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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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1002 2012年のこと

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ブログが書けなくなってしまっている。 テーマを決めて書きためてきたものもあるのだが、時間が経過すると出せなくなってしまう。  いろいろさがしものをする。デジタル化したものがかならずしも探しやすい使いやすいものとは限らない手帳に書いていたものの方が見つけやすいので探すのだがなざ、こんな簡単なことをメモに書いてなかったのだろうと思うことがたくさんある。その一がパスワードだ。当然のことなのだが、昔のパスワードを忘れている。昔は記憶力が優れていたこともあり、メモしなかった。今はもう使っていないニフテイのメールが復活できない。スマホを紛失して、どうにも復活できない。迷惑メールばかりだったので、どうでも良いのだがヤフーオークションにつかったいた。オークションのものは、あまり良くないので使うつもりはないのだが、やはり復活させておくに越したことはない。そのパスワードを探していて、こんな文章をみつけた。 2012年の1月に書いている。月間ダイバーの「グラフィティ」を書き始めた頃だったと思う。この文章はグラフィティには使わなかった。途中で脱線してしまったので使わなかった。使えなかったのだろ。それに、内容は不謹慎だとも思った部分がある。例によって支離滅裂にもなっている。  グラフィティ 夢と冒険 ダイビングを始める。ダイビングを始める誰にとっても、それが何時どこであっても、1956年でも2012年でも、初めてマスクをつけて海の中を見た時、タンクを背負い水中で空気を吸った時、それは驚き、それは胸をワクワクさせる夢と冒険だ。学術研究も夢と冒険だ。業界は安全を売っている。僕はそれが間違いだとは言わない。安全を売っているのだから、責任を問われる。安全と危険という言葉を生と死に置き換えてみよう。それは売れるものではない。 震災は東北を福島を夢と冒険の地に変えてしまった。それを不謹慎というならば、日本は立ち上がれない。東北は元気だという。ボランティアは元気をもらって帰ってくる。なぜだ。死は悲しい。打ちひしがれ涙する。あの時、日の丸を見たら泪がでてきた。悲しみを夢と冒険に置き換えて人は立ち上がる。悲しみの大地に日の丸が翻った時、日本人ならば泪が出て来る。
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                       福島県久之浜
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                        放射能測定
こレは、2012年に書いたものだ。その後、僕は自分ができることを探した。力仕事はできない。50歳代だったら、カメラを担いで、潮美を連れて、車で北をめざしただろう。残念だけど若くない。放射能の測定をしようと思った。魚礁調査で通った福島の海を、自然礁や人工魚礁が今どうなっているのか、放射性物質のホットスポットになっているのではないか、調べたかった。紆余曲折があって、2011年、12月から、理研の守谷君の研究を手伝って、福島原発から直近で潜れる久の浜に行った。全部で10回の潜水で、その10回目の潜水が2012年の2月4日で、これでこの潜水は終了した。そんないくつかのことがオーバラップしてこんな分賞を書いた。 その後スペクトル分析装置をつくり、2013年に再度、今度は福島第一の前にもぐるおとになった。しかし、それは実施3日前に中止になり、その装置は虚しく遊んでいる。 装置を作ってくれたTさんと話した。彼はいまダムの底、泥の中の測定をする装置をつくっているそうだ。海はどうなっているのだろう。でもあの時測定していれば、現在との比較ができる。僕にはもう福島第一の前に潜る機会はない。
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              後藤道夫の遺作になってしまったスペクトル分析装置
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                この装置が使われることはなかった。


つい先ごろ、福島のテレビ局から、僕のブログを読んで、あの時と、あれから5年経った今との比較を、僕が潜っているところでインタビューしたいという。残念ながら、僕はあの時も、今も、福島第一の前に潜っていない。特番でも作ってやらせてもらえば別だけど、と言ったが、そんな予算もない。もし予算があったとして僕はできるだろうか。 あの時2013年には、石川さん、鈴木くん、僕の3人で潜ろうと、ワールドダイブでドライスーツを作ってもらった。一回着たらも廃棄処分になる。 でも、あの時、3人で潜って、誰かが癌になったら。それが福島に潜ったためではなかったとしても、僕は良いとしても責任はとれない。僕はソロで潜るつもりでいた。船上でのアシスタントをお願いしようとしていた。 数日前、ソロダイビングの講演があったが、行かれなかった。死ぬのは一人で良い。

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