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Channel: スガジロウのダイビング 「どこまでも潜る 」
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0707 日本ハウジング史 5

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次第にVTRカメラが小型化する中で、中川にテレビ放送のカメラマンを譲り渡した僕は、より大きいカメラでより大きい画面の作品をつくろうとするようになった。同時に小さい廉価なカメラによる手軽な番組も目指すことになる。大型化と小型化の同時進行である。(1993) 大型化した、展示映像、全天周の撮影として、35mmフィルムシネカメラを作り、それによる撮影も行った。普通の35サイズシネカメラはフイルムが縦に走る。スチル撮影で云えばハーフサイズになる。それをスチルカメラと同じように横に走らせれば、超大型映写の撮影になる。このカメラを8パーフォレーション横走りシネカメラと仮に呼ぶ。 こんなカメラを円筒形にはできない。平らな広い面ができるので水圧でつぶれてしまう。スクーバのレギュレーターを取り付けて、ハウジングの内圧と外の水圧を釣り合わせる。カメラが呼吸するようなものだ。浮き上がる時には内圧が高くなるので気泡を吐き出して浮上する。
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               天板の上にタンクがあるのがわかる。残圧計も付いている。
                   イマジカビジョン ハウジング
 このカメラで僕が撮影した作品は、函館昆布館の180度全天周の展示映像である。北海道と云えば流氷である。函館の昆布と流氷の水中撮影をした。函館が日本の昆布の名産地で、だから函館昆布館なのだが、函館の尾札部がもっとも良い昆布が採れるところで、ここで撮影した。昆布と言えば山崎豊子の「暖簾」を思い出す。天然の昆布は付いていた場所によって質が違うのだそうだ。買い付けにきた昆布屋の番頭③は、昆布をみただけで、付いていた岩がわかる。 そんなことはあり得ないが、それに近い目利きが入札に浜までやってきたのだという。 昆布は海底で直立していない。長い長い海藻だから、強い潮に吹かれて横になっている。横にはなるが両脇にある波形の部分で揚力を作って、底に付かないように体を浮かせている。 しかし、現在では昆布のほとんどは養殖である。ロープに付着して強い流れに乗っている。 そう、昆布の養殖場は2ノット以上の流れだ。このときは田島雅彦をサブのカメラマンとして連れて来たが、彼のショットの方が良い。 養殖昆布は彼のショットをつかった。  ところでこの函館昆布館、映像のもう一つは、水中ヌードなのだ。全天周大型映像ドームシアターから隣の「とろろこぶ」の加工即売場へとつなぐ道の壁が大型スクリーンになっていて、昆布林を縫うように泳いでいく美しいヌードに導かれながら、歩いていく演出になっている。  この話、北海道札幌の佐々木君が噛んでいる。彼はヌード撮影も積丹でやれという。冗談じゃない。あんなところでヌードを泳がせたら死んでしまう。いや道産子ならば大丈夫だ。失礼だけど、道産子のヌードでは王道ではない。 結局、撮影は南の島与論島でやることになった。与論島には昆布はない。ビニールで作って林のように立てる。本当の昆布は這っているのだが、ファンタジーなのだから、問題ない。  モデルを決めるオーディションを新宿のDoスポーツのプールでやった。条件はフィン・マスク・スノーケルなしで、素眼で美しく、25m水平潜水ができることだ。そんな子はいないだろうと思ったのだが、プロダクション経由の募集で20人ほど、ドーンと集まった。外国人が半分くらいだ。日本人の子の多くは素眼で目を開けて潜れない。中には、ポルノのオーディションではないのだから、と言いたいような子もいる。残念ながら、日本人モデルはヌードで泳がせると健康感がない。 二人の外国人モデルを残して、そのどちらか、結局、オーストラリアから来たモデルに決まった。水泳の選手だったとかの美人モデルだった。フィン・マスク・スノーケルなしで、すいへい25mをターンできる。
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                     ビニールの昆布が立っている林を縫うように泳ぐ、

 さて、与論島のロケは写真だけで十分にわかるだろう。 函館昆布館に行った。盛況、繁盛していた、バスがたくさんとまって昆布を買っている。しかし、この場所は函館から洞爺の国立公園に行くとちゅうのトイレ休憩にバスが止まるところで、のんびりと大型映像を見るひとはすくない。
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               http://www.konbukan.co.jp/information/hokkaido.html

 2015年、中尾先生とイタリアの大学に行った。次の年、イタリア大学の先生が日本に来た時、中尾先生は函館に案内して、昆布館の大型映像を紹介した。タイトルロールに僕の名前がでて、先生がたは喜んでくれたという。「ヌードはどうでしたか?」と聞くと気が付かなかったとか。苦労したヌードはどうなったのだろう。

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