間違っているかもしれない。] の宮内と話をしました。日本人はリーダーが愚かであると、それについて行ってしまう。でもそれが人間社会の常、どうすることもできないのだろうか。

 「太平洋の試練、真珠湾からミッドウエイまで、 イアン・トール著 村上和久訳、文芸春秋」を読んでいます。アメリカ人の海軍史家の書いた本です。今本屋に横積みになっています。その中にこんなことが、少し長いけれど引用します。
 中国との戦争についてです。
「日本軍は中国の粘り強さに怒りをつのらせ、戦線後方の効果的なゲリラ攻撃に焚き付けられて、大規模な民間人への残虐行為に手を染めた。地方の平定作戦は軍の「三光作戦」方針のもとで実施された。兵士たちは「燃やし尽くせ、奪い尽くせ、殺しつくせ」と命じられた。日本の生物化学兵器を使った攻撃や捕虜への恐ろしい医学実験が実行されたおぞましい時期であった。女や娘がかき集められて、巨大な性的奴隷組織に送り込まれた。男や少年は奴隷労働力としてかき集められ、死ぬまで働かされた。捕虜はまとめて首を切られたり、銃剣で突き殺されたりした。ことによると全部で一千万人もの中国民間人が大量虐殺されたかもしれない。」
 うそだ。そんなことを日本人がするわけはない。と思いたい。しかしこれは、中国人の書いたものではなく、アメリカ人のベストセラー史家が書いたもので、アメリカのみでなく、日本でも本屋に横積みになる本です。つまり、アメリカ人はこれを読んでなるほどと思い。僕たち日本人は信じられないと思うのです。
 この本はまた、正気の日本人が次々と社会から葬り去られ、殺されていったこともかいています。

 あまり、ストイックにはなりたくない、成り行きで自由に生きたいと思うのですが、ダイバーが、海について思うとき、自然について、この水の惑星について思うとき、守らなければならないものがある、と考え込んでいます。もちろん、結論などあり得ようがない。愚かな自分がここにいるだけです。



 昨日、先ほど書いた宮内君のところで、高沢君がアラスカから戻ってきていました。彼は20年間、夏になるとアラスカのエスキモーのところで暮らし、捕鯨の手伝いをしています。「20年間!君は何をしていたの?」「アラスカの新聞に出ました。」「英語の新聞だよね?」「もちろん。」「新聞にはなんと書いてあったの?」「愚かな日本人がいると」
 アラスカでは、愚か、馬鹿ということは褒め言葉なのだそうです。アラスカに20年間通って、愚かだと言われて喜んでいる日本人がいます。今日、辰巳のプールに一緒に行きます。

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