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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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週刊朝日の記事

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 週刊朝日 12月30日号に、お台場の潜水について、インタビューを受けた記事が掲載された。週刊誌がどんなものか知っているから、遠慮したかったのだけれど、計画に援助をいただいている筋からの紹介であった。
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 「東京五輪トライアスロン会場 リオ笑えぬ死骸と大腸菌の海」
 そんなこと、言っていないのだが、タイトルをつけるのは、週刊誌だから、どうにもならない。
  きれいな海であることを強調して、これでよいのだということもできない。

「この20年で海中の環境はどんどんわるくなっています。マハゼやイシガニなど生物の数は減っているし、環境汚染に伴う青潮などの影響か、夏には海底近くが無酸素に近い状態となって、会などが死滅する現象が起きる。近年増えた外来生物のホンビノスガイなどの死骸が累々と折り重なります。」
どんどん悪くなっています。とは言っていないし、このようこのような言葉では語っていない。自分の言葉が、変えられるのは、困るのだが、2012年にホンビノスが青潮で斃死したことは間違いない。その時の写真を報告書に載せている。環境問題を語るとき、写真は大きなインパクトがある。ことさらに、斃死の写真を強調していることはない。復活した写真も報告書に乗せているが、報告書を見せれば、週刊誌の記者は、斃死の写真に目が行く。
1990年代に比べて、生物の種類数は減っている。マハゼは東京湾で激減しているし、イシガニはこの数年少なくなり、特に2016年は、ほとんど見られなかった。2012年に青潮でホンビノスガイが斃死したが、2015年には復活した。しかし、来年、青潮が来ないという保証もない。週刊誌記者がまとめれば、こういうことになる。そして、間違いではない。
「競技に直接支障はないでしょうがイメージの問題はあるでしょう」
競技に支障があるといわせたかったと思うけれど、それはトライアスロン選手の考えで決めることで、僕たちの潜水に支障がないのだから、問題ないでしょう、といった。これはそのままになっている。
「夏と言えば、まさに東京五輪の開催時期。リオ五輪ではリオ沿岸の海の汚さが話題になったが、日本もよそ様のことを笑っている場合ではない。
問題はまだある。都が2013年にまとめた環境調査では、この付近の海中で、国の水浴場の基準値(100ミリリットル当たり1000個)を超える糞便性大腸菌群が検出されているのだ。「大腸菌の値は、普段は基準値以下ですが、大雨のあとなどに下水処理場の能力が追い付かなくなり、汚水がそのまま放出されるために、一時的に高くなる。この状況は今も改善されていません」(前出の須賀氏)
東京都五輪・パラリンピック準備局に尋ねると「徐々に、下水処理場の貯留槽を増やすなどの対策をとっており20年までには改善が期待できる」とのこと、一方青潮などによる生物の死滅については、都の環境局の担当者が、「普段から、赤潮や青潮の原因となる海水の冨栄養化を抑制するため、排水の規制などに継続的に取り組んでいます。」と説明したが、今のところ五輪に向けて特別に手をうつ動きはないようだ。前出の須賀氏はこのように語る。
「赤潮や青潮の問題は簡単には解決しないでしょうが、数重メートルおきに、酸素を供給する生き物の避難所をつくるなど、局所的な対策も考えられます。せっかくの東京五輪なのだから、競技をして終わりではなく、これを機にきれいな江戸前の海を復活させて、世界にアッピールできるようにしてほしい。」東京はハコもの以外のレガシーを残せるのだろうか。

 タイトルでは、誤解を招くだろうが、それが週刊誌の目的なのだと、割り切れば、 まとめの部分では、だいたい、言った事とあまり違わない。

シンポジウムでも話したのだが、僕たち、ダイバーが潜るということが、環境改善につながれば、と願っている。

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