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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0910 小水無瀬島

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 翌朝 0730出発。 車で、周防大島に向かう。 周防大島から、ボートで小水無瀬島へ。小水無瀬は豊潮丸の航海で、行ったことがある。中尾先生お気に入りの採集場所だ。  実は、この潜水の後、8時間後だが、フライトで帰る。 この時点で、僕は中尾先生も町田も一緒のフライトで帰ると思っている。ダイビングの常識ではダイビング後12時間、あるいは24時間はフライトできない。僕と久保君がついていて、減圧治療ではしゃれにもならない。今回は、僕と久保君、船頭が二人だ。相談する。どうしよう。彼の答えは潜水深度のアベレージが10mを越えなければ良いだろうという。自分も同じ考えだ。10mを越さないようにして、なるべく5ー7mで作業する。  ボート海人丸は、猛烈に速い。ボルボの360馬力を積んでいる。小水無瀬まで、10分で到着してしまう。瀬戸内海だし、流れが速い。それほどではないが1ノットくらいは流れていそうだ。 流れは僕の恐怖源だ。  僕は中尾先生と、いつものバディ、町田が久保さん。
 潜水の前は、この年齢になっても、緊張する。この年令だから緊張するのかな。 飛び込んだら、一旦、岸につかまって、全員そろってから、動くことにしようと、指示する。僕が先頭に飛び込んで、船から10mも離れていない岸につかまって待つ。水に入ってみると、それほどの流れではない。 ガイドをしてくれると思っていた新井さんは、勝手に飛び込んで、どこかに消えている。そういうスタイルなのだ。 中尾先生も町田、久保バディも岸に着いて、すぐに潜降を開始する。カメラはメインのニコンにイノンのライトをステイに着けたもの、マスクマウントはSJ4000だ。僕は中尾先生をフォローする。町田バディは、右側にそれるようにすぐに離れてしまった。透視度は10mぐらいか、見通しはわるいが、町田と里奈のバディならば、彼らがどこに居るか、感じているが、まったく感じない。レーダーのスイッチが入っていない。久保さんが、居るからと、別のユニットになっている。技術的には安心している。むしろ、こちらのバディが問題なのだから、中尾先生に集中する。
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 水の色は「これぞ瀬戸内海」。採集をするには、十分だが、撮影するには、ちょっと離れるとつらいか、それでもニコンの液晶ではきれいに見える。あとで、PCでみて、がっかりした。瀬戸内海の色はでていない。 スタートした崖部分にはあまり海綿は生えていない。目的の?青い海綿を一つ採集し、前に進みながら、いくつかを採る。ニコンを構えてなるべくシャッターを押すようにしているが、採集のアシストが主な作業だから、カメラをきちんと構えて撮るようなことはできない。 新井さんがちょっと現れて、赤い海綿をわたしてくれる。そのまま消えてどこかに行く。彼としては、こちらはみえているのだろう。自分の感応力が低下しているのだろうか。
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                      ニホンアワサンゴ ニコンAW
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                        SJ4000
 この場所はニホンアワサンゴの見事な群生がみられて、それがダイビングポイントとしての売り物らしいが、それを探しているのではない。でも、足下に小さな群落があったので、撮影する。このあたりから、岸の壁を離れて、沖へ移動していく。水深はやや浅くなり、4ー7m、岩の陰に海綿の多い場所を見つけて、3種類ほど採集する。少し深く進んで、水深が10mを少し越えて、また戻った。ナビは完全に中尾先生で、こちらはフオローするだけ。船が上に居るだろうし、地形としては単純、水深7mならば、岸から50mだろう。
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                    SJ4000
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                 ニコンAW
 残圧は80キロぐらい。オーバーハングした大きな岩の下に、海綿が種類多く生えている。中尾先生にとっては、宝の山だろう。3種類ほど採ったらなぜか抜け出てきて、浮上してしまった。残圧は50あるので、後2ー3種類は採れたはずだ。どうしたのだろう。あとで聞いたら、腹痛だったそうだ。 とにかく浮上した。成果は良かったとおもう。やはりこの場所は宝庫だろう。
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 この船は船縁が高いのだが、金属製の梯子が登りやすい。二段折れになっていて、傾斜が緩い部分があるのだ。これまで登った梯子のうちで、一番かもしれない。カメラ、タンクを引き上げてもらい、楽に上がった。 後から、町田、久保組も浮上、収容し、その前に新井さんも上がっていた。中尾先生もトイレに行って治った。これで、良いのだけれど、自分のスタイルではない。  帰りも飛ぶように走って、それでも全速ではなくて25ノットだという。 このごろ大きなダイブコンピューターを二つ失くして、リバイバルして使っているスント・ソリューションは、フライトまでの時間がでる。およそ6時間、十分余裕だ。中尾先生のスントD-2は、24時間だ。  いま、帰りの飛行機の中で、この原稿を打ちながら、もちろん身体は何ともないので、20年前のダイブコンピューター、ソリューションを信じて良いのかと考えている。少しでも潜れば、一律12時間とか24時間というのは安心だが、どうしてもスケジュールとして、フライトが必須の場合がある。昔のテレビ撮影では、移動に次ぐ移動だった。 
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 港にもどって、シャワーに案内されて、気づいたのだが、ここは、バラック建てだけど、ダイビングサービスだ。自動販売機にアワサンゴの保護調査に協力と書いてある。ここは、ニホンアワサンゴのポイントなのだ。水中は、地味だが魚も多く、無脊椎動物も多いだろう。海綿は多い。関心は無いけれどウミウシも多いのではないだろうか。少し深く行けば、回遊魚も廻ってくるという。 東京から近ければ通うけど。  空港に着いて、中尾先生、町田、親泊は明日のフライトだという。なんだ、それなら何も心配することはなかったのに。 一泊二日、速攻の旅だった。  撮影の結果、マスクマウントのSJ4000は、予定通りの成果だった。解像度などは、今一つだったが、記録、報告には十分だし、行動記録として、海底の状況を100%とらえている。撮影の技術、自分の首振りも少しずつ向上している。注意力の集中バランスは常に考えなければいけないテーマである。潜水が続けば良いのだが、とぎれるとリセットされてしまう。 ニコンAWについては、満足できる結果ではないが、このレベルのカメラでは、こんなものだろうか。イメージとしては、フラッグシップカメラを追ってしまう。よく言う。墓に金は持って行けない。で、80歳までに全部使った。だから、買うお金はない。墓にカメラは持って行けない。


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