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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0915 学生スポーツとしてのダイビング4 最終

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「ダイビングの歴史」に本腰を入れることにした。完成の目算は立っていないが、これまで下書きのつもりで書いたブログがずいぶんあるはずなので、整理してみたが、期待はずれだった。部分的には良いところもあるのだが、あんまり良くない。それは、自分が進化したのか。そう思うことにしよう。で、本腰を入れたいが、これまで通りにお台場とか人工魚礁とか、日本水中科学協会の活動とかの記録、ログは、ブログにしていきたい。 そんなわけで、長々と追ってきた、ダイビングとは何なのだ、冒険?、探検、生涯を通じて生きる目標にする生涯スポーツか、安全が保証された役務型商品スポーツかという議論、そして、その実例として取り上げてきた学生スポーツとしてのダイビングは、とりあえずまとめたい。これはこれで「ダイビングの歴史」にも収録するが。  関西のインカレサークルで700人のメンバー、400人の大合宿が月刊ダイバーに載っていた。 生涯スポーツとしてのダイビングは、学生時代に始めるのが良いと思う。そして、業界としては、学生のダイビングは希望の星だとおもう。大事に育てていかなくてはならない。そのことを前提にして考えをまとめよう。  知人のダイバーの一人、女性だが、娘さんがこのような関西のクラブ(名前は聞いて居ない)に入り、母親として、責任の所在など状況が明確につかめなかったので心配していたが、二年に進むときに、自分の意志で退部したという。 僕は、アメリカンフットボールのように、父母会が充実していたら良かったのにと答え、賛同を得た。 前にも書いたが、監督、コーチが向き合うのは父母なのだ。 そして父母とのコンタクトで、アンロジカルの一つが解決するかも知れない。その子の幼少からの育ってきたキャリア、病歴などを話し合うことができる。そして、父母がダイバーである可能性も、このごろでは高くなっている。父母がダイビングとは何なのか理解していることは、現代社会の中での学生ダイビングクラブには必要なことだと思う。 形は様々だが、ポイントは、どのようにして指導者が、メンバー、個々と、向き合えるか?だろう。そしてその個々の向こう側には父母がいる。   危険な、大怪我をする心配のあるアメフトは父母会がある。  危険な、死ぬかもしれないダイビングのクラブに父母会のある大学はなく、考えられもしない。なぜだろう考えてみてほしい。


 この写真出そうか出すまいか、2003年頃から、迷っている。今も迷っているが、学生のダイビングの一段落でだすことにした。※安らかな写真で不快ではないがやはり削除した。

 今から40年前のできごとだった。そのころ、日本潜水会では、事故例を厳しく提出させていた。用紙フォームも決めていた。事故例をメンバーで共有することで、二度と事故を繰り返さない資料とする事こそが、僕たちの使命、供養だとも考えていた。もちろん、個人情報に関わる部分は出さない。これはもう、どこのだれか、調べようとしても、関係者が口にしなければ、絶対にわからない。40年昔だ。 僕の親友のやっていたダイビングクラブの事故で、ある。 場所は伊豆七島、クラブ員15名程度、つきそうスタッフは2名、彼女は体育系の大学生で、フィジカル能力も高く、ダイビングも上達して、初心者から一人前ダイバーへとなりかかりだが、安心して見ていられる状態だったという。スポットのコースを周遊して、グループでエキジットポイントに戻る途中、バディとの距離も3m以内、まだ空気は50キロ以上残っていた。水深5-3mほどのところまで戻って来て、なぜか急浮上した。すぐにバディが寄り、スタッフに知らせて、陸に引き上げた。口からは少し、血のようなものをだしていた。 空気塞栓だと推定された。呼吸を止めて浮上したらいけないとは、十分に承知していた。そして、空気も残っていて、何か、驚くような出来事もなかった。海は凪で波も流れもなかった。急浮上といっても、バディが見ている状況では、パニックで飛び上がるような浮上ではなくて、普通に見えた。 理由はわからない。不条理だ。まだ、賠償責任を訴える時代より前のことで、親友は、ご両親とは法廷で相対することもなく、ただ悲しみの共有だけだった。