バスで、古座間味に到着すると、稲妻が光り、雷の音が空を走り、雨も本格的な降りになっている。昨日も阿真ビーチRにいた安全パトロールの人が、[落雷のおそれがあるので、水泳禁止だけれど、知っていても、あえて潜りますか?]。ところで、スキンダイビングでの落雷事故という例を聞いたことがない。事故例があるのだろうか。戻ったら調べてみよう。しかし、30分、様子を見て、それから潜ろうということにして、30分、バディシステムの話をする。
30分で、雨も小やみになってきた。空も、落雷の心配もない様子。聞けば、阿真ビーチでは落雷があったそうだ。もちろん事故などは、なかったけれど。
自分としては、30分のバディシステムについてのレクチャーは、無駄ではないとおもう。
2010年に来たときには、魚肉ソーセージを魚の餌ように売っていた。ダイバーが泳いでいると魚が後を追ってきた。魚に餌をやることの是非があるが、このような観光ビーチでは、悪いことではないとおもう。餌を買おうとしたが、NGだという。そういうことになったのだ。それはそれでいいことだ。すべて成り行き肯定。
雨のため、岸近くの水中はどんよりしている。二日目で海になれ、トレーニング不足もある程度解消できて、リラックスして、泳げる。まっすぐに左よりのコースをとる。カメラはマスクマウントにして動画を回し続けにする。バディは、寺内君にする。レクチャーで、黒田ならば、右後方をついてくるなどと話したので、忠実についてきてくれる。
古座間味は、もう何度もきている。ニュースステーションの中継ロケもやった。そのころは、岩にミドリイシの類の造礁珊瑚、そして、ソフトコーラルがびっしり付いていたが、もはや、その面影はない。ウミバラ科のサンゴ、シコロサンゴ科など、地味な珊瑚が残っていて、その隙間にデバスズメが出入りしている。水深3ー4mに潜って、マスクマウントからカメラを外して、手持ちで撮影する。グループが泳いでいるのは、右側の方なので、回って行く。
餌付けがないので、ハマフエフキがよってくることもないが、魚は多く、クマノミ、デバスズメが撮影の対象だ。
メンバーの多くがコンデジを持っている。前回2010年のときには、調査用に使っていたシー&シーのカメラを5台持ってきて、撮影の指導らしきことをした。そのおかげだとみんなは言ってくれる。
1130に上がって、注文しておいた昼食を食べる。僕はソーキそばを注文していた。今回の沖縄で初めての沖縄そばだ。ソーキそばらしき味はした。最近は、食べることに熱心ではない。ソーキそばの食い歩きをしたのは20年のかなた。昔のことになる。
もう一度泳ぐことになり、12時に水に入り、1220に上がることにした。バスの迎えが13時だったのを、僕が1230と誤解していたので1220のエキジットにしてしまったのだ。
僕のバディを黒沢さんにして、1度目と同じ、左手のデバスズメのサンゴをねらいに行った。場所を外してしまい、目当てのサンゴよりもそうとう沖までおよいでしまった。見つけた岩は、目当てのサンゴよりもきれいだったが、泳いで息があがってしまい、長く潜れなかった。すぐ引き返して、1220に上がったが、バスが13時だったので、時間をあましてしまい、全員の記念撮影をして時間をつぶした。そんなことなら、沖でゆっくりできたのに。
ちょうど岸に上がった頃に、雨はあがって、太陽まででてきた。落雷から、太陽まで、幅の広い天気だ。
太陽が出ているうちに潜ろうと、そのまま阿真ビーチにバスをまわした。もう、青空は消えていたが、なんとか明るい。今度は細田さんにバディになってもらった。タフな山登り男だから、信頼できる。入ってすぐに、細田さんが亀をみつけた。昨日の亀は、大きくて、あまりきれいではなかったが、今日の亀は若くて美しい。ある程度撮って沖に向かう。
GoProは、バーの先につけている。昨日のボートからのダイビングではバーはむしろじゃまだった。水深2m強の阿真ビーチでは、バーは役に立つ。小さいきれいな枝サンゴの群落をバーで撮影した。しかし、角度の調整が難しい。ここ、阿真ビーチも確実に造礁珊瑚は衰えている。古座間味も阿真ビーチも海水浴場だから、仕方がないだろう。
