2月23日予想通りに天候は晴れ、風もなさそうだ。バイキングを食べてから出られた。 今日潜水できたら、これでロケは終了し撤収するので、チェックアウトをして出るという。僕は何の相談も受けていない。出演者なのだ。自分的には、ようやく身体も慣れてきた。調査ならば、これから、という感じなのだ。まだ何も調べていない。機材のテスト程度しかしていない。しかし、これはテレビロケなのだ。このごろ、テレビから足が遠くなっている僕の感覚がちがう。桶田プロデューサーが、これで十分と言えば充分なのだ。 潜水は四倉沖の江名に潜る。江名はS44年に福島の魚礁似始めて潜ったときの場所で、大和田さんと潜った。途中、気分的に折れたときには、ここで黄金のアイナメを追うことにしようなどと言ったこともある。潜る予定のポイントは高さが10mあるペンタリーフという大型魚礁だ。 久ノ浜を出て、福島第一とは逆方向、遠ざかる方向におよそ40分。GPS位置もしっかりとれているし、魚探にも大きく写るはずだ。少しばかり捜索して、魚礁を見つけ、今度は大きいダンフォース型錨を潜降索のアンカーに着けた。今度はマスクマウントもGOPROを着けた。分析器も完璧だ。潜水の手順、段取りも各自よくわかってチームになっている。中川が撮影、須賀が出演、山本が分析、久保はDPVでアンカー周辺を回って、魚礁とアンカーの間にラインを張る。ラインが長い場合には、須賀を曳航する。これは、オーバースペックだと思うけれど、態勢として完璧だ。大西がゴムボートオペレーター、国方が及川丸での機材降ろしと引き揚げ、須賀の引き揚げ、など上回り全般。 水温が11度と暖かいので、ドライスーツは、インナーの下着をダマールとDeepだけにした。これで足の浮きが若干改善されるだろう。 水深は32mを予定して、僕の潜水時間は8分とした。31%のナイトロックスを使う。 久保さんが先に潜って捜索してラインを張る。かなり時間がかかっている。アンカーから15mの位置に大型魚礁がある。 中川、山本が飛び込み、ゴムボートに着いてから、須賀が入る。やはり足、下半身が浮くけれど、それは自分が斜め45度の姿勢に慣れてしまっているからだろう。中川が僕を撮影しながら潜降していく。 以下の説明は自分のマスクマウント ウエアラブルカメラの撮影結果を見ながら書くことができる。このマウントの撮影、自分ながら上達している。そのまま見られるし、相当迫力がある。編集してスマートフォンに入れておこう。 32mの降下は長く感じるが、安全策としては、速すぎるだろう。下を見ながら潜っていくので、かなり濁っている感じだが、ヘッドマウントの撮影結果から、やや上向きになった映像をみると、福島沿岸としては、透明度が高く、ペンタリーフの向こう側、7mほど離れたところに、1.5角の魚礁一個が見える。1.5角魚礁群の上に、大型を枕設したのだろう。カメラは1.5を見て、写しているが自分の目は確認していない。 アンカーまで下りて、魚礁に引いたラインにすぐに乗る。下りながら大型が見えるかと思っていたのだが見ていないのでラインがあってよかった。
久保さんのDPVにつかまった。 山本さんの分析器を見る。これも演出的だ。上方にキツネメバルが見える。あまり大きくないがスチルを撮ろうかとカメラを構えると、誰かが僕の身体の方向を力を入れて動かした。その方向、足下に大きなミズダコがうずくまっていた。ライトを点けて、スチルを何枚か撮る。1枚か2枚で、他を見た方がよかったが、視界が狭い。タコから目を離すと、黄色いアイナメがいた。黄金とまでは言えないが、黄色い。そのアイナメに接近したが、追い写しをしてしまう。カメラマンとしては落第だ。最近スチルを撮っていないので下手になっている。追って、魚礁から少し離れた。久保さんが、戻るか?と聞くので、浮上のサインを返す。 ロープをたぐって浮上する。久保さんは僕の上に居て抑える形だから、これで良いと思って上がる。 DPVは完全な中性浮力で彼の横に漂っている。手は触れていない。このDPVの優れたところは、ここなのだと思う。これまでのスクーターならば、手に持っていなければいけないだろう。手が塞がってしまう。 捨てても惜しくないカメラとして、乱暴に使っているが壊れない。