お父さんは娘から十分に状況を聞いており、息を止めての浮上禁止のことも知っておられた。  何が言いたいのかというと、学生ダイビングの指導、スーパバーザー(そんな役割が公にあるわけではなく自薦ボランティア)を引き受けていると、長い年月の間には、不条理な想定外のことが起こる。それを、監督、コーチは、自分の全人生を掛けて受け止めなければならない。または、逃げて自己保存しなければならない。それは、人それぞれであるが周囲の、たとえばOB会などのバックアップがなければ支えきれない。。 父母会などつくっていれば、逃げられない。そして、現在では、事故が起これば原告と被告の関係で法廷で向き合わなければならないのだから。 それでも、だからこそ、僕は父母会があった方がいいと思う。事故が起こり、息子、娘をなくした両親に必要なのは心のケアなのだ。それは容易なことではないが、クラブとして必須だと思う。そして、父母は、自分の息子、娘に何が起こったのか、それは不可避だったのか、真実を知りたい。 そして、自分にとってこの写真の意味は、不条理な想定外のことが起こって若い命が失われてしまったことを決して忘れないこと。忘れないで考え続ける。僕が大学のダイビングクラブにこだわり、SAI(関東学生潜水連盟の安全勉強会、真野先生、河合先生、山見先生にバックアップしていただいた。2003年にはじまり、2013年に関東学生潜水連盟執行部が、メーカーの機材試用会に切り替え、消滅)をつくったり、自薦のスーパバイザーバイザーをしたりするのはなぜか、この写真に象徴される。  学生のダイビングクラブについて、いくつかのパターンがある。自分のつきあい、自分のかかわったものについて考えよう。①学校が公認していて、学校が決める顧問の教員がいる。監督は、学校が決める場合と決めない場合がある(学校の規則として)。関東学生潜水連盟のほとんどのクラブはそれに相当していて、いわゆる部活にあたる。②サークル 学校が公認する、部活なのだが、形はサークル③学校当局とは関わりのない、インカレサークル  サークルと部活動の定義の違いは確立しているようで いないようだ。学校によって、ルールも違うから、確たる線引きはできないが、学校が公認し、何らかの援助を与えているものを部活、なにもルールもなく援助も無いものをサークルとしておこう。 従来は、だいたいにおいて、サークルからスタートして部活に昇格するのがパターンだった。  僕が関わってきたのは、①の部活であるが、その中で、特異なものとして、②の部活型サークルもあった。早稲田水中クラブは、1967年発足の歴史のあるクラブであり縁があった。 僕の主治医の河合先生の子息、m君に、小学校6年の時にダイビングを教えた。中学生のときには、お父さんともども慶良間ツアーに参加してくれた。高校生の時は受験勉強で忙しい。早稲田大学に入り、早稲田水中クラブに入った。お父さんともども、また慶良間にと誘った、がダメなのだ。水中クラブ部員は、部の活動以外にダイビングしてはいけない会則だという。かなり厳しいなとおもったが一つの見識ではある。 そして彼が3年生の時だ。水中クラブは蓮根にあるダイビングプールで練習をしていたのだが、ブラックアウト事故を起こした。上級生と一年生がバディになり、3mだか5mのプールの底に潜って、二人向き合ってマスククリアーを練習する。まず上級生がやってみせる。一年生がやって成功すれば二人で浮上する。上級生がブラックアウトを起こした。ブラックアウトはプールとしては事故なのだ。危ない練習をする早稲田はお断りとされた。 僕が辰巳のプールを使っているので、辰巳を紹介してということになった。当時の辰巳は、指導の有資格者が居なければ借りられなかった。僕が指導者になって借りることにした。 辰巳のプールは大きい。早稲田だけで使うのはもったいない。学連の他のクラブも一緒にやらないかと声をかけた。合同ではなくて、それぞれの練習を自由にやるのだ。僕はこのとき、各大学の練習をみることができた。2003年にSAIをつくるきっかけにもなった。  2010年に日本水中科学協会を作り、JAMSTECのプールを使うようになって、それまでの縁で早稲田水中クラブが使ってくれるようになった。辰巳では、2時間しか使えないし、タンクを運ぶ必要がある。JAMSTECは一日通して借りられるし、タンクも用意できる。 いくつかのアドバイスをしたが、水中クラブは、アドバイスは真摯にうけるがクラブの練習方法、方針はクラブが決めるということだった。 