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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0805 館山人工魚礁 0804

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そもそも、この一枚の図が間違いの始まりだった。これはスガ・マリン・メカニックが、今回探そうとしている丸一(魚礁メーカー)の魚礁を試験枕設しようとして調査を行った時の報告図だ。 試験枕設とは、新しい設計の魚礁が、良い魚礁、つまり、魚、伊勢エビ、そのたの有用な水産生物を集める効果が高いことを証明するため、そして、その場所に適合しているか否か、そして壊れやすかったりしないか、をテストするために沈められる。 
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 ほんとうは、今回の調査で、試験枕設が行われた1997年、(20年前)からのこの魚礁のストーリーを書く予定だったのだが、見つけられなかった。 この前、最後に訪れたのが2004年9月だった。知らないうちに時が過ぎている。どうなっているだろうか?鋼製の魚礁は寿命が短い。耐用年数が30年といわれている。つまり、採用した責任者が定年退職するまで持てば良い。人間の耐用年数と同じならば良いだろうという発想なのだ。この魚礁は20年経っている。あと10年、僕は持たないから今見てまとめておきたい。  その1997年にスガ・マリン・メカニックの田沼が作った調査地点図だ。見たところよくできている。誰だって信用する図だ。 調査地点は、塩見と浜田の漁業区域境界線の浜田側にある。 GPSの値、NとEをガーミンに入れる。GPSは、器機個々の誤差もあり、必ずしも正確なものではない。そして、この報告は試験枕設のための調査地点の報告だ。実際に試験枕設のあとの値ではない。 その後、調査している僕がGPSの値をログに記録してとっておけば良かったのだが、ガーミンの航跡図と位置のプロットで十分だった。その記録が誤操作で消えてしまっていたことを、前回の塩見の調査報告ブログで述べている。  この調査地点の値を入れて、調査店を見た時、おかしいとわかるはずなのだ。その位置は4月の塩見の調査のさらに館山側にあった。なぜおかしいと思わなかったのか。ダブルトラックで思考できなくなっているからなのだ。つまり、思い込みだ。これは、フィールドでは、致命的なことでもある。戦争で指揮官がこれだったら、全滅する。ダイビングも戦闘の一つだ。命にかかわることは本能的に回避できるが、仕事の段取り、計画では、落とし穴になる。  そこで午前中の2時間、塩見地点を捜索してしまっている。魚探で魚礁のパターンが現れないので、荒川さんは潜ってアンカーを持ち、荒川さんを曳航して捜索した。そして、荒川さんが見つけた魚礁は塩見のタイヤ魚礁だった。さすがの僕もおかしいと気づいて、浜田の地先に向かって、水深13m線を探りながら移動した。魚礁の枕設位置が水深12。5ー13・8mであることがわかっている。値の幅は干満差である。 そして、浜田の地先13mで、大きな魚礁のパターンを魚探で見つけて、山本さんが潜った。6m角のコンクリート魚礁、メーカー名ではFP魚礁である。この魚礁は知らなかった。2000年以降に入れられたものだ。 魚はたくさん見えるという。どうしよう。ここで潜るべきか、予定通り3000型の捜索を続けるべきか。時計は12時を回っている。ここに潜ってから、タンクをとりに港にもどり、準備をして、捜索を再開し、見つけたとして、15時、言うまでもなく、調査仕事ならば捜索を続ける。しかし、仕事ではない。楽しみ、として潜っている。荒川社長も参加している。 ここに潜る。丸一は、次回のチャレンジとした。  荒川さんと山本さんはそのままで、行ける。僕、小俣さん、増井さんはこれから支度だ。 暑い日、快晴、波も流れもない凪だ。 僕はもう、トレードマークにしてしまおうとおもっている。穴のあいた青い5mmのワンピースに、きちきちの拘束のようなフードジャケットを着る。これで潜れるし、寒くないのだから、いまさら新しいウエットを作る必要もない。ウエイトは5キロで重いとわかっているが、沈めない恐怖で、そのままにした。3キロで適正だろう。
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 6mのコンクリート角が、20個だろうか。2段に積み重なっている。魚は見事に多い。20ー30cmのイサキの大群、イサキは魚礁の中に入ると接近しても逃げない。イノンのLE700を二本束ねて、GOPRO2をテープで固定したお台場仕様をそのまま、DWのマスクマウントにSJ4000を付けた。ニコンのAW130は、忘れてきた。しっかりチャージしたのに、そのまま忘れる。
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 魚礁の中で逃げないイサキを撮っているといつまでも撮っていたい気持ちになる。 まだ小さい10cm級のタカベの群、これはさほどの大群ではない。大きなオニカサゴを荒川社長と一緒に撮影した。
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              SJ 4000
 メジナ、石鯛、ウマヅラ、アイゴ、名前を連ねるのが面倒だ、マアジは居なかった。マダイも居なかった。ハタは、オオモンハタだけだった。ネンブツダイの群が見えなかった。メバルも目立たなかった。 写っていないかと動画を確認したが、見えなかった。季節的なことかとも思うが、波左間の同じFPにもドリームにも多数見られるはずだから、かなり興味深い。 ウエアラブルカメラは、古くなった GOPRO2よりも、SJ4000の方がシャープに見えた。どちらも、画質としては、粗悪なものだが、この程度の調査ならば十分に使用できる。それを前提にすると、時間がインサートされるSJ4000の方がリサーチカメラとしては良い。GOPROも次々と進化するが、廉価なSJも進化する。ところが、sjは、アマゾンなどで買っても、当たり外れが大きすぎる。
 今回、マスクマウントと手持ちを併用したが、次回からは手持ちがSJ,マスクがGOPROになるだろう。しかし、辰巳ではSJよりもGOPRO2の方が良いのだ。
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 海にでていて、この10年、いや、5年で、沿岸漁業、零細な沿岸漁業がドラスティックに変化していることを感じる。まとめておく必要があるのかと思っている。 昨日の日本水中科学協会運営委員会で、最新ダイビング用語事典 V2の企画が決まった。V!を編纂した2012年からの5年で、とんでもない変動が起こっている。  人工魚礁からみた、沿岸漁業の変遷というのも、書くべきテーマなのだろう。

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