久保さんとの浮上サインを確認して水面にでる。新しいダイブコンピューターの安全停止の表示は、やはりよくわからない。安全停止は確認できていない。ダイブコンピューターの画面をみると、目一杯速度違反のマークがでている。M値の表示のところには、DECOのマークが点滅している。31%のナイトロックスだから、良いのか?ナイトロックスへのダイブコンピューターの切り替えは、面倒すぎる。空気のままナイトロックスを使えばそれで良いと考えていた。 10時53分潜水開始、最大 34。3m 潜水時間17分 水温12度 速度表示は最大、右はDECOのマーク点滅。 全面的な信頼を置いているのだが、久保さんの潜水時間は長い。僕たちの潜る前にライン張で潜っている。僕よりも先、上に上がっている。別に停止はしていない。多分、僕たちの潜水を、水深20m辺で見下ろしていたのだろう。僕は彼に右へ倣えで浮上している。31%ナイトロックスならば、これで良いのか。良いのならば、調査の潜水はすべてナイトロックスが良い。 帰途、四倉の道の駅で食事をして速攻で東京に帰ってきた。 さて、これで終了だ。番組の放映は予定どうり3月11日午後2時、長さは多分10分程度だろう。その後、日を改めて30分の番組を作る予定とか。 僕自身が老いた姿でテレビに出ることは、恥ずかしいのだが、そのことでこのような番組を作ることができ、γ線スペクトル分析器も世にでたとすれば、厭ってはいけない。
それに、人が潜る理由は、人の頭脳が水中に入り、水中で考える。水中の体験を基にして考える。潜らなければ、議論は常に机上の空論になる。だから、頭脳が生きている限り潜る。その結果、人間の身体が死んだとして、それはそれだけのこと、いつも思う。ダイバーの身体は自分という頭脳を載せて潜る潜水艇だと。耐用年数がとっくに切れている潜水艇だけど。まだ、廃棄処分にはしない。
久保さんのDPVにつかまった。 山本さんの分析器を見る。これも演出的だ。上方にキツネメバルが見える。あまり大きくないがスチルを撮ろうかとカメラを構えると、誰かが僕の身体の方向を力を入れて動かした。その方向、足下に大きなミズダコがうずくまっていた。ライトを点けて、スチルを何枚か撮る。1枚か2枚で、他を見た方がよかったが、視界が狭い。タコから目を離すと、黄色いアイナメがいた。黄金とまでは言えないが、黄色い。そのアイナメに接近したが、追い写しをしてしまう。カメラマンとしては落第だ。最近スチルを撮っていないので下手になっている。追って、魚礁から少し離れた。久保さんが、戻るか?と聞くので、浮上のサインを返す。 ロープをたぐって浮上する。久保さんは僕の上に居て抑える形だから、これで良いと思って上がる。 DPVは完全な中性浮力で彼の横に漂っている。手は触れていない。このDPVの優れたところは、ここなのだと思う。これまでのスクーターならば、手に持っていなければいけないだろう。手が塞がってしまう。
久保さんとの浮上サインを確認して水面にでる。新しいダイブコンピューターの安全停止の表示は、やはりよくわからない。安全停止は確認できていない。ダイブコンピューターの画面をみると、目一杯速度違反のマークがでている。M値の表示のところには、DECOのマークが点滅している。31%のナイトロックスだから、良いのか?ナイトロックスへのダイブコンピューターの切り替えは、面倒すぎる。空気のままナイトロックスを使えばそれで良いと考えていた。 10時53分潜水開始、最大 34。3m 潜水時間17分 水温12度 速度表示は最大、右はDECOのマーク点滅。
それに、人が潜る理由は、人の頭脳が水中に入り、水中で考える。水中の体験を基にして考える。潜らなければ、議論は常に机上の空論になる。だから、頭脳が生きている限り潜る。その結果、人間の身体が死んだとして、それはそれだけのこと、いつも思う。ダイバーの身体は自分という頭脳を載せて潜る潜水艇だと。耐用年数がとっくに切れている潜水艇だけど。まだ、廃棄処分にはしない。