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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0306 福島 3

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2月19日、2時に目覚めてしまった。6時に事務所で待ち合わせだから。僕の睡眠のピッチは4時間だから、次は6時に目覚めることになる。それでは、間に合わなくなるので、眠れない。 5時30分に事務所に行った。山本徹さんが車に乗せていってくれる。5時45分に出発した。 車の中で眠る。 10時に福島県四倉の久ノ浜に到着した。およそ4時間である。2011年には自分が運転して、アシスタントをしてくれる鈴木君を拾い、12時少し前に久ノ浜到着。15時頃に潜水を終了して、16時ごろ東京に向かって走る。往復自分で運転する。6年前はまだまだタフだった。  11時には、全員集合して、潜水準備を始める。河童隊の中川はゴムボート2隻を車から降ろして組み立てを始める。大西がゴムボート運用の中心である。 久保君は、僕と山本さん三人の使うタンクを持って来ている。31%酸
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素のナイトロックスを使う。全体の世話を総合的に見る、上回りを日本水中科学協会運営委員の国方君が引き受けてくれる。彼は、第一原発に近い富岡町の出身だとかで、来てくれた。ダイビングの関連者は、自分も入れて、総勢5人である。この編成も、機材の用意もこれから始める潜水の段取り、僕が一番大事なこととしている段取りもすべて中川が中心になって仕切っている。これまで、すべてのオペレーションで、僕が中心だったが、今回は中川である。僕は一切主張はしない。こんなことは、初めての体験になるが、船頭多くして、船、山に登るというたとえもある。 自分は、自分の道具の心配をしていれば良い。レギュレーターは、整備してきたDWだが、セカンドを換えてくれたので、マウスピースは、特に小さいものを使っていたのだが、普通に小さいものに変わってしまった。別に問題はない。BCは、これも30年ものの、旧アポロのプレステージである。着脱が目をつぶっていても手早く出来なければならない。ドライスーツはワールドダイブが、2013年に作ってくれたもので、その後使いこなれている。5mmのドライである。問題はインナーである。中川も久保さんも、山本さんも、大西も国方君も、みな今時の綿入れのようなインナーを着ている。僕は1980年代に流氷の潜水を重ねた時に着ていたインナーだ。裏が起毛で、表は水を跳ね返す黒い生地だ。DEEP というタッグが張ってあるから多分シンギーのものだろう。お台場では、   キルティングの作業員つなぎを着ているが、昔のDEEPを引っ張り出して来た。一番下にダマールの上下を、これも80年代、流氷時代のものだ、その上に「日だまり」これは柴田君に最近もらって気に入って着ている。普段の生活では、ダマールと日だまりを交互に着ている。それを重ねた。2012年の冬、ここ久ノ浜で、水温は5ー6度だった。その時何を下着に着ていたか覚えていない。特別のものを用意していれば覚えているはずだ。覚えていないから、多分お台場で着ているキルティングだったろう。
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 船に機材をすべて積み、昼食のお弁当を食べ、港も真ん中に船を置き、ゴムボートに分析装置を積み、アンカーを降ろしてブイを打ち、潜水を開始したのは14時59分、僕はタンクを背負い、サイドロールのようにして、飛び込んだ。船縁は高いけれど、そのことは問題ない。やはり冷たく感じたがダイブコンピューターの測定では11度もあった。山本さんのダイブコンピューターが10度だったから、間違いではない。 飛び込んで二呼吸ほど深呼吸すると、収まって泳げる態勢になる。泳いでゴムボートに向かった。ウエイトが軽くて沈めない。 7キロのウエイトベストに4キロのベルト、レッグが1。5キロ、タンクが12リットルだから、下着は増えたが、お台場と同じで良いと思った。久保さんから3キロもらって、BCのポケットに入れて、沈んだ。海底の水深5。9mでは、オーバーウエイトになってBCに空気を入れた。下では普通に泳げたが、水面で足が浮くのは困った。立ち姿勢になり空気をぬいても、足が浮く感じになる。身体のバランス感覚が悪い。9分間潜水した。この場所は2012年に潜水したところなので、よくわかっている。柔らかい砂で、巻き上がるけれど、ヘドロではない。2012年には線量が二桁上がる。ホットスポットがあったが、そのスポットに
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繰り返して行くことが出来なかったのだから、今度当たるはずはない。 ゴムボートに上がる時、5mmのスポンジ手袋では、手早くバックル類を外すことが出来ず、付き添ってくれている山本さんとボートの上の久保さんが引きはがすように手早く脱がしてくれてしまう。自分で手早く脱げなかったことが、少し悔しい。手袋に慣れていないのだ。  とにかく予行演習は終わった。これをやらなければ、危ない。内側から感じる体調は悪かったが、外側から見たら、わからない程度だろう。  宿は、「いわき簡保の宿」という温泉だった。冷たい水に浸かったあとの温泉だからごちそうだ。

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