GW 恒例ツアー4月29日朝5時20分に、小久保博士(東大、理論天文学教授、東大海洋調査探検部 コーチ)と渋谷で待ち合わせる。東名は、途中事故渋滞が15分ほどあっただけで、スムースに流れた。6時スタートだったら、渋滞に突入しただろう。後発の中川は、渋滞に巻きこまれている。 予定よりも早く赤沢に到着したので、午前に一本潜ることができる。 ドライスーツを持って来ようとも思ったのだが、ドライを持ってきていれば、ドライを着てしまうだろう。ウエットスーツに縛りをかけようと、ドライは持ってこなかった。 手すりからエントリーしようとしたのだが、潮が引いていて、手すりを離して、水に沈んでよく見えない石の上を歩かなければならないので、膝をついて、四つん這いでエントリーする。これが一番確実で怪我がない。 一般的には、歩いて水に腰のあたりまで入ってからフィンを履くのだが、フィンを水中で履くことができない身体になっている。 18度は、文句なく冷たい。しかし、冷たいのと寒いのとはちがうから、寒くなるまでは潜れる。流氷の潜水と同じだ。 泳ぎ出すが、小久保博士を先頭にすると、振り返らずにガイドロープの上を進んでいってしまう。透視度は悪く、魚の姿も見えない。これは予想した通りだ。
小久保博士を呼び戻して、遅れて入ってくる中川河童隊カメラマンと寺内マトンを待って、僕が先頭になり、ガイドロープをたどらずに砂地を横切ってテトラブロックの方に向かう。テトラのあたりをうろうろするがここにもなにもいない。
これまでだったら、GWにはまだ海藻が繁茂していたのだが、海藻が見えない。磯根の状態は悪化していると思う。 そろそろ帰らないと寒くなるな、残圧100でターンする。ウツボが居たので、しみじみとウツボの顔を見たりする。
砂地からあがることにする。この砂地があるので赤沢が良いとおもっている。緑(村上緑、小学生の頃から海に連れて行っていて、孫みたいなものだ。大学3年制になり就活をしている。)が寄ってきて、タンクを外しましょうかといってくれる。遠慮して、でもせっかくだから、フィンのバックルを外してもらおうと頼む。 いつもドライの時のフィンは簡単に自分で外すのだが、バックルのフィンでストラップをきつく締めているので、緑にははずせない。膝のところまで泳いでいき膝立ちで自分で外せば良かったと、緑に断って、歩き始める。うねりが寄せてきて身体がよろめいて、足を送ったその下に石があった。石に足をのせて転んだ。そのときに右の足の脹ら脛をのばして、ギクッを音がした。やってしまった。この前は、お台場の砂浜で、こどもが掘った穴に足をとられて、同じように脹ら脛をのばして1週間びっこをひいていた。 立って歩くと痛いのでタンクを外して緑にもってもらう。彼女は軽々と僕のタンクを抱えてすたすたとあがってしまう。小柄だがパワーがある。こんなことなら、最初から緑にタンクを渡して、自分は膝をフィンをついて外せば良かった。自分でなんでも一人でやる、アシストは受けないという矜持のようなものがある。そんなことで僕は足を引きずって、痛みに耐えながら歩かなければならなくなった。 河合先生(元順天堂大学教授で古いダイバーである。)、小山君も到着して、全員がそろって昼食、二本目の準備、僕はウエットスーツを脱いでしまっているし、足の具合も悪いのでパスした。 赤沢のオーナー平林君と雑談し、JAUSのシンポジウムの報告書を渡して、8080の話をする。波左間で練習して赤沢で本番ができないものかと相談する。ここの50mにイソスジエビの群落があり、10月ならば、きれいなピンクのエビが雲霞のように広がる可能性があるので、目標の絵になる。その打診もあって赤沢にきたのだ。もっかのところこのプロジェクトは難航している。1963年に100m潜水をやり90mで引き返した。その100mを達成しようと1964年に考えた潜水器のコンセプトを実現しようというのだからつじつまは合っているのだが、理解してもらえていない。スポンサーが見つかっていない。この方式は中深度潜水の方法として、軽い作業潜水で60m辺まで、潜るのには良いと思うのだが。わかってもらえない。実行に移して、それが80mに到達しないものであっても、実施する形を発表することは、意味があると思う。
大西君の家に泊まった。とても良い部屋で快適だが、民宿ではなく食事は出さないので、近くの魚料理や「天童」で食事する。 その後はお酒で、河合先生が先頭に立って飲む。お酒を飲むことが楽しいお酒のみなのだ。僕のグループだから、自分としては黙って見ているだけでも居心地は良いのだが、河合先生は、しきりに早く寝るように勧める。飲まない僕がいると、みんな気兼ねして飲まない?からか。 しかたなく、10時にはベッドに入った。ベッドでこの日記を書こうと思って始めたのだが、すぐに眠ってしまった。 目が覚めたのは普通通りで3時半ごろ、それからまた、すぐに眠ってしまった。 続く