これも一つの見識だけど、顧問部長が女性だった。もしもの時の危機管理ができるのだろうかと心配になった。 なお、前に関東学生潜水連盟で、もしも、死亡事故が起こったとき、クラブとしてどうするか、というアンケートをとったことがあった。様々な答えがあった。水中クラブは、重大な事故が発生したときは、責任をとって、直ちに廃部解散、再結成を認めないという答えであった。学校側も廃部解散ならば、それで、解決だろう。なお、これまでの判例では、顧問の先生が責任を問われることはない。それはそうだと思う。同行もしない。ダイビングのことを何もわからない顧問の先生が責任のとりようがない。現在であれば、上級生の全員が被告として訴えられるだろう。父母はその事故の真実が知りたい。学生は自分の行動によって怒ったことについての賠償責任保険に入っているものが多いし、学校の校則で加入が決められている場合もあるので、それで、訴訟については、解決するかもしれない。人一人の命が失われたことについての責任は負いようがない。 誰も、大人の責任者がいないのでは、困るだろう。もう少し深入りしようかと考えてクラブの主将とあって話を聞いたのだが、早稲田水中クラブはインカレだった。迂闊にもそのことを始めて知った。インターカレッジとは、いくつかの大学が入りあって入部していている。早稲田には他に三つ、合計四つのクラブがあり、そのうちの一つは早稲田大学だけのクラブだという。 早稲田水中クラブは、その後、三浦海の学校で、プール、海、合宿すべてができると言うことで、僕とは縁が切れた。縁が無かったのだ。 水中クラブは、利潤追求をしないインカレ部活とでもいうべきだろうか。 見方によれば一番先進のクラブかもしれない。  ③学校当局とは関わりのない、インカレサークル これが冒頭にあげた、大型学生サークルである。 この形のサークルと直接コンタクトしたことがないから、その形態内情について詳しくはしらない。多分、大型のダイビングショップの形態の一つと考えて良いだろう。事故が起こったとして、通常のダイビングショップの事故処理と同じパターンを考えれば良く、事故の可能性は、大学生であり、フィジカルな条件はそろっているし、安全管理もてっていできるだろう。と希望的観測をしている。 ただ、ここまで述べてきたような、大学生のスポーツとしてのダイビングとして、形態は類似する部分はあっても異質のものだと思う。中に入って見なければわからないが。  もう一度、冒険、探検の意味、自己責任、そしてスポーツの形態、生涯スポーツ、商品スポーツの別を考えて欲しい。学校当局とはかかわりのないインカレサークルは商品スポーツなのだろうか。 ただ、商品にもならない、ものもある。そういうのが、前にあった。何にも縛られない自由である、ホームページにうたっていた。今は消滅している。何かがあれば解散して、少し名前を変えて、再出発するというパターンのクラブもある。学校が関わらなければ、何でもありなのだ。むしろ、信用のあるダイビングショップが関わった商品スポーツの方がいい。  なお、安全について言うならば、学生クラブではない、ショップクラブで学生の事故がないかと言えばそんなことはなく、同等だろう。                                 60年の自分のダイビングライフでいくつかの身近な事故を体験した。学生の事故も見聞きした。想定外、不条理のように思えるものもあったが、学生というルールの守りやすい環境では、同じ事故パターンを繰り返さなければ、事故の起こる確率は,ずいぶんと低下し、限りなくゼロに近づけることもできそうに思う。そのパターンについて、ダイビングの歴史の中で、小史として、「事故の歴史」で述べておきたい。 「ダイビングの歴史」制作の目標の一つである。  父母会にこだわって来たが、関東学生潜水連盟は、それぞれの部が発足した30ー60年昔から、学生だけで自主独立でやってきた伝統がある。そこに父母会を着陸させることはほぼ不可能か、とも思う。  僕に時間があれば、インカレで、父母会のある、父母もダイバーである親子を中心にした大学サークルをやってみたい。今、存在しているインカレサークルがその形に進んでいけば、ビジネス的なメリットも拡大するだろう。  ただ、自分の残された時間のうちで、自分の関わっているクラブで、父母への連絡会、練習の見学会などができるかもしれない。   

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