遠浅のビーチが深みに落ち込んでいる、真っ白な砂地の水深8mぐらいのところに、小さなパッチリーフがある。直径で80cmほどだ。プールの5m、10mはスキンダイビングでわけもなく潜れるが、ウエットスーツを着て、ウエイトをつけての、8mは深い。上から見下ろしてもずいぶん深い。フリーダイビングでは、50mを越えているダイバーも多く、30mは普通なのだろう?。が、僕は若い頃の最高が30m、50代までは、28mまで行けて、アシスタントの大西と競っていたけれど、スキンダイビングとしては、そのあたりが限界。そして、今の僕は、海ではこの8m程度が限界、今年も8m潜れるだろうか?なんとか潜れた。
水深8mを目指す。
バー(2m)につけたGoProは、使える。
スキンダイビングで接近して逃げてしまう魚も、あまり逃げない。2m以内の水深であれば、水面に浮いていて撮影ができる。いわゆる、水面に浮くスノーケリングに向いている。
全員が岸に上がって、さらに、もう一度泳ぎたいという人が数人いる。自分を含めて5名、もう一度トライアルの8mに行くことにした。今日4回目のエントリーだ。スキンダイビングの良いおころは、何度でも連続してエントリー、エキジットを繰り返すことができることだ。スキンダイビングとはいえ、メンバーにもしものことがあった場合、責任者が水の中に一緒にいなければならない。泳ぎすぎて足がつりそうだが、座間味に来て、スキンダイビングだ。死ぬほど泳ぐことが目標だ。
僕が先頭に立って泳ぐ、つまりナビをやったが、なんとしたことか、さっき行ったばかりのコースを間違えて、阿真の漁港の方に行ってしまった。延々と泳いで、心臓の鼓動が聞こえるけれど元気だ。マークの8mは、軽くクリヤーできた。
これで、二日間、計6回のダイビングで、すべてのダイビングは終了。海洋実習という意味では、成功した。口うるさく言ったバディシステムは、完全に機能していて、離ればなれになった瞬間はなかった。
新入りの男性会員は水に慣れて、潜れる水深は浅いけれどなんとか潜れるようになった。これは、いけないことなのだが、僕が、上手な人とばかりバディを組んで、新人を連れて出たのはラストの宮野さんだけ、それを補うように、新人が心配だと、古いお姉さんたちが気にかけてくれて、一団になって動いた。偉いなあ、と感心する。海豚倶楽部は、そういうチームなのだ。もちろん、僕についてきた中堅クラスのメンバーは、まちがったナビゲーションにも、危なげな無くついてこられた。
亀と泳いでいるときに、浅いので、立ち泳ぎをしてしまうとか、砂を巻き上げるとか、細かい、部分に下手なところも、見えたが、それは末梢的なことで、危なげなく、僕は自分勝手にGoProの撮影で遊んでいた。
終了後、「うみまーる」に行き、おみやげのTシャツ、写真集などを買った。井上君、高松さんは、ていねいにサインをしてくれる。
夜は、バーベキュー、そして那覇で買っておいた花火で打ち上げになった。線香花火のような、打ち上げだった。
うみまーる 井上君と 高松君
打ち上げ線香花火 漆黒の夜
6月5日
事故の心配もなく、梅雨の沖縄で、23名のツアーができ、満足してもらえて、無事。初心者も4名、しかも高齢者が多い。20人のスクーバダイビングツアーならば、少なくても、5ー6人のスタッフがいなければできない。
これまでは、スクーバダイビングをするメンバーは、スクーバダイビングを別にやることをみとめていた。今回は、スクーバダイビングは、全くなしとした。スクーバダイビングをやりたい何人かにとっては、残念なことだろう。5人のメンバーは阿嘉島で降りて、ダイビングショップ、シーサーでPADIのアドバンス講習を受けるという。良いことだと思う。PADIでも、NAUIでも、講習を受けることは良いことだ。僕の講習については、次はVカードを受けてくれればよい。教える側、シーサーのPADIのインストラクターにとって、バディシステムがすりつけられている、僕たちのメンバーは扱いやすいとおもう。まさか、バディシステムの習慣をこわされて、戻ってくることはないだろう。そして、何かを教えられおぼえてカードを取得することはとてもよいことだ。