純酸素を呼吸しての減圧停止
今回 9月14日15日のハイブリッドテスト、あと一回分残して終わらせてしまった。 一緒に潜水した山本さんから、全体の総括が不十分と指摘された。これは、全部終了してからの報告書で発表すれば良いと思っていたのだが、やはり途中経過をブログで残しておかないと忘れてしまうし、今後のテストに備えての共有としても大事だ、ということで出すことにした。ノウハウをまねしてもらえるのならば、それは望むところだ。 今回のテストでの試行錯誤結果のまとめ。 14日 一回目の35mへの潜水 ドライスーツでの浮力調節の幅が予期していたよりも小さかった。4キロ足したのだが、あとで2キロ減らしてベルトに6キロでよかったのだから、2キロのオーバーにすぎない。タンクとBCならば、問題ないオーバーだが、ドライスーツでは、2キロのオーバーを浮かすことができなかった。 墜落に近い落下だったが、急潜降にはなれている。ばたばた見苦しくフィンキックするよりは潜降を選んだ。 その後のハイブリッドBCでの浮上もうまくできず、沈んでしまったので、4キロをはずした。 4キロをはずしてから、BCをコントロールして浮上できた、と、自分では思っていたのだが、あとで映像を見ると、潜降索で浮上していて、タンクは杉山さんが持っていたようだ。
客観的には、みっともない潜水だったが、第一回目だから、仕方がない。バランスについての実験になった。 14日2回目の潜水 ハイブリッドのBCを自分だけでコントロールして潜降、浮上する事を第一義として潜水した。通話がある程度できたこともあり、水深も20mだったので、ほぼ納得したできだった。 15日 第一回、通算で3回目の潜水 マスクの不調が、潜降索で救われた潜水であった。 外見としては、まあまあの潜水だったが、通話も全然聞こえなかったし、自分の内側では消耗した。浮上してからがっくりとしていた。
15日2回目 通算4回目の潜水マスクを別のものに変えた。これが本来の自分のマスク出会ったことを忘れていたのだ。マスクの調子が良ければ、通話も上手くできるし、全てが快調だった。フルフェイスマスクは、自分用にチューニングすることが大事だ。 水深は20mだったが、自由降下、浮上で、ほぼ自分のイメージ通りに動くことができた。緩い潮に流されたが吹き上げられることもなかった。
4回の潜水ので試行錯誤(失敗)で得たことを整理しよう。(1)身体のバランスについて、 ①重いタンクを背負わないことで、水中での動きも楽になると思っていた。しかし、BCも背中のタンクもないことで、バランスが取れないで、落下に近い潜降をすることになった。 ②8リットルのタンク、BCを背負うことを考えた。 ③一般のフーカーもタンクを背負っているのだから、これと同じになる。しかし、タンクを背負わないことが、この潜水の重要なコンセプトだから、あと何回か、タンクなしで練習したい。タンクなしの方が格好が良い。絵になる。しかし、身体で感じて、より安全を選択するのは、試行錯誤、実験の結果成果であるから、素直に安全を選択するべきか、迷っている。 ④タンクを背負うとして、ハイブリッドからのホースは、カプラーで繋ぐようにして、する。背中のタンクからのホースとは、ハイブリッドホースとの切り替えは、フルフェースマスクについているバルブで開閉できる。 ⑤ハイブリッドのタンク交換をどうするか考えていた。3本を2セット使うことにして、最初の3本を潜降用の1本とボトムガスを2本とする。浮上用に別の3本をつかえる。その切り替えの時に、背中の8リットルから呼吸すればよい。つまりタンクの交換ができる。 ⑥しかし、タンクを交換してしまうと、船上とのコンタクトもはずれてしまう。これを付け替えるのは仕事が一つふえる。タンクを4本セットにすることも検討する。 ⑦減圧用の純酸素もホースカプラーで繋ぎ換えた方が確実であるが、今のままでもサポートダイバーにやってもらえば、問題ない。もう少し、この方法に習熟するとともに、構造も検討しよう。 ⑧自分のバランスが取れないで、不安定なハイブリッドに乗るのは難しい。8リットルタンクを背負い、自分が安定していてハイブリッドをハンドリングすれば、容易なはずだ。しかし、まだ始めたばかりだ。 (2)ハイブリッドタンクのバランスについて ①4キロのベルトをタンク下部に巻いても、頭、バルブ側が沈んでしまう。4キロでは満タンの状態ではオーバーが過ぎてBCで浮かせられない。4本にすればなおさらになる。2キロを下部に着けても、頭が下がる。8リットルのタンクを背負、自分もBCでバランスをとれば、自分の浮力で調整できるから、この問題も解決できる。やはり8リットルタンクが必須か? ②バルブ部分に次項で述べる、浮き付きの垂直翼カメラをつけたら、水平にならないだろうか。 (3)撮影について ①いつもだけど、このような潜水では、特に、動画を撮っておくことの重要性を強くかんじる。映像を安全と結びつけるのは、飛躍だと言う人もいるけれど、映像をみて、動き、運用を分析しておくことは、ダイビングの運用について必須だろう。特に初心者のダイビング、体験ダイビングでは重要になる。義務付けても良いくらいだ。僕のこの潜水は、初心者が上達していく課程によくにている。 ②ハイブリッドタンクの上に、垂直翼とブイを着けたカメラを取り付けておく。これが、バランスにも役立つのではないかとおもう。 (4)通話について ①ロゴシーズの活用がこの潜水のテーマの一つである。 ②今回の3回目までの潜水では無理だったが、4回目、マスクが顔に合ってからは、練習ができそうである。 ③フルフェイスマスクをかぶっただけで、ロゴシーズが取り付けられてしまうように組み込めないだろうか。フードを加工してもよい。 (5)全体のオペレーションについて ①50m以上への潜水は、つかまりやすい潜降索が必要。今回はマスクのトラブルが会っても、潜降索があったので、潜降浮上については、問題が無かった。潜降索無しでの潜降浮上の練習をしておけば、潜降索での潜降浮上は、容易になる。通話ケーブルと潜降索は、ケーブルが中性浮力でまっすぐに出るし、タンク部分でワンクッションあるので、ダイバーの動きが潜降索に絡むことはあまりない。絡んでも容易にさばける。水深30m以内であれば、潜降索を使わないでもっと自由に動くことも可能。 ②練習では、できるだけサポートダイバーの手を排除しようとしたが、深く潜る場合には、役割分担とチームワークが必須と考えて練習する。 ③タンデムの練習も幾つかの形でやっておく、これはチームワークのための練習になる。タンデムの器材を整備する。フルフェースマスクをそれぞれにチューニングする必要がある。 この練習、そして80mまでの潜水はかなり面白い。新しい形を考えて、みんなでテストとするのは、楽しい。その方向で進んでいこう。僕自身はすごくおもしろくて、自分だけ楽しんで申し訳ないと思っている。 あと数回、35mの潜水テストをして、タンデムとロゴシーズも使えるようになったら、50-60mの混合ガス潜水をテストし、70-80に向かう。なおタンデムは、これもテスト潜水が面白いだろう、からだ。 この方法が道具になって、一般に使われる様になるかどうかはわからないが、50m以上の潜水でこのタイプの運用手法を研究しておく意味はある。